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タクフェス 春のコメディ祭!『仏の顔も笑うまで』宅間孝行・モト冬樹・肥後克広・樋口日奈 インタビュー

宅間孝行が東京セレソンデラックス時代に上演したシチュエーションコメディ『Happy』が、16年の時を経て『仏の顔も笑うまで』となって、バラエティ豊かなキャストとともに帰ってくる。

物語は銀行強盗の2人がある寺に逃げ込んでくることから始まる。ちょっととぼけた2人は、そこの住職の娘に恋をしたり、県知事の汚職騒動に絡んでみたりとドタバタ劇を巻き起こす。笑いに特化した「タクフェス 春のコメディ祭!」ならではの舞台だ。

物語の中でおとぼけ銀行強盗のバディを演じるのは宅間孝行とモト冬樹、寺の住職役に扮する肥後克広、住職の娘を演じるのは乃木坂46の樋口日奈、さらに元宝塚トップスターの水 夏希、劇団EXILEの八木将康、ベテラン女優の秋本奈緒美など華やかなメンバーが顔を揃えている。

そんなタクフェスの新作『仏の顔も笑うまで』について、宅間、モト、樋口、肥後の4人が語り合ってくれたえんぶ本誌の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

※新型コロナにともなう緊急事態宣言に鑑み全公演が中止となりました。

上段/宅間孝行 樋口日奈 下段/モト冬樹 肥後克広

モトさんに美味しいところを全部もっていかれて

──16年ぶりに『Happy』を再演しようと思ったのは?

宅間 当時切ない作品とコメディと交互にやっていて、わりと切ないほうが評判が良くて、そっちの方に重心が行ってたんですが、僕にとってはどの作品も思い入れがあるし、また上演したい作品の1つだったんです。ただ、この作品すごくバカなんですよ。普通にシュチュエーションコメディを毎回作っていたんですが、どんどんコント寄りになってきて、これは三本目でかなりコント寄りになっているので、くだらないことも沢山やってます(笑)。そういう意味では「春のコメディ祭り」にぴったりなんですが。

──今回のキャスティングも楽しそうですね。

宅間 モトさんは一昨年の『あいあい傘』に出ていただいたとき、切ない作品に出る人じゃないなと。

モト え? ちょっと待ってよ!

宅間 一緒の場面で美味しいところを全部もっていかれて、「モトさん面白い、モトさん面白い」という話ばかり聞こえてきて、イラッとしたんです。

モト そんなことないだろ(笑)。

宅間 今回コメディなので存分にやっていただこうと。つまらなかったらモトさんのせいです(笑)。肥後さんは小さい頃からテレビで見ていて、年を聞いたらそんなに変わらなくて、そういう意味ではずっと笑いの世界にいらっしゃる先輩として出ていただきます。樋口さんは若いのに大人っぽい感じがあるのがいいなと。僕が若い頃に作った作品だと、自分は年を取ってきてるのにヒロインが若いと、親子みたいに見えてイヤなので(笑)。年齢より大人っぽくて素敵な樋口さんにがんばっていただきたいですね。

樋口 嬉しいです。タクフェスのポスターのレトロな感じが好きで、「出たいなあ」と思っていたんです。決まったときは嬉しくて、やったー! と思いました。

なぜか思い出が「キツい体験を乗り込えた」と

──皆さん、稽古で楽しみにしてることなどありますか?

樋口 今回コメディだから笑いが絶えないのかなと。

モト 甘いな、それは。

樋口 きゃー(笑)。

宅間 そういうこと言うから、みんなガチガチでくるんですよ。前回楽しかったでしょ?

モト どうだったかなぁ(笑)。

宅間 おかしいよ(笑)。稽古も早く終わってラクだったでしょ?

モト あれでラクだったというから、まずびっくりするんだよね。

宅間 13時から19時迄しかやってない。あの作品に出てくれた(鈴木)紗理奈ちゃんも、「1年辛かったな~」って言ってて、だんだん思い出が「キツい体験を乗り込えた!」みたいになってて。なんでそうなるのかな(笑)。

モト 真面目に言うと、芝居に対する愛情があるからきっちりと稽古するんだよね。だから和気藹々というのとはちょっと違うかもしれない。それにくだらないことでも一生懸命やるし、しかも本番でどんなことを言っても受け止めてくれる。そういう意味では今回もすごく楽しみです。

肥後 僕は自分がなんでキャスティングされたんだろうと今も思っていて(笑)。お笑い芸人というカテゴリーの中でも、もっと芝居チックな芸人さんもいますからね。でもせっかくオファーしてくれたのでがんばってやろうと。マネージャーも「大丈夫です。モト冬樹さんもいますから」と。

モト どういうフォローなんだよ(笑)。

肥後 それに台本を読んだら、よく出来ていて面白いんですけど、役が寺の住職で、この役はモトさんじゃないのかなと。

モト 悪かったね(笑)。

──モトさんと宅間さんの泥棒コンビも見どころですね。

宅間 とにかく最初から出るので、分量的にもけっこう大変なんですよ。でも2人のところはわりと自由にやろうかなと思っていて。そういう意味ではモトさんは前回でかなり気心が知れているので、やりやすいなというのはあります。

モト 宅間くんの台本はきっちり書かれているから、意外とアドリブできるところって少ないんだけどね。今回はコメディなので、前回よりはそういう部分が多くなると思うので楽しみです。

 

理不尽なことへの思いをペーソスとして入れたい

──全国に沢山のファンがいるタクフェス公演の魅力と今回の公演への意気込みを、それぞれ語っていただけますか。

樋口 タクフェスは笑いあり涙ありで、切なかったり、観ていると自然と涙が流れたり、温かな気持ちになったり、自分もスッとその世界に入れて自分の人生と重ね合わせたりできるんです。今回はコメディで、笑わせることって難しいし、エネルギーがすごく必要ですよね。でもそのぶん沢山の人に共感ポイントがあったり、自分に重ね合わせて笑えるところもあると思うので、観に来た方が素直に感情を出して楽しんでいただけるといいなと思っています。

