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『オトコ・フタリ』で共演!山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿インタビュー

山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿というミュージカル界でも大活躍中のキャストが展開する三人芝居『オトコ・フタリ』が、12月12日~30日、日比谷のシアタークリエで上演される(2021年1月15日~17日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、1月23日~24日愛知・刈谷市総合文化センターアイリスでも上演)。

『オトコ・フタリ』は、大ヒット作品となったNHK大河ドラマ「篤姫」の脚本で知られる田渕久美子が書き下ろし、山田和也が演出を手がけるオリジナルの三人芝居。抽象画家・禅定寺恭一郎を演じる山口祐一郎、禅定寺のアトリエで家政婦として働く・中村好子の保坂知寿、更にアトリエに突然母親を探しに踏み込んでくる若者・須藤冬馬の浦井健治が繰り広げる、ストレートプレイのコメディ作品となっている。

そんな作品で共演する山口祐一郎、浦井健治、保坂知寿を囲んだ取材会が11月12日製作発表会見に続いて都内で開かれ、「まるであてがきのよう」と口々に語られた三人が、そうした自分に近い役柄を演じる楽しさと難しさ、また出会った時から変わらない、また進化したお互いの魅力を語ってくれた。

自分の素を出しさえすれば成立する本はない

──歴史上の実在の人物を演じる機会も多い皆さんですが、そうした役柄と今回の『オトコ・フタリ』のように、「あてがきかな?」と感じられるような、ある意味で等身大の役柄を演じる時の、それぞれの楽しさ、また難しさがあれば教えて下さい。

保坂 歴史上の実在の人物を演じるのも大変なのですけれども、でもあまりにもかけ離れていると意外とやりやすかったりもするんです。難しい格式ある台詞を喋ることによって、すごく頭の良い人に見えるじゃないですか(笑)。そういう歴史や時代のテンポ、言葉遣いによって、自然とその時代の形式、格式を踏襲でき、役として成立するものがあったりもして。もちろんそんなに簡単なものじゃないよという、役を演じる難しさは勿論ありますし、皆様の中にも歴史上の人物に対するイメージがある場合が多いですから、それを納得して頂けるものを目指すという意味での大変さもあります。一方でこういう素の状態のような役柄も危うくて。こういう役をやっていてよく思うのは、素のようなと言っても、あくまでも自分ではないんですね。だからそこをちゃんと作らないと、というさじ加減の難しさがあります。自分の素を出しさえすれば成立するという本はないので、そこを考えてやっていきたいなと思っています。

山口 歴史上の実在の人物と、今回のようなあてがきのような人物の違いということなんですが、確かに素に近いんじゃないか?というお話はありましたが、僕の役柄、禅定寺恭一郎の職業が抽象画家で、具象は描かないということなんですね。そうした抽象画家という意味では、彼は形に囚われないんです。相手がどういう形をしていようと、その形が人物じゃないから。もちろんデッサンでは女性を描いていて、浦井さんの役の須藤冬馬に「こんなの描いているじゃないですか」と言われるのですが、禅定寺は「それは人物じゃない」と言う。絵を見れば明らかに肖像画として女性をデッサンしているのですが、肉体の形じゃないんです。さっき保坂さんがおっしゃった、歴史上の人物に対して「こういう人だった」と皆が思っているイメージが本当なのかどうかわからないのと同じで、現在の人たちは自分の肉体の中にいるけれども、そのうちの何%が本当なの?と言われたらわからないですよね。自分が押さえ込んでいる本心をそのままふーっと膨らませちゃったら、すぐ逮捕されてしまうかも知れない(笑)。だからそれをそのままは出さないように小さい頃から教育されて、がんじがらめの世の中でも皆頑張っている訳です。そういう意味で目に見えるもの、文字になって残っているもの、写真だったり、記録だったり。それから目の前にその人が持っている形。そんなものは何も関係なくて、その人の中にある普遍的な真実を僕は求めるんだと禅譲寺恭一郎君は言っているので、祐一郎くんも是非形に惑わされないように、そういう人物になれれば良いなと、今のご質問から考えていました。

