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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.111「相い、対する」

ここでも何度か書かせていただいている、世田谷区の高齢者施設、障がい者施設巡回公演
「世田谷パブリックシアター@ホーム公演」が、2019年以来の再開をすることができました。
2月にお試しで一箇所だけ伺わせていただき、この6月から正式に、8箇所9公演もできることになり、いままさに回っている最中なのであります。
2010年からやらせていただき、当初はサイドワークな気持ちがどこかにあったような気がするのですが、
いつの間にか自分のとても大切なライフワークとなっていました。
ということに、この2年の中止を体験して痛感したわけです。
間近でおじいちゃまおばあちゃまたちが楽しんでくださっている姿は、
最高という言葉もちょっと違う、言葉にはできないほどの、細胞がぞわぞわする瞬間なのであります。
今回は、まだこちらも万全の演目ではないと言うか、
演劇作品というより、芸や歌をちょこっと用意させていただいた、みたいな形ではあるのですが、
でもやりたくてもやれなかったこの2年があったので、
なんであれ、伺わせていただけること、そして喜んでもらえることが、いやこっちが喜ばせてもらえることが、やっぱこれが演劇だよなって、毎ステ噛み締めているのであります。

先日は、翌日に100歳になられるというおばあちゃまから、花束をいただきまして。
100歳て。1922年て。調べたらアインシュタインが来日したとかそんな年だそうだが、アインシュタインて。
まさに相対で成り立つ演劇空間が私はやはり好きなのでありまして、
何かと独立的なことを強いられ、推し進められ、慣れていったこの数年のそれはそれとして、
相対な社会もまた復帰していくことを楽しみにしているのであります。
と言いつつ、まだマスクの顔しか知らない相手の前で急にマスクを取るのが異常に恥ずかしかったりする事態に直面しているこの頃なのであります。

【著者プロフィール】

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。

 

【今後の予定】
・世田谷パブリックシアター@ホーム公演 「ちょこっとチャーリー」
(脚本・演出・出演)
https://setagaya-pt.jp/performances/202206athome.html

・「気づかいルーシー」(脚本・演出・出演)
https://www.geigeki.jp/performance/theater306/

 

▼▼前回の連載はこちら▼▼

http://enbu.co.jp/nikkanenbu/nozoe110/

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