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小山ゆうな演出、小島聖・田代万里生らの出演する『ラビット・ホール』開幕!

KAAT 神奈川芸術劇場では、ピューリッツァー賞戯曲部門受賞作『ラビット・ホール』が、2月18日からの延期期間を経て、 23日に初日を開幕した。(3月 6日まで。のち兵庫公演あり)

本作は芸術監督に就任した長塚圭史により導入されたシーズン制の1年目のテーマ「冒」というテーマにそった企画で、幸せな日常と未来を突然奪われながらも、深い悲しみから一歩を踏み出そうとする家族の物語。

デヴィッド・リンゼイ=アベアーによる戯曲で2007 年にアメリカのピューリッツァー賞戯曲部門受賞、2010 年にはニコール・キッドマン自らのプロデュース・主演により映画化もされ、数々の賞に輝いた。

かけがえのない息子を事故で亡くし、深い苦しみと悲しみの中にある夫婦。同じ痛みを抱えながらも関係がぎくしゃくしてしまう2人と、彼らを取り巻く人々が微妙に変化していく日常をきめ細やかに描いている。

演出を手掛けるのは、2017 年『チック』(翻訳・演出)で第 10 回小田島雄志・翻訳戯曲賞、第 25 回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し注目を集め、数々の話題作を世に送り出してきた小山ゆうな。

出演は事故で失った息子の面影に心乱され苦悩するベッカ役を小島聖、ベッカの夫・ハウイー役をる田代万里生、ベッカの妹イジー役には占部房子、二人の母ナット役には木野花、夫妻の息子を車で轢いたジェイソン役には新原泰佑が扮している。

【あらすじ】
ニューヨーク郊外の閑静な住宅街に暮らすベッカとハウイー夫妻。
彼らは8カ月前、4歳だった一人息子のダニーを交通事故で失いました。ダニーとの思い出を大切にしながら前に進もうとする夫のハウイー。それに対し、妻のベッカは家の中にあるなき息子の面影に心乱されます。そのような時にベッカは、妹イジーから突然の妊娠報告を受け戸惑い、母のナットからは悲しみ方を窘められ、次第に周囲に強く当たっていきます。お互いに感じている痛みは同じはずなのに、夫婦・家族の関係は少しずつ綻び始めていました。
ある日、夫妻の家にダニーを車で轢いたジェイソンから手紙と彼が書いたSF小説が届きます。会いたいというジェイソンの行動に動揺を隠せないハウイーですが、ベッカは彼の描いた手紙や小説を読み、彼に会うことを決意します。

初日を迎えて演出家とキャストからコメントが届いた。

【コメント】
演出:小山ゆうな
この状況の中、お客様と共に初日を迎える事ができ、満席の客席を見ただけで、胸がいっぱいになりました。
ご観劇くださった皆様ありがとうございます。
『ラビット・ホール』は、とても悲しい出来事を抱えた家族とその出来事に関わる青年の話ですが、繊細に日常の会話の中のささやかな事の積み重ねで構築された戯曲です。
その繊細さを客席の皆様と共有し、お客様の呼吸や眼差し、存在によって作品の温度がより確かなものとなり、浮かび上がってきました。
出演者の皆は、初日終わってからも、演技についての議論を重ねていました。
毎公演新鮮な瞬間が生まれると思います。引き続き、無理ない範囲でご観劇いただき、作品を応援いただければ幸いです。

小島聖
この作品は、非常に心に響くセリフが多く、そのセリフの言葉たちがその日の気持ちによって、心への刺さり方が毎回違います。なので毎日新鮮で発見が多いです。
俳優は5人だけですが、演出の小山さんが、それぞれが考えていることや感じていることを垣根なく話し合う時間を作りながら稽古を進めてくださったので、少しづつ日常会話や芝居について言葉を交わすことで皆さんとの距離感が縮まりだんだん家族のようになってきました。そういう舞台上以外での時間がやはりお芝居にも表れるものだと思うので、信じられる 5 人で良かったなと思っています
幕が開いたことが本当にありがたいと思うのと同時に、千秋楽まで全員が健康でありますように、そして世の中も落ち着いていくことを願うばかりです。

田代万里生
KAAT神奈川芸術劇場の今年度のテーマは「冒(ぼう)」。そのメインシーズンの最後を飾る作品、『ラビット・ホール』が、ついに開幕致しました。僕らの日常には、変えることの出来ない苦しみや哀しみが沢山潜んでいます。人はその痛みとどう向き合い、どう前に進んでいくのか、僕自身もこの作品と向き合う度に、新たな気付きを得ています。
また今回の会場は<大スタジオ>という名称ですが、客席数は約 200 席ほど。役者は体にマイクを身に付けず演じています。生の舞台ならではの繊細な息づかいや感情の揺らぎを、是非体感して下さい。劇場でお待ちしております!

 

【公演情報】
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
『ラビット・ホール』
作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
上演台本:篠﨑絵里子
演出:小山ゆうな
翻訳:小田島創志
出演: 小島聖 田代万里生 占部房子 新原泰佑 木野花
●2022/2/23~3/6◎KAAT 神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
〈料金〉一般6,800円 一般・平日夜割6,000円 U24 (24 歳以下)3,400円 U24・平日夜割3,000円 高校生以下割引1,000円 シルバー(満 65 歳以上)6,300円 シルバー・平日夜割5,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口・WEBで取り扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
〈チケットお問い合わせ〉0570-015-415(10:00~18:00) https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/rabbithole2022
●2022/3/12・13◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター  阪急 中ホール
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255(10:00~17:00 ※月曜休/祝日の場合翌日)

撮影:田中亜紀

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