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ソロライブ『FUNTONE』─宇月颯NATSU FES 2023─に挑む! 宇月颯インタビュー

宝塚歌劇団月組の実力派男役スターとして活躍し、卒業後ミュージカル、ダンス・パフォーマンス、エンターティメントショー、ミュージカルコンサートなど、多彩な活躍を続ける宇月颯が、初のソロライブ『FUNTONE』─宇月颯NATSU FES 2023─、8月25日、26日東京・銀座TACT(タクト)で開催する。

宝塚在団中から優れたダンサーとして評価が高かった宇月だが、豊かな歌唱力にも定評があり、卒業後音域も大きく広げて様々な楽曲を聴かせてくれている。今回のライブはポップスの名曲で全編を貫くというもので、新たな宇月颯の魅力が満載の「夏フェス」が展開されていく。

そんなステージに挑む宇月颯が、ライブの構成に込めた思いや、意気込みを語ってくれた。

自分のパーソナリティから生まれるものを届けられる「ポップス」

──『FUNTONE』─宇月颯NATSU FES 2023─と題したソロライブということですが、まずこの企画の趣旨から教えていただけますか?

元々ポップスは大好きなのですが、宝塚に長く在籍させていただきましたし、その後もミュージカルの舞台などに立たせていただいてきたなかで、そもそも発声が違いますから、自分にはポップスの良さを出せる歌い方がなかなかできていないと思っていたんです。それで、カラオケやファンミーティングでは歌ってはいたものの、コンサートの場などでは選曲せずにいて。でも昨年出演した「CHARME*LIAN」や「ATRE*AILE」の宝塚OGによるエンターテインメントショーを各地でやらせていただいた時に、ご当地の歌を歌ったり、ポップスをアレンジして歌わせてもらえたのがすごく楽しくて。やっぱりミュージカルの曲だと、まずその役になって、役の心情で歌うわけですよね。でもポップスは、もちろん歌のなかのドラマや感情は込めるのですが、自分のパーソナリティから生まれるものをお客様に届けられる、お客様との距離感が近くなれる楽曲なんだと感じて、もっと歌いたいと思えるようになりました。そういう気持ちの変化と言うか、きっかけを得ることができたいまだからこそ、ポップスだけの「夏フェス」をやろうと思ったんです。

──それはとても楽しみな時間になると思いますが、全曲ポップスでというところで、いまどんな構成なのか、内容について教えていただけるところはありますか?

色々な年代のお客様がどこかでは「あ、これよく聴いていた!」とコアに楽しめるポイントがあったらいいなと思ったので、「昭和・平成・令和」という三つの時代で構成しています。と言っても昭和や平成はとても長い期間なので、まず私が子供のころに聴いていた曲や、その時代の「昭和」。宝塚に入る前の学生時代に聴いていた「平成」。そして、ここ最近話題の楽曲を「令和」として取り上げています。例えば私より若い世代の方は知らない曲があったり、逆に上の世代の方たちは、最近の楽曲でなじみのないものもあるかもしれませんが、できるだけ、“どこかで聴いたことがある”と思っていただける曲を選んでみました。懐かしいと感じる楽曲では、当時の思い出や時代の空気を感じていただけたらいいですし、新しいものでは、いま求められている楽曲が映し出すものを楽しんでいただけたらなと。

──音楽って本当に、聴いた瞬間にその時の自分を思い出しますし、逆にご存じない曲は宇月さんが歌われたことをきっかけに「いい曲だったな」と検索したりしていただく、それこそきっかけにもなるでしょうし。

そうですね、そういう形で興味を持ってもらえたら、本当に嬉しいなと思います。

緩やかに心を解放できる空間に

──これまで、ミュージカルの楽曲などの方があっていると感じられていた、というお話でしたが、そこから今回のポップスオンリーでの「夏フェス」をやろう!と思うに至る、心境の変化の辺りを、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

やはりずっとお芝居やミュージカルの世界にいたので、演じることの方が自分には合っていると思っていたんです。もちろん演じることは大好きですし。でもGANMIさんと宝塚歌劇OGによるコラボステージの『2 STEP』や、先ほどもお話したエンターティメントショー、また、DIAMOND☆DOGSさんのステージなど、自分のパーソナリティで勝負しなくてはいけない機会も多くいただくようになって。役を演じて歌う、踊るのではなく、ありのままの自分でお客様と接する楽しさやダイレクトに伝えられるものもあるんだと感じたんです。

──自然体と言うか、等身大の宇月さんが歌い踊るからこそ、という意味合いでしょうか?

