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つかこうへいの十三回忌のフィナーレを飾る『初級革命講座 飛龍伝』いよいよ明日、千秋楽!

吉田智則バージョン

つかこうへいの十三回忌となる本年、最後の追悼公演として「つかこうへい Lonely 13 Blues」と銘打ち、つかのホームグラウンドである紀伊國屋ホールで行われた『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』と『初級革命講座 飛龍伝』の連続公演。
すでに『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』が、出演者の汗と観客の涙の中を走り抜け、続いて7月23日から幕を開けた『初級革命講座 飛龍伝』も、ついに明日、7月25日に千秋楽を迎える。

1973年に発表された『飛龍伝』は 1974年青山・VAN99ホールで(平田満、故・三浦洋一、等)の出演者3人のみで上演され、80 年には紀伊國屋ホールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、つかこうへいの隠れた名作として愛された。

そして、1990年、当時銀座セゾン劇場のプロデューサーであった岡村俊一との出会いによって、『飛龍伝’90』として大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌。その年の読売文学賞も受賞。以来、繰り返し上演され、つかこうへいの代表作の1つとなった。
今回はその原点となる『初級革命講座  飛龍伝』の復刻上演となる。

吉田智則 佐々木ありさ

《あらすじ》
激動の70年、機動隊のジュラルミンの盾を打ち破った伝説の石「飛龍」の投げ手、元全学連の闘士・熊田留吉は、今は挫折し、国が作った挫折公団アパートに住んでいる。そして、石売り娘をする嫁が拾ってくる石を磨く毎日である。

その熊田のもとに、今日もかつての敵、元機動隊の山崎監査員が訪れて来る。山崎は、熊田が今も革命の志を捨てず、国家権力に対する憎しみを鬱積しているのではないかと、何かにつけてカマをかけてみるのだが、熊田の生活ぶりからは革命どころか、挫折しざるを得なかった人間としての悲壮感さえも感じられない。

吉田智則 高橋龍輝

「熊田、お前は優秀な活動家だった。忘れたとは言わさんぞ。佐世保での、波を包み込まんばかりのシュプレヒコールを。もう見られないなんて、俺たちは思いたくないからね。フロントの右端は、今でも、おまえのものなんだよ」
山崎の叫びにも、今の熊田には虚しく響くだけである。

熊田には、「飛龍」を継がせると決めた一人息子がいた。しかしその姿も、今はない。健気に支えていこうとする嫁がいるだけである。
熊田が前線に復帰する日は、果たして来るのだろうか…。

久保田創 佐々木ありさ

機動隊員山崎に「新・熱海殺人事件」ラストスプリングで鮮烈な印象を残し、いまやつかこうへい演劇の中心人物となった高橋龍輝。
ヒロイン小夜子に幾多の候補の中から選ばれた期待の新人・佐々木ありさ。
そして、元革命家の闘士・熊田には、元北区つかこうへい劇団2期の重鎮・吉田智則と9期のエース・久保田創がダブルキャストで追悼公演の最後を飾ることになった。

久保田創 高橋龍輝

すでに23日と24日出演の久保田創は出番を終了。残るは吉田智則の唯一の出演回、25日14:00の回を残すのみとなった。

全スタッフ・キャストの熱い思いの込められたお祭りともいうべき十三回忌追悼公演、『つかこうへいLonely 13 Blues』。その最後の炎が、明日、紀伊國屋ホールで燃え上がる!

久保田創バージョン

【公演情報】
十三回忌追悼公演
『つかこうへいLonely 13 Blues』
『初級革命講座 飛龍伝』
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:高橋龍輝 吉田智則 佐々木ありさ 久保田創
●7 /23~25◎紀伊國屋ホール
〈料金〉 6,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉http://www.rup.co.jp/
〈当日券〉開演の1時間前より当日券窓口にて販売。
※当日券販売の有無は、Twitter(@rup_produce)で確認のこと。

 

【舞台写真提供/アール・ユー・ピー】

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