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個性豊かな「八犬士」たちが活躍する舞台『里見八犬伝』いよいよ開幕!岐洲 匠・塩野瑛久インタビュー

塩野瑛久 岐洲 匠

共通して「犬」の字を含む苗字と、それぞれ「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の文字の刻まれた不思議な玉を持つ八犬士が、因縁に導かれて互いを知り、里見家再興の為に闘いを繰り広げる、滝沢馬琴の大長編小説「南総里見八犬伝」。約200年前に書かれたこの作品は長く愛され、様々なメディアで繰り返し取り上げられ続けてきた。

そんな作品を基に鈴木哲也脚本・深作健太演出のもと2012年スペクタクル時代劇として新たに生まれ出た舞台『里見八犬伝』が、2019年キャストを一新して上演される。10月14日、作品の故郷である館山・千葉県南総文化ホール 大ホールの初日を皮切りに、東京、大阪、福岡、愛知、そして東京凱旋と、全国6ヶ所での公演を行う。(※館山公演中止のため10月17日から開幕となりました。)

この2019年バージョンの舞台で、弟妹を殺され激しい復讐心から立ち上がる犬田小文吾を演じる岐洲 匠と、女装の旅芸人として諸国を巡りながら武力を蓄える犬坂毛野を演じる塩野瑛久。アクションエンターテイメントの最高峰と謳われる作品に、初挑戦する二人に、舞台への熱い想いを聞いた「えんぶ10月号」のインタビューをご紹介する。

それぞれの役柄をしっかりと深めて

──小説としてはもちろん、この舞台版も愛されて再演を重ねるものになっていますが、まず作品の魅力をどう感じていますか?

岐洲 仲間を集めて力を合わせて敵を倒す、という王道のヒーロー物としてのストーリーが分かりやすくて、男性女性の区別なく楽しめる作品だと思います。更に「八犬士」のキャラクターがそれぞれとても個性的なので、どなたがご覧になっても誰か1人は「推しだ!」と思える役柄が見つかるのも楽しいですよね。

塩野 「八犬士」個々のバックボーンがきちんと描かれていますし、一人一人が扱う武器も違い、繰り出される殺陣にも個性があるのが魅力ですね。舞台は限られた時間の中での表現になりますが、だからこそ演じる僕たちがしっかりと役を深めてお客様にお届けしたいなと思っています。

──その個性的なキャラクターの中で、ご自身が演じる役柄についてはどんな印象を?

岐洲 僕が演じる犬田小文吾は誰よりも逞しい身体でいて欲しいと言われていて。その体格の中にやはり誰よりも優しい心を持っていないといけないので、舞台の上でも裏でも頼れる男でいたいです。衣裳に袖を通した時に「筋肉がいる!」と痛感したので、今ジムに通って鍛えていますので、舞台が始まる時には身も心も大きくなっていたいです!

塩野 今日会ってすでに以前より大きくなったと感じたよ! 僕の犬坂毛野は、ビジュアルの一目でお分かり頂ける! という役柄なんです。

岐洲 今横顔を拝見していても本当に美しくて、ピッタリですよね!

塩野 ありがとう、女装をしたのは初めてなんだけどね(笑)。でも女装をしている時と、そうでない時の変化はハッキリつけていきたいですし、毛野は智略家で、僕も身体を使うよりは頭を使って考えることが先行するタイプなので、この役を頂けたことには運命のようなものを感じています。それから、僕はこの作品の為にではなく、以前から殺陣を習っていて、妖艶な殺陣をやりたいという気持ちがずっとあったので、今回はそれが実現できるんじゃないかなと。前回の資料を観る限りでは毛野の殺陣ってほとんどないんですけど(笑)、できれば女装をしたままで殺陣をやりたいので、今密かにアピールしています!

岐洲 美しい殺陣見たいです! それ是非増やして下さいとお願いしましょう!

塩野 加えてもらえたらいいなと期待しています。

今をときめく役者たちが集まっている

──岐洲さんはこの作品が初舞台ということですが。

岐洲 そうなんです! 何もかもが新鮮だと思うのですが、初舞台だからこそ何一つ怖がらずに、思い付いたこと全てに挑戦してみようと思っています。

塩野 今回は初舞台の人がたくさんいるカンパニーなので、きっと新しい化学反応が起こるんじゃないかなと。絶対に前作に負けないものを創りたいという想いがあるので、一人一人のモチベーションを高く持っていきたいですね。

──舞台作品への出演が多い塩野さんが、舞台に感じている魅力はどうですか?

