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六本木歌舞伎 2022」『ハナゾチル』(『青砥稿花紅彩画』より)間もなく開幕! 

東京・EX シアター六本木で「六本木歌舞伎 2022」『青砥稿花紅彩画』が2月18日から開催される。また3月11日から福岡、3月18日からは大阪でも開催される。

弁天小僧菊之助を含む五人から成る盗賊団の結成から捕縛までを描いたこの作品は、『白浪五人男』の通称でも知られる歌舞伎の名作である。「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名台詞、五人男の勢揃い、追手との立廻りなど見どころを活かしながら、新しい解釈で上演する古典の名作を届ける。

出演は市川海老蔵の他にアクロバットやダンスなど華麗なパフォーマンスを得意とするジャニーズきってのユニット A.B.C-Zの戸塚祥太が歌舞伎に初挑戦する。

開催を間近に控え、市川海老蔵が都内でリモート取材会を行った。

Q今回の六本木歌舞伎の内容を教えてください。

歌舞伎には『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』という、通称『白浪五人男』と呼ばれている有名な作品がございまして、現代に生きる戸塚さんがその『白浪五人男』の時代にタイムリープして、その時代の人達とコミュニケーションを取っていきながら物語が進んでいきます。

六本木歌舞伎は毎回新しい事に取り組んできましたが、ベースには古典というものをなるべく尊重し、古典作品を新しい感覚でお客様に楽しんでいただくことを目指しています。

Q『ハナゾチル』という題名の意味を教えてください。

『白浪五人男』は悪の華として咲き、生きるというイメージが私の中であります。海の白波が打ち寄せては引いていく様子に、潔さや儚さがあるように感じられ、五人の姿に重なります。

また桜が一つのテーマになっており、桜は「散ることを知っていながら、咲く事を恐れない」。白波という儚いイメージと桜の花が散っていく様というのは、その当時の若者達の粋な生き様に似ているので、そういう意味も踏まえて『ハナゾチル』という題名にしました。

Q今回共演される戸塚さんに 期待されていることはありますか?

今後稽古をしながら戸塚さんと向き合っていく中で、恐らくどこか私と似ている所を感じるのだろうなと思っていて、そういう所を発見できるのが凄く楽しみです。自分の事でも気づかない所がいっぱいあるかと思いますが、戸塚さんを見ながら、こういう所が私にもあるのかもしれないと思うかもしれません。

Q今までの多くのジャニーズの方と共演されてきたかと思いますが、皆さん共通している強みなど、感じた事があれば教えてください。

共通しているのは、皆さん情熱があり、諦めないというところでしょうか。我々が歌舞伎をするにあたって、目指すところがありますが、それに対して諦めない方たちという印象です。一生懸命稽古をして、全員での稽古が終わった後もさらに自主稽古をされています。歌舞伎は独特な演出方法が多いのでなかなか難しいと思うのですが、何十回も稽古されている姿を拝見すると凄く胸が打たれます。

Q若いファンの方も公演も観に来られて、その中で初めて歌舞伎を観る方も多いと思いますが、そういったファン の方達に向けた見せ方の工夫などはありますか?

戸塚さんは戸塚さんご本人として出演されるので見やすいかなと思います。そして歌舞伎の部分も非常に分かりやすく作っております。私が弁天小僧菊之助という役の中で女装をして「浜松屋」というお店に強請りに行くのですが、ある事がきっかけで女装している事が分かってしまいます。すぐに謝罪するかと思いきや、弁天小僧菊之助は嘘が見つかってしまっても堂々としているわけです。明らかに悪いのに、かの有名な泥棒だよ、知らないんだったら教えてあげるよなどと言って、相手を唖然とさせて堂々とその場からいなくなるわけです。凄く分かりやすいお話で、初めてご覧になる方にも楽しんでいただけ、古典作品はとても面白いと思っていただけるような内容になっていると思います。

Q『六本木歌舞伎』の演目を選ぶにあたってのポイントやコンセプトがあれば教えてください。

時代の流れを見ながら考えています。2015 年に上演した『地球投五郎宇宙荒事』は、十八代目中村勘三郎さんからいただいた「地球を投げるくらいの荒事をしないと」というお言葉から始まりました。『座頭市』や『羅生門』などは映像作品や文学作品を題材とした新しいタッチの演目でしたが、今コロナ禍の中で新しい事は何かと考えた時に、色々な方に楽しんでいただくには、今回は歌舞伎の古典作品をベースにしていこうと考えました。
いくつか候補はありましたが、広く多くの方に古典作品を楽しんでいただきたいという思いから、『青砥稿花紅彩画』を選びました。

Qこれまで『六本木歌舞伎』を行ってきて、印象に残っているお客様の反応や 、驚きを感じた事はありますか ?

