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藤山扇治郎・藤原紀香インタビュー。新派と松竹新喜劇 合わせて200年の記念公演「二月競春名作喜劇公演」で共演!

藤原紀香 藤山扇治郎

新橋演舞場の2月公演は、新派130年と松竹新喜劇70年、合わせて200年を記念する「二月競春名作喜劇公演」。
二本立ての1作は、新派が半世紀以上にわたって大切に上演し続けてきた『太夫(こったい)さん』を原題にした『華の太夫道中』。京都の島原遊郭を背景に、ひたむきで純粋な心のきみ子を藤原紀香が演じ、初の太夫道中に挑む。
もう1作の藤山扇治郎が出演する『おばあちゃんの子守唄』は、親子の情愛を描いて温かい涙と笑いの世界へと誘う新喜劇の名作、『船場の子守唄』を原題としている。その記念すべき公演について藤山扇治郎と藤原紀香に、意気込みを語ってもらった「えんぶ2月号」のインタビューをご紹介する。

 

ほんまの気持ちになって
しゃべるのがお芝居だから

──今回の公演に出演が決まった時の率直な気持ちをお聞かせ下さい。
扇治郎 松竹新喜劇に入団して5年目ですが、こうした機会は少ないですし、ご主人である片岡愛之助さんには子役時代からお世話になって、楽屋でよく面倒を見ていただきましたので、紀香さんと一緒に舞台に立たせていただける喜びは大きいです。
藤原 おめでたい公演に声を掛けていただけて幸せです。新派さん、松竹新喜劇さんの大御所の方々と、名実ともにサラブレッドの扇治郎さんとご一緒させていただけるのは、胸が躍りワクワクします。このような機会を与えて下さったことにすごく感謝しています。

──制作発表では、女将おえい役の波乃久里子さんが優しく紀香さんに接しているのが印象的でした。心強いのでは?
藤原 本当にそうですね。今回演じるきみ子は、水谷八重子さん、藤山直美さんなど達人の先輩方が演じられた役で畏れ多いのですが、稽古で久里子お姉様演じるおえいさんと向き合い芝居を積み重ねていくことで、きみ子が私の中に生まれ育っていくのだと思います。久里子お姉様は、台本にも細かく心情を書き込んでいらっしゃり、ある時「きみ子はね、天使のような役割なのよ」とおっしゃいました。その時に、この役の持つテーマや大事なところをまた感じさせていただきました。また、役を作る上で手助けをしてくれる材料、たとえば、三味線のお稽古もそうですし、実際に太夫さんに会いに行ったり、舞台で初の白塗りも稽古中です。夫が顔をするところを日々見ていてもなかなか自分ではうまく作れないものですね。

──白塗りに関して、ご主人からアドバイスはもらえそうですか?
藤原 いや、それはないです(笑)。「男と女はちゃうからなあ」で終わりました。
扇治郎 (笑)。

──扇治郎さんはどのように役作りに臨んでいますか?
扇治郎 僕が役作りを語るなんておこがましいのですが、紀香さんもおっしゃいましたけど、セリフの1行1行、ここはこういう心情で言うんだよというのが積み重なって役作りになっていくと思いますし、一つひとつの言葉を大事に演じていきたいです。先輩方からは「扇治郎くん、ほんまの気持ちになってしゃべるのがお芝居だから」とアドバイスをいただいてます。自由にやらせていただいていますけど、一緒に舞台に立たせていただきながら学んでいますね。

「さすがやなあ」「スターやなあ」と
互いにリスペクト

──お二人は互いを役者としてどのように見ていますか?
藤原 今回初めて色々お話をさせていただきましたけれど、会見や取材などの言葉を聞いているだけも「さすが!」と思うところがたくさんありますね。一緒にお稽古をして学ぶ部分もたくさんあると思いますし、扇治郎さんのような若い世代ともエナジーの交換をしながら芝居を作っていけること楽しみにしています。
扇治郎 紀香さんこそ、僕が小学生の頃からずっと活躍されているスターで、いらっしゃるだけで「スターやなあ」と。スターと言われる方は、心構えや姿勢が違うと思うので、僕も少しでも近付けるように学んでいきたいと思います。

──公演への意気込みとファンへのメッセージをぜひ。
扇治郎 記念公演ですし、新橋演舞場で藤原紀香さんが初めて太夫さんをされます。お子さんからお年寄りまで楽しめる作品ですので、家族で観に来ていただけたらと思います。
藤原 名作の二本立てなので、いろいろな方に作品を知っていただきたいです。そしてご結婚されたばかりでおめでたい扇治郎さんを、ぜひ観にいらしてください(笑)。

 

ふじやませんじろう○京都府出身。「昭和の喜劇王」藤山寛美の孫で、伯母は女優の藤山直美。1993年歌舞伎座『怪談乳房榎』で十八世中村勘三郎(当時は勘九郎)の息子役として初舞台を踏む。大学卒業後、青年座研究所に入所、本格的に俳優としてスタート。13年松竹新喜劇に入団。平成27年度「咲くやこの花賞 演劇・舞踊部門」受賞。NHK連続テレビ小説「まんぷく」に出演中。

ふじわらのりか○兵庫県出身。俳優や司会業で活躍する一方で、京都国立博物館文化大使、赤十字広報特使を長年務めるなど幅広く活躍中。最近の出演舞台は、2015年ミュージカル『南太平洋』、17年6月新橋演舞場公演『熱海五郎一座~消えた目撃者と悩ましい遺産~』、18年大阪新歌舞伎座・6月明治座『花盛り四人姉妹~吉野まほろば物語~』など。

 

〈公演情報〉
『二月競春名作喜劇公演』
一、華の太夫道中 三幕
二、おばあちゃんの子守唄 二場
出演◇水谷八重子 波乃久里子 春本由香 瀬戸摩純 渋谷天外
藤山扇治郎 髙田次郎/井上惠美子 曽我廼家八十吉 曽我廼家寛太郎
藤原紀香 曽我廼家文童 丹羽貞仁
2/2~23◎新橋演舞場
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00)
〈チケットWeb松竹〉http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/

 

【構成・文/吉永麻桔 撮影/友澤綾乃】

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