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第3弾ではついに「裁判」が崩壊する? !崩壊シリーズ『派』山崎樹範・梶原善 インタビュー

観客を崩壊の渦に巻き込む!?「崩壊シリーズ」、その最新作『派』が、本年10月〜11月、東京・大阪をはじめ全国7ヵ所で上演される。

「崩壊シリーズ」は、2016年4月に第1弾『九条丸家の殺人事件』を初上演。好評を受けて第2弾『リメンバーミー』が作られた。そしていよいよ第3弾は『派』。毎回ステージセットが激しく崩壊していく奇想天外で抱腹絶倒なこの作品、今回はなんと「裁判」が崩壊する?かもしれない! まさに波乱含みの展開が期待される。

登場するのは劇団「荻窪遊々演劇社」の座長・栗須健司と劇団員たち。演じるのは山崎樹範、伊藤裕一 。上地春奈、大水洋介(ラバーガール)、 梶原善らのレギュラーメンバーに加え、松島庄汰、安西慎太郎、前島亜美が初参加、魅力的な顔ぶれでの上演だ。

この舞台について、座長・山崎樹範と、初演から作品に参加している梶原善が語り合った「えんぶ8月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

梶原善 山崎樹範

5秒くらいのシーンが本番では3分に!

──崩壊シリーズもいよいよ第3弾です。

山崎 有り難いです。作品の力と出演の皆さんの力ですし、(梶原)善さんの存在も大きいです。

梶原 いやいや(笑)。山崎くんが真ん中で臨機応変に繰り広げていく中で、色々なジャンルの人が得意分野を発揮できているのがいいんでしょうね。

山崎 最初からバラバラな人たちが集まったのがよかったですね。

梶原 そしていつの間にか、山崎くんと作・演出のオークラさんの望むところが舞台の持ち味になっているんです。

──出演者もアイデアを出すのですか?

山崎 基本はオークラさんの本で、動いてみてこちらも提示する、というか隙あらばやりたいことを入れていく(笑)。善さんなんか第2弾のオープニングで、「ただ思い出し笑いをする」という5秒くらいのシーンが、本番では3分になってました(笑)。

梶原 オークラさんからここは足してくださいみたいな話があったから、ちょっと肉付けてみようと(笑)。

山崎 ただ笑うだけで3分見せるのは凄いですよね。袖で聞いてて、お客さんの「?」みたいな空気が、段々ほぐれて、わーっと笑いになって、おかげで僕らも出て行ける。1人で闘ってる姿が毎回カッコよかったです。

梶原 でも俺はあそこで終わってたね。よし、あとはのんびりしようと(笑)。

──今回はどんな内容になりそうですか?

山崎 劇中劇は「裁判」がテーマになっていて、僕は弁護士役です。

梶原 僕は情報屋で、たぶん余計なことするんだろうなと(笑)。弁護士さんが解決に突き進もうとする中で、崩壊させる何かが起きるんでしょうね。

座長以外は全員ボケの「荻窪遊々演劇社」

──この作品の笑いには何が大事ですか?

山崎 セットを壊したり仕掛けがあったりという構造的な笑いなので、スタッフさんとの連携プレーですね。

梶原 書かれているシチュエーションだけで十分面白いので、台本通りにやっていれば笑ってもらえる。そのへんをわかっているかどうかでしょうね。

山崎 僕で言えば「荻窪遊々演劇社」の座長として、劇団や芝居が思った通りいかなくて必死になる。その姿が滑稽に見えればいいわけで。

梶原 山崎くん以外は全員ボケと言ってもいいので、山崎くんが突っ込むためには僕らがうまくボケないとね。

山崎 善さんなんか役に呑み込まれてるかと思うほどで、小道具とか持ってくるの忘れてたり(笑)。

梶原 あったね! 台本にない小道具を自分で作ったのに、持って出るの忘れて(笑)。

山崎 でも「あ!」と言って、急ぐふうでもなく取りに行く(笑)。

──俳優としてのお互いについてはいかがですか?

梶原 お互いの所属劇団が活動を始めたのが同じ時期で、落ち着きのない人達だなと思ってたけど(笑)、この公演で再会したら全然違ってて。一見頼りなく見えるけど、ちゃんと座長で仕切ってくれて、皆の兄貴的な存在ですね。

山崎 僕は今でも善さんに会うと嬉しいんです。舞台を観ていた時の気持ちと、知り合ってからの気持ちと両方で、ずっと嬉しいし楽しい。それに善さんがいてくれることで落ち着くというか、僕が焦ったり急いでしまうと、それを1回止めてくれる。おかげでまた違う方向へ行けるんです。

──第3弾でもまた楽しい崩壊ぶりを見せてもらえそうですね。

梶原 オークラさんがまたちょっと違う方向で膨らませるらしいので、僕も楽しみなんです。

山崎 なかなか自分の代表作と言えるものはない中で、これは胸を張って僕の代表作と言えるので、さらに面白くしたいですね。

梶原善 山崎樹範

やまざきしげのり○東京都出身。95年劇団カムカムミニキーナに入団。舞台、ドラマ、バラエティー、映画で活躍中。最近の主な出演作品は、映画『龍三と七人の子分たち』、ドラマは連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)『限界団地』『トレース~科捜研の男~』(CX)、子供向け教育番組『ワンワンパッコロ!キャラともワールド』(NHK・2012年~レギュラー出演中)、舞台は『カレフォン』『桃山ビート・トライブ~再び、傾かん~』など。

かじはらぜん〇岡山県出身。劇団サンシャインボーイズを経て、舞台、ドラマ、映画で活躍中。最近の出演作品は、映画は『マスカレード・ホテル』『記憶にございません!』、ドラマは『わたし、定時で帰ります。』(TBS)『小説王<ブレイクマンデー24>』(CX)、舞台は劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 鳥『修羅天魔 髑髏城の七人』Season 極、『奇子』など。

 

【公演情報】
~崩壊シリーズ~『派』
作・演出◇オークラ
出演◇山崎樹範/松島庄汰  安西慎太郎
前島亜美 伊藤裕一 上地春奈
大水洋介(ラバーガール)/梶原善
10/18~11/4◎東京 俳優座劇場
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
11/9・10◎大阪 松下IMPホール
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション0570-200-888(全日10:00~18:00)
11/13◎仙台 電力ホール
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉仙台放送 022-268-2174(平日9:30~17:30)
11/18◎富山 富山県教育文化会館
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉イッセイプランニング 076-444-6666(平日10:00~18:00)
11/20◎金沢 北國新聞赤羽ホール
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉北國芸術振興財団 076-260-3555(平日10:00~18:00)
11/21◎名古屋 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉キョードー東海 052-972-7466(月~土10:00~19:00)
11/23・24◎福岡 イムズホール
〈料金〉7,700円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉ピクニックチケットセンター 050-3539-8330 (平日11:00~17:00)
〈公式〉https://www.houkai-st.com
〈公式Twitter〉@houkai_st

 

【構成・文◇宮田華子 撮影◇友澤綾乃】

 

 

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