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宝塚歌劇初の横浜アリーナに弾ける想いがあふれ出す!明日海りおの『恋スルARENA』開幕!

本年11月24日をもっての退団を発表している宝塚歌劇団花組トップスター明日海りおのプレ・サヨナラ公演であり、宝塚歌劇団初の横浜アリーナ開催のライブコンサートである宝塚歌劇花組公演 RIO ASUMI SUPER TIME@045 『恋スルARENA』が25日、横浜アリーナで開幕した(26日まで)。

RIO ASUMI SUPER TIME@045 『恋スルARENA』は、男役としての期限を遂に切った明日海りおが、これまでの集大成ではなく、更に進化し続ける舞台人として創り上げるライブステージ。こうした大規模なコンサートは、宝塚歌劇歴代のトップスター真矢みき(現・真矢ミキ)、柚希礼音が武道館で開催しているが、横浜アリーナでの開催は宝塚歌劇団105年の歴史の中でも初めて。公演グッズとして遠隔操作で自動的に色が変わるブレスレットライトが導入されるなど、新たな試みも満載で、明日海にとって4人目の相手役となる、花組新トップ娘役・華優希の披露もあり、盛りだくさんなノンストップ2時間のステージになっている。

まずオープニングは、明日海自身の衣装デザインによるスポーティでカジュアルなスタイルでスタート。キャップにフード、ハーフパンツにスキニーパンツのレイヤード等、宝塚の男役としては意表をついたテイストの衣装で、大流行中のPVCやメッシュ素材を用いた、カラフルでポップなイメージが横浜アリーナでの公演という特別な雰囲気を盛り上げる。

そこから芝居仕立てのシーン。「恋するNewヒロイン華優希ちゃんです!」と明日海に紹介されて登場する新トップ娘役・華優希の愛らしさ全開のアイドルソングと、美しい新トップコンビのデュエット。ご当地横浜にちなんだメドレー。100周年の思い出。更に6月26日がバースデイの明日海を皆でお祝い!の趣向。男役の明日海の映像と女役に回った明日海の競演、更に瀬戸かずや、水美舞斗とのダンス。そして、明日海の近年の代表作の主題歌を黒燕尾で。と、「横浜アリーナでしかできない宝塚歌劇公演」としてのステージが続いていく。映像を使う演出に秀でている齋藤吉正らしい遊び心も多くあるし、広い、広い舞台エリアを明日海以下、出演メンバーが駆け回り、客席にも繰り出しと大空間を「恋スル」というテーマで埋めていくパワーが溢れていく。

その中でも、ふんわりと優しく温かい持ち味はそのままに、より進化した明日海が見られるのが、このライブの醍醐味でもあって、昨年末の舞浜アンフィシアターでのコンサートに比べても、男役・明日海りおがより自由度を増し、兄貴分的雰囲気を自然に醸し出しているのが頼もしい。女役の大役が回ってくることも多かった若手時代から、フェアリータイプの代表格としてトップスターの地位についた明日海が、経て来た年月の中で極自然に大きさを増していった現在が、この大アリーナの空間の中でも、ちゃんと宝塚歌劇の公演を成立させている。そのことがやはり何よりも尊いし、音楽を聴いて楽しむという以上に、その場の空間を共有し、体感することに重きが置かれている横浜アリーナで尚、歌詞を明瞭に客席に届ける明日海の歌唱力には感嘆させられる。特に明日海の場合、どんなに朗々と歌っていても「どうだ!上手いだろう!」に通じるような歌い手の自己陶酔が欠片も感じられず、ふと気が付くと歌詞が心に染み入ってくるのが、こうしたライブコンサートを明日海だけの色に染める効果になっている。中でも名曲「One more time、One more chance」はかつて湖月わたるのダンスライブでも使われて、その世界観の素晴らしさを堪能していたが、今回は「桜木町」の地名が登場する楽曲に横浜のロケーションが加わり、これは絶品。宝塚の主題歌はいわずもがなだし、終盤「それは反則だろう~!」と涙を禁じえない楽曲もあり、宝塚の歴史に残る大トップスターにして、優しく柔らかい空気を纏い続ける明日海が堪能できた。

そんな大トップスター明日海りおの最後の相手役になった100期生の華優希は、顔立ちはもちろん一挙手一投足のビジュアル全てが愛らしく、まさに「Newヒロイン誕生!」。彼女が隣に立つことで、明日海から自然に「お兄ちゃん」の包容力が醸し出されるのも新鮮で、千秋楽まで芝居を突き詰め、相手役との交感にも常に真剣勝負の趣があった明日海が、男役人生のラストスパートに全く違うタイプの相手役を得たことの効果が顕著に表れていた。歴代の相手役それぞれの良さとかぶらない、新たな魅力を持った華の活躍に、期待が膨らむヒロインデビューになったことが喜ばしい。

また、瀬戸かずやがこのところ更に進境著しい多彩な表現力を随所に見せれば、水美舞斗が秀でたダンス力とパワーを舞台にぶつけて明日海をがっちりとサポート。芽吹幸奈、和海しょう、乙羽映見など、歌えるメンバーの活躍も目を引く。更にこの日は綺城ひか理、飛龍つかさ、等バウホール公演『Dream on!』に出演していたメンバーと、月組に組替えになった鳳月杏が特別出演。明日海と鳳月の学年を越えた信頼感がよく伝わったし、明日26日の公演には柚香光を筆頭にTBS赤坂ACTシアターで『花より男子』上演中のメンバーが駆け付けるなど、この宝塚発の横浜アリーナのステージを、花組あげて盛り上げよう!という気概が満載。何よりも「男役・明日海りお」に「恋スル」人たちが、宝塚の男役としての明日海が迎えるラストバースデーを、会場と各地のライブ中継で、何万人規模で祝えるはからいがなんとも粋な、宝塚105年の歴史に残る特別なライブコンサートになっている。

尚、この公演は岩村美佳撮影の舞台写真と共に9月9日発売の「えんぶ」10月号にも掲載致します!どうぞお楽しみに!

【公演データ】
RIO ASUMI SUPER TIME@045 『恋スルARENA』
作・演出◇齋藤 吉正
出演◇明日海りお 華優希 ほか花組
●6/25~26◎横浜アリーナ
〈料金〉センター席 8,800円  アリーナ席 8,800円  スタンド席 6,000円
〈お問い合わせ〉宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100
〈公式サイト〉https://kageki.hankyu.co.jp/

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

 

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