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演劇ユニット「新派の子」錦秋公演『新編 糸桜』上演決定!

波乃久里子の主演で深い感動を呼んだ舞台『糸桜(いとざくら)』が、本年 10 月、演劇ユニット「新派の子」錦秋公演で新編として上演が決定した。
脚本・演出は齋藤雅文、共演には尾上菊之丞、大和悠河らが名を連ねる。

江戸の幕末期から明治という激動の時代に活躍し、江戸歌舞伎の粋を極めた河竹黙阿弥は、その生涯でおよそ 360 本の膨大な作品を残した歌舞伎の名作者。本年 2023 年は、黙阿弥が没して 130 年の節目の年で、歌舞伎座でも 1 月から毎月のように黙阿弥作品が上演されている。

時を超えて愛され、歌舞伎のレパートリーの中でも最も上演頻度の高い黙阿弥作品は、ある一人の女性が“女の一生を懸けて”守り抜いたことにより、現代まで受け継がれてきた──その女性こそ、黙阿弥の一人娘・糸。

糸の奮闘を描いた河竹登志夫(黙阿弥の曾孫。歌舞伎研究家)の「作者の家」を原作として、新派文芸部の齋藤雅文が女優・波乃久里子に当てて書き下ろした新派の新作舞台『糸桜~黙阿弥家の人々~』は、2016(平成 28)年 1 月に三越劇場で河竹黙阿弥生誕二百年記念として上演された。

“作者の家”を守る糸、“作者の家”の養子となる繁俊、“作者の家”に嫁ぐみつという血の繋がりのない三人が、それぞれの想いを胸に秘めて、ぎこちないながらも親子として心を通わせていく、笑いあり涙ありの感動作。人と人との絆を描いた心温まる舞台は高い評価を博した。(※「糸桜」は「シダレザクラ」の別名。樹齢が長く、悠久の時を咲き誇る。)

河竹黙阿弥の娘・糸を演じる波乃久里子(2021 年舞台より)

齋藤雅文による書き下ろしは、役者の個性を最高の形で発揮させる究極の当て書きがなされ、父・黙阿弥の作品を守るために生涯独身を貫く一人娘・糸を演じた波乃久里子は、名優・十七代目中村勘三郎を父に持つ波乃自身と重なり合い、まさに“虚実皮膜”の演技で賞賛を浴びた。初演にも関わらず、「久里子十種が制定されたなら確実に入る作品」との声が上がるほど。再演を望む声が多く上がるなか、初演から 5 年を経た2021(令和 3)11 月、コロナ禍に演劇ユニット「新派の子」を立ち上げた齋藤雅文が、「新派の子」の企画第二弾として『糸桜』を再演。波乃久里子の主演により日本橋劇場で二日間限定の公演を行うと、再演を待ち望んだ観客とその評判を聞きつけた観客が集まり満席、熟成度を増した舞台に、初演を超える熱気に包まれた。

そして、この度、演劇ユニット「新派の子」錦秋公演として『糸桜』が新編として上演決定。河竹黙阿弥没後 130 年の節目の年に、齋藤雅文が新たな想いを込めて手掛ける『新編 糸桜』の主演には「この作品に出会えたこと、感謝しかありません。役者冥利に尽きる、この上ない幸せです」とコメントを寄せる波乃久里子。そして、満を持してストレートプレイに挑む日本舞踊尾上流四代家元・尾上菊之丞に、初演以来連続出演となる宝塚歌劇団元宙組トップスター・大和悠河がキャスティングされ、「『糸桜』決定版をお送りします!」と齋藤が意気込む『新編 糸桜』に期待が高まる!

【コメント】
脚本・演出:齋藤雅文
生意気にも波乃久里子の代表作として、少しでも多くの方に御覧をいただかなければと思い立った!
今、見るべきです、走り続ける波乃久里子を!
これは黙阿弥という「化け物」を父に持ったお糸さんと、
血の繋がらないその家族、それを取り巻く人々の愛と情熱の群像劇でもあります!
今回は養子の河竹繁俊役に尾上菊之丞という「新しい血」が流れ込む!
いったいどうなるのだ!
尾上菊之丞さんを役者として迎えて、さあ、どうなるのでしょうか。
舞踊家とか、家元とか、まぁいいじゃありませんか。
菊之丞さんの涼し気というか、飄々とした不思議な存在感と、不可能を可能にする魔力に惚れたのですから。「未知との遭遇」こそ演劇の醍醐味です!
大和悠河と、練達のキャスト・スタッフと、下野戸亜弓の琴を得て、
より深く、より高いところへ! 『糸桜』決定版をお送りします!
三越劇場の初演から 7 年。
演劇は「生き物」ですから、放っておいても同じ舞台にはなりません。
さらに今回は「新編」ですので、これまで観た方もまた見逃せません!
久里子もみんなも、進化も深化もして、ましてや菊之丞さんが入れば、
必ず新しい姿に「脱皮」します!
さて蝶になるか、毒蛾になるか、ぜひ御一緒に目撃していただきたい!

主演:波乃久里子
この『糸桜』という素敵な作品に出会えたこと、感謝しかありません。
役者冥利に尽きる、この上ない幸せです。
先日(4 月 13 日)、齋藤雅文先生にお声掛けいただき、朗読会をいたしました。
その名も『Salon De Marron~波乃久里子を聴く宴~』……畏れ多くて、お恥ずかしい限り。
わたくしは舞台の役者ですから、どうしても動きで表現したくなるところをグッとこらえて、台詞のひとつひとつ、お相手の方との“間”を大切にして、細やかに稽古していただきました。
当日までドキドキでしたけれど、いざ、開幕のときを迎えると、目の前には満員のお客様!
齋藤先生の演出で、とても素敵な空間をつくってくださった上に、今、この瞬間をご一緒する皆様との、ライヴでしか味わえない空間に喜びを感じました。
ありがたいことでございます。
『糸桜』は本当に大好きな作品です。
そして、われらが齋藤雅文先生に「波乃久里子の代表作」と言っていただけるなんて!
そのお言葉に恥じぬよう、黙阿弥さんに、糸女さんに、繁俊先生に、登志夫先生に、そして父に……、手を合わせて、力をお貸しいただいて、全身全霊で『糸桜』と向き合います。
毎年、新たな花を咲かせる糸桜のように、新鮮な気持ちで素敵な花を咲かせたいです。
10 月、劇場でお会いできることを楽しみにしております。

【公演情報】
演劇ユニット「新派の子」錦秋公演
河竹黙阿弥没後百三十年
河竹登志夫「作者の家」より
『新編 糸桜』
脚本・演出:齋藤雅文
出演:波乃久里子 尾上菊之丞  大和悠河
只野操/村岡ミヨ、鴫原桂/石橋直也/下野戸亜弓、堅田喜三代社中
/喜多村次郎、市村新吾/佐堂克実
●10/12・13◎日本橋公会堂(日本橋劇場。中央区日本橋蛎殻町 1-3-1 日本橋区民センター内)
〈「新派の子」公式 Twitter〉https://twitter.com/shinpa_no_ko

 

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