モト 僕は宅間くんの舞台に出ると決まったとき、最初に観たのが『笑う巨塔』だったんです。とにかくみんな一生懸命にやってて、芝居が終わったと思ったらお客さんと一緒に踊ったりしてて。これ2回やったら死ぬなっていう(笑)。『あいあい傘』はコメディじゃなかったんですけど、でも一生懸命さは変わらなくて。全員が一生懸命やるとやっぱり心打つものがあるんです。だから今回も、とにかく一生懸命やることが大事なんだなと思っています。

肥後 タクフェスは宅間さんの計算された台本や演出の魅力に加えて、宅間さんのマンパワーもあるのだろうなと。存在感とオーラが強い方なので、僕も少しでも近づきたい。それと他のインタビューで宅間さんが「コメディはきついからこれが遺作になるんじゃないか」と言ってて。私がお経の1つでもあげて、ぜひ成仏させてあげたいと思ってます(笑)。

──最後に宅間さんに聞きたいのですが、コメディと言ってもいつも胸に来るものがあるのがタクフェス作品です。その秘密はどこにあるのかなと。

宅間 僕のコメディのシリーズは必ず政治家が出てくるんです。僕にとって政治家はコメディなんです。いつも「アホだな」と思いながら政治の世界の出来事を見ている。そして、コメディのお話の中でそういう「アホな人間たち」をやっつける。この作品も、道路の拡張工事によって、お寺の前のお蕎麦屋さんが立ち退きになってしまう話が出てきて、そのことへの陳情とか熱い想いを持った人たちが出てくる。それは実際にあった老舗のお蕎麦屋さんの話がベースにあって、理不尽なのか仕方のないことなのか難しいところですが、ほぼコントみたいなことをやりながら、そこへの思いみたいなものを若干ペーソスとして入れたいと思ってます。でも、観る方はそこにとらわれずにとにかく笑っていただければ。それが僕たちとしても一番やり甲斐がありますから。

上段/宅間孝行 樋口日奈 下段/モト冬樹 肥後克広  

■PROFILE■

たくまたかゆき○東京都出身。1997年~2012年にかけて劇団「東京セレソンデラックス」、以降は「タクフェス」を主宰。作家・演出家・監督・俳優として映像や舞台で活躍中。ドラマ『花より男子』シリーズ(05・07・08年 TBS)、『スマイル』(09年 TBS)などの脚本を手がけ、劇団作品の映像化としては、ドラマ『歌姫』(07年 TBS)、『間違われちゃった男』(13年CX)、映画『くちづけ』などがある。映画は、08年『同窓会』(監督・脚本・主演)、16年『全員、片想い』内短編「サムシングブルー」(監督・脚本)、18年『あいあい傘』(脚本・監督)、19年『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』(脚本・監督)など。

もとふゆき○東京都出身。タレント、俳優、ミュージシャン。本格的コミックバンドとして「ビジー・フォー」を結成しライブハウスなどで活躍。その後「ものまね四天王」ブームを巻き起こしテレビの人気者に。個性派キャラクターを生かし、CM・テレビドラマ、舞台と多方面で活躍中。最近の舞台作品は『ふたり阿国』『あいあい傘』『ザ・デイサービス・ショウ』など。

ひぐちひな○東京都出身。女性アイドルグループ乃木坂46のメンバー、ファッションモデルとしても活躍。ドラマは『焼肉プロレス』(テレビ大阪)、舞台は學蘭歌劇『帝一の國』『墓場、女子高生』『ドラえもん のび太とアニマル惑星』『恋する♡ヴァンパイア』乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』『+GOLD FISH』『SHOW BOY』などに出演。

ひごかつひろ○沖縄県出身。1985年、上島竜兵・寺門ジモンの三人でお笑いグループ「ダチョウ倶楽部」を結成。リーダーを務める。身体を張った「リアクション芸」はあまりにも有名。テレビや舞台などで幅広く活躍。舞台は『志村魂1~14』、『細川たかし特別公演 ダチョウ倶楽部一座 旗揚げ公演』。ドラマは月曜ゴールデン『浅見光彦シリーズ34』『牙狼〈GARO〉-GOLDSTORM- 翔 第13話』『三匹のおっさん』『ドロ刑』などに出演。

【公演情報】
タクフェス 春のコメディ祭!第3弾
『仏の顔も笑うまで』
作・演出◇宅間孝行
出演◇宅間孝行 モト冬樹/水 夏希/樋口日奈(乃木坂46) 八木将康(劇団EXILE) 鈴木裕樹 越村友一 外岡えりか 横山 涼/秋本奈緒美 肥後克広(ダチョウ倶楽部)
●4/22~29◎東京 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
〈料金〉8,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00~18:00)
●5/9・10◎名古屋 御園座
〈料金〉S席:8,000円 / A席:7,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉東海テレビ放送事業部  052-954-1107(平日 10:00~18:00)
●5/14◎岩手 北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
〈料金〉6,500円円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉岩手めんこいテレビ 019-656-3301
●5/16◎福島 けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)中ホール
〈料金〉8,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉福テレ音声ガイド 024-536-8011 
●5/20~24◎兵庫 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
〈料金〉8,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉 芸術文化センターチケットオフィス  0798-6-0255(10:00~17:00 月休み*祝日の場合翌日

〈公式サイト〉http://takufes.jp/hotoke/

 

【構成・文◇宮田華子 撮影◇岩田えり】

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