【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.85「明ける頃」
前回、ニッポン放送プロデュース公演が中止になったことを書きましたが、
後日、荷物を取りに劇場に戻った事があった。
セットも全てなくなり、ガランとした空間を、ひっそりと一人で歩きながら、
ゾンビの世界みたいだと思った。
そんな風に街から人がいなくなるなんてことが、いつか本当に起こったりするのだろうか?
と、ありえないこととして想像してたら、すぐに起きた。これには驚いた。
そしてまた公演が中止になった。コクーンでの「母を逃がす」。超驚いた。
たっぷり時間ができて、たらふく食べてたら、すごい勢いでふっくらしてきた。
不確かな事が多いけど、ふっくらするスピードは、コロナの発症よりも早いのは確かだ。
目の前の公園でジョギングをする人が急増している。
コロナが明ける頃、体力をつけた人が多いか、ふっくらした人が多いか、果たして。
【著者プロフィール】
ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された
【今後の予定】
新型コロナ次第となっております。
▼▼前回の連載はこちら▼▼
http://enbu.co.jp/nikkanenbu/nozoe84/
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