新国立劇場2023/2024 シーズンオペラ開幕公演は『修道女アンジェリカ』『子どもと魔法』
新国立劇場の2023/2024 シーズンオペラの開幕公演は、ジャコモ・プッチーニ『修道女アンジェリカ』とモーリス・ラヴェル『子どもと魔法』(新制作)をカップリングして上演する。
プッチーニの『修道女アンジェリカ』は、我が子と引き離されたアンジェリカの孤独と絶望、そして神秘的な奇蹟がプッチーニならでは の豊饒な音楽で描かれる感動的な作品。女声のみのキャストが織り成す精緻な音楽、そして最終シーンの混声合唱を伴う神々しい 音楽の美しさは特筆もの。
対する『子どもと魔法』は“管弦楽の魔術師”として、また洗練されたバレエ音楽でも知られるラヴェル が「ファンタジー・リリック」と呼んだ、子ども目線で子どもを取り巻く世界を描いた幻想オペラ。ラヴェルならではの華麗な音楽で、子ど もの心の冒険が描かれる。
緻密な読み込みに定評ある演出家・粟國淳と指揮者・沼尻竜典のタッグは、『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』に続く顔合わせとなる。
出演者は、『修道女アンジェリカ』のアンジェリカにドラマティックな表現を武器にミラノ・スカラ座などで大活躍中の若手キアーラ・イゾットン、公爵夫人に芸達者の マリアンナ・ピッツォラート。『子どもと魔法』の子どもには同役で世界の音楽シーンを賑わしているクロエ・ブリオ、お母さんにフランスを拠点とする齊藤純子が出演。そして膨大なキャラクターが登場する両作品に、オペラ界旬の歌手たちが華やかに揃う。ダブルビルならではの贅沢で洒脱な一夜となるはずだ。
《『修道女アンジェリカ』あらすじ》
夕暮れの修道院。礼拝を終え修道女たちは、アンジェリカは面会を待ち続けているのだと噂する。ついに面会の夫人が訪れる。アンジェリカ の叔母の公爵夫人である。夫人はアンジェリカの妹の結婚のため、両親の遺産を放棄し妹へ与えるようにと遺産整理の手続きに来たのだ。 アンジェリカは未婚の母であり、そのために7年前、子どもと引き離され修道院へ入れられていた。妹の結婚を喜び、わが子の様子をおずお ずと尋ねるアンジェリカに、公爵夫人が子どもは2年前に亡くなったと伝える。悲嘆にくれるアンジェリカ。深夜、アンジェリカはひっそりと薬草 を煎じて毒薬を作り、息子のもとへ旅立とうと毒をあおるが、すぐに自殺の大罪を犯しては天国へ行けないことに気づき絶望する。罪を悔 い、聖母マリアに祈りを捧げるアンジェリカに奇蹟が起こり、天使の合唱の中、アンジェリカは息子に導かれ息を引き取る。
《『子どもと魔法』あらすじ》
宿題がいやで文句だらけの男の子。お母さんは怒って、味気ないパンと苦いお茶をおやつに置いていく。男の子はポットやカップを割ったり、 リスや猫をいじめたり、暖炉をかき回してやかんを引っくり返したり、壁に落書きしたり、時計を壊したり本を破いたりと暴れ放題。すると椅子 が動いて「乱暴な子はまっぴら」とダンスを始める。時計も怒るし、ポットもカップも脅かすし、「悪い子を焼き殺そう」と火まで追いかけてくる。 壁紙から落書きの羊飼い、破れた本からおとぎ話のお姫様、そして教科書から算数の問題を出す妙なおじいさんまで登場。男の子が庭に逃 げ出すと、寄り掛かった木が「お前がつけた傷だ」とうめくのでびっくり。トンボやこうもり、カエルと、いじめられた生き物たちも次々に集まる。 男の子が思わず「ママ」と叫ぶと、生き物たちが飛びかかって大騒ぎに。怪我してしまったリスを男の子が手当てすると、生き物たちは子ども の優しいところに気づいて、気を失った男の子を助けて家まで運んで「ママ」と声をかけ、「坊やはいい子になった」と言って消えていく。月明かりのもと、目を覚ました男の子が「ママ」と呼びかける。
【公演情報】
新国立劇場 2023/2024 シーズン オペラ開幕公演
ジャコモ・プッチーニ
『修道女アンジェリカ』 全1幕〈イタリア語上演〉
モーリス・ラヴェル
『子どもと魔法』全2部〈フランス語上演〉 〈日本語及び英語字幕付〉
※予定上演時間 約2時間(休憩含む)
●10/1、10/4、10/7、10/9◎新国立劇場 オペラパレス
〈料金〉 S:29,700円 A:24,200円 B:17,600円 C:11,000円 D:7,700円 Z:1,650円 (全席指定・税込)
〈一般発売日〉 2023年8月5日(土)
〈チケット予約・問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス http://nntt.pia.jp/
〈公式サイト〉 https://www.nntt.jac.go.jp/opera/suorangelica/