浦井 皆さんすごいですね。僕は古典と現代劇で両方単語を発する時に「口語」と「文語」じゃないですけど、慣れている単語を発する方が入りやすかったりするかと思うと、逆になれていない単語が、意識して覚えようとする分、記号として入りやすかったりもするんです。ですからどっちが難しいんだろうというと、そこに正解はないなぁと思いながらやっています。「古典をやらないと役者としては面白味が減るんじゃないかと」おっしゃる演出家の方もいらっしゃいますし。ただ現代劇だと「あぁ」とか「えっ?」とか「うーん」「ふーん」という台詞があって、「次何だったっけ?」と思った時に「どっちでも良くない?」と思ってしまう自分がいて(爆笑)、それはすごく反省します。

山口 それは田渕さんに対する?(笑)

浦井 違います、違います!自分の反省を今話しました。

山口 どっちでも良いんだ(笑)。

浦井 違うんです!どっちでも良くないです!(笑)意味があるので!

自分の親兄弟にこういう人がいたらいい

──共演経験を重ねている皆さんですが、お互いの魅力で変わらないなと思えるところ、また進化していると感じられるところは?

浦井 (いち早くマイクをつかみ)二人が深いところに行く前に浅いところで行きます(笑)。先輩お二人の飛び込む姿と言いますか、「じゃあやってみようか?」っていうラフさと言うのは、今まで本当にたくさんの修羅場を乗り越えていらしたからこその余裕だと思います。その余裕が現場、現場で見えて、優しさにつながっている。それがキャストだけでなく、スタッフさんも含めた全員に行き届いているからこそ、今のこの地位を築かれたんだなと。やはりセンターにいる人というのは慕われている人だし、それを自然体でできる人たちなんだということを、いつも感じています。そこは変わらない魅力です。

保坂 (山口より先に!とマイクを取って)やっぱりどんなにキャリアを重ねても、新しい作品に関わる時には新人じゃないですか。山口さんはそういう感覚をたぶんずっと持っていらっしゃっていて、そこがずっと変わっていないんだろうなと感じます。健治さんに関しては、スポーツの世界でもそうですけれども、若い人が昔の人の記録をどんどん、どんどん塗り替えていっている。健治さんもピーク!と思えるくらいの活動をされているのに、こんなに謙虚なことを言う。私は本当に思って言っていると信じているのですが(山口、浦井爆笑)、今の自分にあぐらをかいていないし、なんでも吸収しようという姿勢でいらっしゃるのが素晴らしいなと思っています。

山口 変わらないところと進化したとろですよね。変わらないという意味では、こういう人になれたらいいなぁというね、特別なことじゃなくて、自分の近いところにこういう人がいたらいいな、自分の親兄弟にこういう人がいたらいいなと思える部分は、二人共全く変わりませんね。そして進化という意味では、僕は住んでいる東京都から「健康診断が無料ですよ」等々の温かいメッセージが郵便物で届くんです(笑)。そういうフェーズに入ってしまった僕にとっては、会う度に進化している二人を見ると、すごい人たちがいるもんだなと思っていますね。

──では山口さん代表して『オトコ・フタリ』を楽しみに待っていらっしゃる方達にメッセージを。

山口 この芝居は田渕さんが本当に浦井さん、保坂さん、山口くんを使って今この2020年に皆さんが抱えている不安であったり、考えている問題を、喜劇を通して皆さんにパワーを送りたいという願いで書かれています。その願いを僕たち三人で届けられたらいいなと今思っていますので、是非楽しみにしていらして下さい!お待ちしております。

【公演情報】
『オトコ・フタリ』
脚本◇田渕久美子
演出◇山田和也
出演◇山口祐一郎 浦井健治 保坂知寿
●12/12~30◎日比谷・シアタークリエ
〈料金〉11,000円(全席指定・税込み)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
公式ホームページ https://www.tohostage.com/otokofutari/

【2021年ツアー公演】
●1/15~17◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888
●1/23~24◎刈谷市総合文化センターアイリス
〈お問い合わせ〉キョードー東海 052-972-7466

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

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