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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.102「特別枠」

知らぬ間に夏が終わったような感じになりつつあるのだが、
週末ともなると、目の前の公園は、まだまだ花火をする人で溢れかえっている。
この夏はずっとそうだった。
週末の夜、公園のそこかしこに、花火に興じる人々が、それぞれに花火を楽しんでいた。
それはなんか、とっても悪くない光景で、動画でも撮って周りたくなるくらい、ちょっと幻想的で美しかったりした。
そこそこ大きな公園で、歩いても歩いても、こんなとこにも花火、こんな木陰にも花火、花火そっちのけのカップル、そしてまた花火。
コロナ以前には見なかったものだし、手持ち花火業界は急ピッチで生産体制をあげたことだろう。
ちなみに私は、ロケット花火が、なんか好きでして。
ロケット花火そのものというより、ロケット花火の扱いというか立ち位置というか。
飛ばしたら飛ばしっぱなし。誰もその行く末を気にしない。ゴミを気にしない。
ロケット花火だけに許された特権みたいな、あの人はしょうがないよね的な、
飛ばすほうも飛ばされる公園側も、あいつだけ「しょうがねえなあ」と受け入れちゃうその感じがなんかいい。
もちろん場所などによっては禁止にするのはもちろん理解できるのだけど、
もし、全国レベルで、ロケット花火に対する寛容さがなくなる日が来たら、
それはいよいよ、危機的に窮屈な社会だろうなと思う。
ただ、そういう私も、たまに、ロケット花火うるせえなとは思う。それは思う。
だって実際、うるさいんだもの。
それも含めてのロケット花火特別枠です。
本当に好きな花火は、トンボってやつです。

 

【著者プロフィール】

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された

【今後の予定】
ワタナベエンターテインメントDiverse Theater『物理学者たち』
原作◇フリードリヒ・デュレンマット
上演台本・演出◇ノゾエ征爾
2021年9月19日~26日◎本多劇場
https://physicists.westage.jp

はえぎわ新作公演
「ベンバー・ノー その意味は?」
作・演出 ノゾエ征爾
2021年11月3日~14日
@新宿シアタートップス

▼▼前回の連載はこちら▼▼

http://enbu.co.jp/nikkanenbu/nozoe-101/

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