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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.123「井内ミワク」

紫陽花の咲くこの時期、今年も始まりました、世田谷パブリックシアター@ホーム公演。
世田谷区の高齢者施設、障害者施設巡回公演なんですが、早いもので14年目を迎えています。
今年は、はえぎわの井内ミワクも初出演。
って、2020年に井内さんでやる予定だったのですが、例の新型コロコロで行けなくなってしまい、一昨年と昨年は、コンパクトバージョンで巡回したのでした。
だもんで、井内さんとしても3年越しの公演となったわけです。
高齢者施設での勤務経験も豊富な井内さん、やはり、本番は違いました。
オープニングからしっかりとお客さんの気持ちを掴んでいって、頼もしいったら。
そっか、井内とはもう25年一緒に演劇やってるんだな。
えんぶゼミの第1期生・松尾スズキクラス。
最初に4人一組のチームに分けられた時に、そこにいたのが井内だったわけで。
その井内とこうして、25年後にまた4人チームでこういう公演をしているとは、ちょっと感慨深かったりする。
井内がバンを運転して、私が助手席でナビをして、ちょっと一瞬、車をこすりそうになって、うん、そういうのも感慨深く、はないか、普通にヒヤヒヤしたり、25年前の松尾クラスの卒業公演で2トントラックを私が運転して、鉄のポールにこすって、前にも後にも動けなくなったことを思い出したり。
いずれにても、井内も私も、慣れない胴長の車の内輪差に苦戦したわけです。

@ホーム公演の初日は、世田谷パブリックシアター芸術監督の白井晃さんもわざわざ観にきてくださって、
施設の職員さんたちもノリがいいものだから、お爺さまお婆さまたちもとてもいい表情で観てくださっていて、
ああ、演劇をやっている・・演劇ってこういうことだよなって、しみじみしてたら、まあトチリましたさ。油断したら内輪差さ。

今年もたくさんの方と触れ合えるのが楽しみだ。

【著者プロフィール】

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。

 

【今後の予定】
・世田谷パブリックシアター@ホーム公演(高齢者施設、障害者施設巡回公演)
脚本・演出・出演 ノゾエ征爾
2023年6月各所巡回予定。

・COCOON PRODUCTION 2023
「ガラパコスパコス 〜進化してんのしてないのか〜」
2023年9月10日開幕  @世田谷パブリックシアター、他
脚本・演出:ノゾエ征爾
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/23_galapacospacos.html

▼▼前回の連載はこちら▼▼

http://enbu.co.jp/nikkanenbu/nozoe122/

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