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これまでの概念を覆す、新たなモーツァルト像を!『モーツァルト‥‥―オレは誰だ!!―』間もなく開幕!東山義久・植木豪 インタビュー

植木豪 東山義久

評論、文学、映画、演劇の世界で取り上げられ続けている18世紀の天才作曲家モーツァルト。
彼の波乱と謎に満ちた生涯を新たな切り口で、ダンス界の鬼才上田遙が、ダンスは勿論歌、台詞も駆使して描くDramatic Super Dance Theater『モーツァルト‥‥―オレは誰だ!!―』が、2月5日から14日まで銀座博品館劇場で上演される。

音楽家モーツアルトの光と影を同時代に生きた人々との関わりの中で浮かび上がらせるこの作品で、モーツアルトを演じる東山義久と、文豪ゲーテを演じる植木豪が、同世代のパフォーマー、表現者として互いをリスペクトする想いと共に、作品への意気込みを語り合ってくれた。

「アイツのダンスは人類を滅ぼす」と言える相手

──様々に描かれてきたモーツァルトですが、今回はとても斬新な切り口ですね。

東山 さすが上田遙先生、という新しい解釈になっているなと。もう何作もご一緒していますが、上田先生ご自身が、モーツァルトみたいな方なんです! 振付が湧き出る泉のように仕上がって、ものすごく短時間で場面が出来てしまうので、音楽が浮かぶ早さに譜面を書く作業が追い付かなかったというモーツァルトは、まさしく上田先生ご自身そのもの! と思うくらいです。

植木 僕はやっぱりリーダー、東山君こそ天才モーツァルトそのものだと思いました。このお話を頂いてモーツァルトの楽曲を改めて色々聞いたのですが、その幅の広さに改めて驚きました。1曲のダンスの中や、役の中でセクシーにもキュートにも、様々な顔を見せるリーダーになら絶対に出せる! と思うし、彼のモーツァルトが見られるのが僕も凄く楽しみです。

東山 何百年と曲が演奏され続け、様々な人が演じてきているモーツァルトですから、ある意味でイメージが出来上がっているので、僕としてはモーツァルトというアイコンを如何に僕が演じるならではのものにできるかが勝負なのかなと。ですからそこに(植木)豪のゲーテがいてくれることも頼もしいです。

──『アマデウス』が有名になり過ぎてしまった面があって、モーツァルトを描く時には宮廷音楽家サリエリとの確執から離れられなくなっている感があるのですが、そこにサリエリではなくゲーテが登場してくるのも面白いですね。

植木 モーツァルトに大賛辞を送っている人で、だからこそこの作品では彼を脅威だと感じ「身体がしびれた、アイツの音楽は人類を滅ぼす」と言うのですが、リーダーのダンス、パフォーマンスを観た時の僕がちょうど同じ感覚です。「アイツのダンスは人類を滅ぼす」と僕も言えるので、そういう意味でも同い年でリスペクトしている彼とだからこそ、この役で闘っていけると思います。ゲーテの衣装は凄く飾り込みが多くて「踊れません」と思ったくらいなのですが(笑)普段僕のダンスのカラーに寄せて下さる衣装が多い中で、全く違う衣装を頂けて嬉しかったですし、どんな振付が頂けるのかも楽しみです。

人としての在り方に毎回刺激を受ける

──東山さんから見た植木さんの魅力はどうですか?

東山 豪とは10年前に『アルターボーイズ』で共演したのが最初の出会いでしたが、こんなセンスを持ったパフォーマーがいるのか! と衝撃を受けました。それからお互いのフィールドにゲスト出演をしたり、共演したりを続けて来ましたが、お互い大きな挑戦の場を頂く立場になり、徐々に共演の機会も少なくなってしまうのかもしれないと思っていた矢先に上田先生がこの場を作ってくれたことが嬉しいです。お互いにダンスが好きで始めた者同士ですが、好きだけではできないし、どう表現するかにかかってきている中で、彼は本当に努力を絶やさないから、その姿勢、人としての在り方に毎回刺激を受けています。豪がいるからこそできることも多いので、僕たちの新しい『モーツァルト…』を観て頂きたいと思っています。

植木 僕も本当にこうして共演できるのは嬉しいし、振付では関わっていますがDIAMOND☆DOGSの新メンバーと一緒にできるのもとても楽しみなので、どんな舞台が出来上がるか、是非劇場に観にいらして下さい!

 

■PROFILE■
ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカルで初舞台。『エリザベート』初演のトートダンサーで注目を集める。2003年DIAMOND☆DOGSを始動、リーダーとして舞台構成・総合演出を手掛ける。2013年には肉体表現の可能性を追求する新たなるカンパニー「BOLERO」を立ち上げる等、ジャンルを問わずに活動を続けている。近年の主な舞台作品に『戯伝写楽2018』『宝塚BOYS』『DRAMTIC MUSICAL COLLECTION 2018』『ドリアン・グレイの肖像』『イヴ・サンローラン』『CLUB SEVEN ZERO II』DIAMOND☆DOGSENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER『ODYSSEY』『ELF The Musical』等がある。2020年『ミス・サイゴン』エンジニア役での出演が決定している。

うえきごう〇ボーカルダンスグループ“PaniCrew”のメインボーカル。1998年「UKブレイクダンスチャンピオンシップ」に日本代表チーム「ザ・スパルタニック・ロッカーズ」の一員として初出場、初優勝。近年の主な舞台作品に『アルターボーイズ』『ロイヤルホストクラブ』『TOKYO TRIBE』『THE CIRCUS!─エピソード2─』等がある。2014年に自身演出・主演による「WASABEATS」を旗揚げし、2018年「BREAK FREE」として世界最大の演劇祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」にて、THE ASIAN ARTS AWARDの「BEST PERFORMANCE賞」を受賞。2019年演出作品「KYOTO SAMURAI BOYS」『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-」。2020年3月には、演出・出演を務める「WASABEATS featuring Love Junx」が横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールにて開催予定。

【公演情報】
Dramatic Super Dance Theater
『モーツァルト‥‥―オレは誰だ!!―』
作・演出・振付◇上田遙
音楽◇TAKA
出演◇ 東山義久 〔D☆D〕 中塚皓平 咲山類 和田泰右 新開理雄
Homer 今井瑞 中西彩加 長澤風海 Jeity 木村咲哉  植木豪
●2/5~14◎銀座 博品館劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問合せ〉博品館劇場 03‐3571‐1003
http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2020_02_05.html

 

【文◇橘涼香 撮影◇岩田えり】

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