そうですね。特に私は男役だったこともあって、あまり自分を出さない方がいいのかな、と思ってきた部分があったんです。役を演じている自分を、ファンの方々やお客様は好きでいてくださるんだから、と。でも「もっと自分を出して!」という場面に多く出会っていくなかで、そこから全く別のコミュニケーションの仕方があるんだ、ということに気づいていったんです。そういう流れのなかで、この「夏フェス」ができることになったのはとても嬉しいですし、会場の「銀座TACT」もアットホームな空間なので、私も自然体の自分を解放できたらいいなと思っています。セットリストも「夏フェス」ということで、盛り上がる曲が多くなっているので、お客様にも自由に楽しんでいただけたら。一方で、これはずっとやりたかったことのひとつなのですが、ちょっとお酒を嗜みながら、しっとりした曲を聴いていただく、というところもあるので、お客様にも気分が高揚したら一緒に飲んでいただいて、心を緩やかに開放してもらえる空間になったらいいなと思っています。

ステージと客席が一体になれる

──また、素敵なグッズも多数用意されていますが、こちらはフェスのなかで使用したりもするのですか?

この「夏フェス」はステージの自分とお客様とが一体になれるようなスタイルにしたいなと、色々考えているなかのひとつです。コロナ禍だったこともあって、対面でのファンミーティングなど、ファンの方々やお客様と直接触れ合うイベントがなかなかできかったので、このフェス全体のテーマを「お客様と一緒に楽しもう!」においていますから、ペンライトやTシャツをご用意させていただきました。と言ってもグッズのモチーフになっているのは、フェスとは直接関係ない、うちの猫なんですけど(爆笑)

──宇月さんの愛猫ポテちゃんは、ファンの方々にも大人気ですから。

インスタグラムにポテのアカウントも作っているのですが、確かにかなり見ていただけているので、今回はポテのイラストを描いていただいて、フェスのグッズにしています。長年密かにいつかやってみたいと思っていたことなので、猫のTシャツを着て、猫のペンライトを持って、猫にまつわる曲を歌う、というパートも用意しています。もちろん強制ではないですが、皆さんにもこの猫のTシャツで、猫のペンライトを振っていただいて振付にも参加していただくコーナーも作る予定です。

──では振付講座なども?

いえいえ、そこまで難しくはしませんので(笑)。歌う前に、この部分でペンライトを振って、サビでこの色に変えてください!というくらいの、簡単な説明をしますから、気楽に参加していただけたらなと。グッズを使った参加型コーナーを作りたいというのは、個人的にもずっとやりたかったことなので、皆さん是非グッズもチェックしていただけたら嬉しいです。あとは今回3ステージやらせていただくので、日替わり曲もご用意していて、それは結構自分としても挑戦曲を入れているんです。

──それは楽しみです!

せっかく3回やれるのなら何か変えたいんですよね。ですから、この日替わりの部分は既にチケット申し込みフォームで発表しているので、この曲を聴きたいと思ってもらえたらいいなと。Tシャツも三色ありますので、私は3回とも色を変えようと思っています。「夏フェス」なので、Tシャツをステージ用にアレンジしたものに、ボトムを色々変えて全体にラフなイメージのなかで、ヘアメイクなどでちょっとポップにしたり、クールにしたりと色々と考えています。ただ、お客様は私がピンクを着る日に、皆さんピンクというわけにはいかないですよね?そうすると三色買っていただくことになっちゃいますから(笑)。なので、私と色が違ったら居心地が悪いとかそんなことでは全くなく、お好きな形でお好きな色を着て、楽しんでいただけらなと思っています。

──色々と新たな趣向があり、新たな宇月さんの魅力に触れられるものになるだろうと楽しみですが、「NATSU FES 2023」ということは、このフェス企画は継続していただけると期待していいのでしょうか?

そうできたら本当に理想なんですけど、今回とにかく自分の歌いたい歌、聴いていただきたい歌を全注入していて、「勝負だ!」みたいな楽曲ばかり入れてしまったので!(笑)自分がいかにアップデートして、グレードアップしていけるかにかかっていると思いますが、確かに「夏」にはこだわって選曲しているので「冬」もいいかもしれないですね。

──すごく面白いと思います。クリスマスソングなども入れられますし。

そうですよね!その季節に合わせて、ということが実現できるように、色々なアーティストさんに触れて、日々自分を深めていけるようにしたいです。

──では、様々な期待も高まる『FUNTONE』─宇月颯NATSU FES 2023─について、改めて意気込みをお願いします。

暑い夏のフェスですが、暑いからこそ気持ちも上がるしテンションも上がっていくと思うので、自分を解放しにいらしてください。今年の夏を一緒に盛り上がっていきたいので、是非暑さを吹き飛ばしにいらしてください!お待ちしています!

【公演情報】
『FUNTONE』─宇月颯 NATSU FES 2023─
●8月25日(金)19時 26日(土)13時/17時
◎ライブハウス銀座TACT (タクト)
〈料金〉8.800円(税込/1ドリンク込)
〈お問い合わせ〉宇月颯オフィシャルファンクラブ 090-9057-9232
〈チケット申し込み〉https://www.hayateuzuki.com/posts/44956810
主催・株式会社ERIZUN

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】

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