【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.88「フォーティーファイブ」
もうこんな話ばかり嫌になってしまうが、計4本の芝居が中止となりました。
・ニッポン放送プロデュース、はえぎわ番外公演「お化けの進くん」
・Bunkamuraシアターコクーン「母を逃がす」
・世田谷パブリックシアター@ホーム公演(高齢者・障害者施設巡回公演)
・ゴールド・アーツ・クラブの本公演
@ホーム公演は、今年で11年目となるライフワークのような公演で、
毎年、紫陽花が咲く頃に、世田谷区の高齢者施設、障害者施設を巡回公演していた。
十年間そのリズムができていたので、先日紫陽花をのんびりと眺めていたら非常に心がポッカリとしてしまった。
そして極め付けが、ゴールド・アール・クラブの公演中止、かつ、解散だ。
2016年に、蜷川さんが亡くなり急遽受け継ぐこととなった1万人のゴールド・シアター。
それからおよそ5年。
1000人ほどの高齢出演者の皆さんとの創作は、演劇そのものの力を見せてくれる、またとない場所だった。
日本全国いや、世界を見渡してもこれほどの規模の高齢者演劇集団はなかったはずだ。
多いってすごいですよ。人が多く集まる。それだけで凄まじい力をうむ。しかもそれが高齢者。しかも一つの創作に臨む。
演劇にはそれができた。
その演劇にあれだけの方々が集って来られた。
私はあそこでの創作に紛れもなく燃えていた。
その集団が、今年の公演中止は仕方ないとしても、集団そのものが解散となってしまった。
呆然とする。とはこのことか。
「ノゾエさん、私には時間がないんです!早く再開されて、ノゾエさんの指導を受けられる日を心待ちにしています!」
解散になったことをまだ飲み込めていないおばあちゃまからのお手紙が脳裏でグルグルする。
そうこうするうちに、45歳になりました。
【著者プロフィール】
ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された
【今後の予定】
動画第二弾です。
コロナ禍、劇団員に会いにいってみました。
しかし本当の目的は会うことではなかった・・?
お時間ある時によろしければ。
以下、訪問した順になっております。
① まちだくんどうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=1CsbtqM2gzI
② たきくん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=4wqLWqW1iDo
③ ゆりちゃん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=EvjpphOD0rc
④とみかわくん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=X6Tc-Pk-uaA
⑤ろんちゃくん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=yhYgNwsMv8I
⑥とりしまくん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=J7f_80ZKLXk
⑦まきさん、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=p8WKI0CHRQs
⑧おおきいこ、どうしてるかな?
https://www.youtube.com/watch?v=FZX5EpTeBmM
■動画第一弾 ショートムービーのようなものを撮りました。撮影も編集もiPhoneですが。
お暇な時にでもご覧いただけましたら幸いです。
https://youtu.be/YPrZkvazgzQ
▼▼前回の連載はこちら▼▼
http://enbu.co.jp/nikkanenbu/nozoe87/
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