会場が EX シアター六本木という事もあってか、お客様の盛り上がりが印象的でした。今だと一般的かもしれませんが、スタンディングオベーションなど、お客様と一緒に盛り上がれる空間であったと感じています。

Q三池監督と何回もお仕事をされてきたかと思いますが、監督から刺激を受けたり学ばれてきたことはありますか?

監督は凄く優しい方で、映画のためや作品のためということはもちろんのこと、「今日も良い仕事をしたな」とスタッフの方が思えるようにと気を遣う繊細な部分がある方です。監督の作品には暴力的な映像作品も多いですが、それとは逆に監督の中に流れている優しさを仕事をご一緒している上でいつも感じます。

演出されている時でも、対応の仕方が優しくて、見ていて大きな学びがあります。今回の『白浪五人男』は言わば不良の話なので、監督の作品には「クローズZERO」などがありますので、良いアドバイスをいただけたら嬉しいなと思います。

Q今回は監修の三池監督に加えて演出に藤間勘十郎さんもいらっしゃいますが、作品にどんな魅力があると思いますか?

勘十郎さんとは何度も一緒にお仕事をしておりまして、10 年以上のお付き合いがございます。歌舞伎の音楽に対してのバランス感覚やセンスが素晴らしい方です。また宝塚など、歌舞伎以外の作品を演出してきた中で、脚本を読み込み、どういう演出にしたら面白いかという、勘十郎さんならではの世界観を持っていらっしゃいます。

いつもは台本にも演出にも私の意見を入れさせていただくことが多いですが、今回は、私は台本も演出も一切携わらず、勘十郎さんに全てをお任せしようと思っています。古典の要素が多いので、どのような演出をされるのか、とても楽しみにしております。

Q現代と過去をタイムリープするとい うところで、どういうところを表現したいなどありますか?

戸塚さんが『白浪五人男』がいる時代にタイムリープし、昔の若い人達の心構えや生き様を見て感じ、それを現代に持って帰って生きる、というところが表現できればと思っています。

Q 昨年の製作発表では、アクロバットの要素を入れていきたいなというお話があったかと思いますが如何でしょうか。

できれば入れていきたいです。博物館に戸塚さんが盗みに入るというところから始まるので、舞台セットを使いながらパルクールをやっていただき、戸塚さんの世界を見せてほしいなと思っています。

Q花道で勢揃いする場面が有名かと思いますが今回はありますか?

今までも『六本木歌舞伎』では花道を作っていますが、今回も感染対策をしっかりした上で花道を作りますので、お客様には歌舞伎らしさを感じていただけるのではないかと思います。

Q海老蔵さんが一番見てほしいシーンはどこでしょうか?

弁天小僧菊之助が女性(女装姿)から男性に変わる場面も見ていただきたいですし、「どんたっぽ」という歌舞伎の演出効果を高めるための立ち廻りの音楽がございます。
最後のクライマックスで「どんたっぽ」に合わせて立ち廻りするシーンにも注目していただきたいです。

【公演情報】
「六本木歌舞伎2022」
脚本:今井豊茂
演出:藤間勘十郎
監修:三池崇史
出演:市川海老蔵 戸塚祥太(A.B.C-Z) 中村児太郎 市川右團次 他
●2022/2/18~3/6◎東京公演 EXシアター六本木
〈料金〉一等席 14,000円、二等席 10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉Zen-A(ゼンエイ) 03-3538-2300[平日11:00-19:00]
●2022/3/11~13◎福岡公演 福岡サンパレスホテル&ホール
〈お問い合わせ〉西日本新聞イベントサービス 092-711-5491[平日9:30-17:30]
●2022/3/18~21◎大阪公演 フェスティバルホール
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888[11:00-16:00 ※日祝休業]

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