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堂本光一&井上芳雄 奇跡のタッグ再び!ミュージカル『ナイツ・テイル』inシンフォニックコンサート!

2019年に堂本光一&井上芳雄の二大スター初共演で世界初演されたミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』の、オーケストラの生演奏によるコンサートバージョン、ミュージカル『ナイツ・テイル』inシンフォニックコンサートが、池袋の東京芸術劇場コンサートホールでの公演を大盛況のうちに終え、8月18日から初台の東京オペラシティコンサートホールで上演される(22日まで)。

ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』はシェイクスピア最後の作品として知られる「二人の貴公子」(共作・ジョン・フレッチャー)を基に、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターであり、『レ・ミゼラブル』初演を演出した世界的演出家ジョン・ケアードが、堂本光一と井上芳雄という二大スターを得て、2018年に帝国劇場で世界初演を果たしたミュージカル。2000年『MILLENNIUM SHOCK』で最年少座長として帝劇主演し、現在の『Endless SHOCK』へと作品を牽引してきた堂本と、同じ年にミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役で鮮烈デビュー以来、ミュージカル界の寵児となった井上による、トップスター同士として互いに親交を深めた二人の夢のタッグが実現した公演としての、記憶も新しい作品だ。

今回の上演はそんな舞台のコンサートバージョンで、東京フィルハーモニー交響楽団に、尺八奏者も入った和楽器バンドを加えた豪華編成のもと、主人公のテーベの騎士で従兄弟同士のアーサイトの堂本。パラモンの井上をはじめ、二人が恋に落ちるアテネ大公の妹エミーリアの音月桂。戦いに敗れた二人の騎士が囚われた牢獄の、牢番の娘の上白石萌音。アテネ大公シーシアスの岸祐二。アーサイトとパラモンの伯父でテーベの王クリオンと、森の楽団のダンス指導者ジェロルドを二役で演じる大澄賢也。アマゾネスの女王ヒポリタの島田歌穂の、オリジナルメインキャストが集結。舞台上部のスクリーンに映し出される初演の映像も巧みに使いながら、コンサート版ならではの楽しさにあふれるステージが展開される。

中でも、メインキャストの一人一人が自己紹介をしながら「実は自分こそがこの物語の主人公」と主張したり、ストーリーの流れを説明しつつ「でもここでは自分はまだ真実に気づいていません」と語るなど、演劇の想像力の豊かさに委ねる部分も多く見られた初演が描こうとしていたテーマや人物関係を、キャスト自らがレクチャーしてくれるかのような構成が実に巧み。新型コロナウィルスの影響で、ロンドンを拠点とする演出家のジョン・ケアードと、ニューヨークを拠点とする音楽スーパーバイザーのブラッド・ハークが来日できず、東京の稽古場と三ヶ国をリモートでつないで稽古が進められたという中で、これだけ示唆に富み、ウィットの効いたステージが構築されたことに驚いた。

特に、アーサイトが一人獄を解かれて歌う「贈り物」。パラモンが自らの揺れ動く気持ちを吐露する「悔やむ男」とそれぞれ新曲が加わったことで、二人の騎士の心情がよりくっきりと浮かび上がった効果が作品に与えた陰影が大きい。堂本の歌唱力が更に伸びやかに進化し、井上のミュージカル俳優としてのスケール感もアップして、二人の魅力が十二分に浮かびあがる。初演からの聞き所だった二人のナンバー「囚人の歌」や「宿敵がまたとない友」はもちろん、大ナンバーを歌い上げたそのまま、いきなりフリートークに突入する展開も、二人のコンビネーションの良さ、トップスター同士がたくまずして持っているチャーミングさを実感させる時間となった。音月の更に磨きがかかった美しさと表現力。上白石の可憐さと共にある芝居力。岸の堂々とした中に潜む茶目っ気。大澄の武器であるダンス力に渋みも加わった軽やかさ。島田の余人に代えがたい威厳と共存する繊細さと、メインキャスト7名の充実と、固く結ばれていることが伝わる絆も得難い。

ラストには、このコロナ禍ばかりでなく、今世界が直面している様々な問題への意識が影響したのだろうと思える「次は?」という新曲も用意され、この世界の続きを描く希望が観客に託される演出が。シンフォニックコンサートの為にリアレンジされた楽曲の魅力も倍加していて、壮大な序曲から音楽の魅力がさく裂。このコンサートバージョンに続く、ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』再演への期待も大きく膨らむ舞台となった。

また、東京芸術劇場コンサートホールでのゲネプロを終えて行われた会見では、堂本が「スタッフの皆さんが対策をたくさんしてくださったからこそ実現できている。東フィルさんの演奏で歌えるなんてなかなかないことですから、すごく素敵な機会。この空間と時間を噛み締めたい」と語ると、井上も5月の段階では「まさか実現するとは思っていなかったので、夢の中にずっといるみたい。歌も毎日歌っていてすごく幸せです。このメンバーでこの時期にできることに運命を感じています」と、様々な舞台が中止を余儀なくされている中で、実現したコンサートに感慨深げ。こんな時期だからこそ全員が、一回、一回の舞台を大切にしたいとの思いで一致している様子が伝わり、堂本が「今回配信はできませんでしたが、今後色々な形の舞台が生まれるのでは」とコロナ禍ののちに立ち上がる演劇界に期待を寄せると、井上が「無事にやり遂げ、この公演が今できることの実例のひとつになるように、希望をつなぎたい」とそれぞれに力強い未来を見据える目線を示してくれた。

尚、公演を行うにあたっては、キャストや楽団メンバーは出の直前までマスク着用。メインキャストは2mの距離をとってのパフォーマンス。オーケストラは各人、左右80cm、前後1.5mの間隔を取り、アンサンブルキャストは、それぞれ四方をアクリル板で囲ってのパフォーマンスとするなど、万全の感染対策がとられている。来場者も安心してコンサートを鑑賞できる環境づくりとして、客席は一席おきでの配席。観客の入場時にはサーモグラフィーで検温し、消毒液で手指の消毒。更に、各公演後には客席・ロビー・化粧室消毒を徹底し、化粧室の混雑や会話による飛沫防止のため、幕間なしの約2時間の公演に収めるなど、今できることを追求して実現したこのミュージカル『ナイツ・テイル』inシンフォニックコンサートが、演劇界に指し示した光を感じるステージとなっている。

【公演情報】
ミュージカル『ナイツ・テイル』in シンフォニックコンサート
脚本・演出◇ジョン・ケアード
音楽・歌詞◇ポール・ゴードン
日本語脚本・歌詞◇今井麻緒子
音楽スーパーバイザー・オーケストレーション・編曲◇ブラッド・ハーク
出演◇堂本光一 井上芳雄
音月桂 上白石萌音
岸祐二 大澄賢也 島田歌穂 ほか
演奏◇東京フィルハーモニー交響楽団
●8月10~13◎東京芸術劇場 コンサートホール(※公演終了)
●8月18~22◎東京オペラシティ コンサートホール
〈料金〉S席13.500円 A席9.000円(全席指定・税込 ※全席完売)
〈公式サイト〉https://www.tohostage.com/kt2020/

 

【取材・文/橘涼香】

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