塩野 やっぱり僕たちの呼吸や空気感が、お客様にそのままダイレクトに伝わるのが大きな魅力ですし、映像作品との1番の違いはやり直しが効かない、編集できないということです。もちろん演出家の方が様々に見てくださいますが、いざ舞台に乗って幕が開いたら、一人一人が自分で創りあげていかなければならない。そこが難しいのと同時にとても面白いところで、舞台でなければ味わえない魅力がたくさんあります。

──初舞台の岐洲さんにアドバイスされるとしたら?

岐洲 是非お訊きしたいです!

塩野 アドバイスなんてそんな大それたことは出来ないですけど(笑)、松田凌さんをはじめ舞台経験も多く、僕自身も「凄いな!」と感じていた方達と共演できるので、そういう方々の芝居から吸収できることがたくさんあると思います。特に自分がこうだ! と思って演じていても、客観的に観るとそう見えていない、ということが多々ありますから、演出家さんが言って下さる意見には真摯に耳を傾けていくと良いと思います。

岐洲 確かにそうですよね! 自分が思っていることと、周りから自分がどう見えているのか? は一致していないことも多いでしょうね。すごく納得できるお話をして頂けたので、大事にしていきます!

──そんなお二人をはじめとした、新鮮なキャストでの新たな『里見八犬伝』の誕生に期待が膨らみますが、では改めて意気込みと、舞台を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

岐洲 八犬士に今をときめく役者が集まっていて…って言うと自分が含まっちゃいますね!(笑)

塩野 含めちゃって良いんじゃない?(笑)

岐洲 じゃあ、含めてもらって!!(笑)その役者たち個々の魅力を楽しんで欲しいですし、僕個人としては犬田小文吾の心の温かさを、お客様にお伝えできるように頑張りますので、全国にも周りますから是非皆さんいらして下さい!

塩野 僕も自分を含めますが(笑)次世代を担うキャストが集まったカンパニーだと思いますので、上の人たちに追いつけ、追い越せの意気込みを持って、全員で創り上げていきたいです。そして僕らがもっと成長して大物になった時に「彼らが若手だった頃の『里見八犬伝』を観ているんだよ!」とお客様が誇らしく言えるような舞台にしたいと思っています。特に東京凱旋公演の明治座さんの舞台に立たせて頂けることは自信にもつながりますし、劇場全体に素晴らしい気が流れているので、是非この空間を含めて多くの方に作品を体感して頂きたいです!

塩野瑛久 岐洲 匠

きずたくみ〇愛知県出身。14年第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにおいて明色美顔ボーイ賞を受賞。2017年、『宇宙戦隊キュウレンジャー』で俳優デビュー。映画『青夏 きみに恋した30日』ドラマ『チア☆ダン』『僕の初恋をキミに捧ぐ』などに出演。本作品が初舞台となる。

しおのあきひさ〇東京都出身。「男劇団 青山表参道X」のメンバー。11年第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにおいて審査員特別賞/AOKI賞 W受賞し、12年芸能界デビュー。テレビドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作品に、ドラマ『ヤヌスの鏡』(FOD)、『さくらの親子丼』(CX)、映画『PRINCE OF LEGEND』、舞台『エンドレスリピーターズ』、『若様組まいる~アイスクリン強し~』など。映画『HiGH&LOW THE WORST』、『いのちスケッチ』の公開を控えている。

【公演情報】
『里見八犬伝』
脚本◇鈴木哲也 演出◇深作健太
出演◇佐野勇斗 松田凌 岐洲匠 神尾楓珠 塩野瑛久 上田堪大 結木滉星 財木琢磨
宮﨑香蓮 町井祥真 山口馬木也 白羽ゆり ほか
●10/14◎館山・千葉県南総文化ホール 大ホール
●10/17~21◎東京・なかのZEROホール 大ホール
●11/2~3◎大阪・梅田芸術劇場メインホール
●11/12◎福岡・福岡サンパレス
●11/23~24◎愛知・名古屋文理大学文化フォーラム 大ホール
●11/30~12/8◎東京凱旋・明治座
〈公式HP〉satomihakkenden.jp

※台風の影響で初日の館山公演は中止になりました。
払い戻し振り替えなどはこちらから。https://satomihakkenden.jp/transfer.html

【取材・文/橘涼香 撮影/友澤綾乃】

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