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D☆Dのいる夏が帰ってきた!SUPER“D-☆”SUMMER VALENTINE SHOW 2019『ヴァレンタインに逢いましょう』上演中!

結成15周年を機に2018年から充電期間に入っていた男性パフォーマンス集団DIAMOND☆DOGS(D☆D)の再始動公演であるSUPER“D-☆”SUMMER VALENTINE SHOW 2019『ヴァレンタインに逢いましょう』が、銀座の博品館劇場で上演中だ(7日まで)。

SUPER“D-☆”SUMMER VALENTINE SHOW 2019『ヴァレンタインに逢いましょう』は、D☆Dの公演の中でも特に人気の高いシリーズである「ヴァレンタイン・ショー」の新作。そのタイトル通り従来はヴァレンタインSeasonに上演されていたが、一昨年に「真夏のヴァレンタイン・ショー」としての上演が大好評を得ていたことから、充電期間を経た新生D☆D再始動を記念する船出の公演に企画された、サマー・ヴァレンタイン・ショーになっている。

従来このヴァレンタイン・ショーは1部をストーリー仕立てのダンス&ソングアクト、2部を生バンドを入れたライヴ形式の二部構成で上演されていたが、今回は後半が生バンド演奏になる形は踏襲しつつ、休憩を挟まずほぼ100分のノンストップで駆け抜けるショーに仕上がっている。

その中で、新生D☆Dに加入したボーカルの新開理雄、ダンサーの廣瀬真平、Homerそれぞれの個性をフューチャーしつつ、東山義久を筆頭に、中塚皓平、和田泰右、咲山類との7人で生み出される新たなD☆Dのチーム感が披露されていく。懐かしい楽曲、場面もあれば、初お目見えの場面もあり、音楽的にもパフォーマンス的にも多岐に渡りバラエティに富む、D☆Dならではの怒涛のショーが展開されていく。

中でも非常に印象的だったのが、リーダー東山義久の個性とスター性が突出していたD☆Dの、一人一人の「個」が大きく粒だってきていることだった。これまでにももちろん東山がフォーメーションの関係で後列端にいる、ということは多々あったのだが、それが如何にも座りが悪く見え、センターがズレているように感じられた時期も、D☆D15年の歴史の中にはあったものだ。けれども、今回東山が後列にいても、個々が放つ色合いがハッキリと分かれていて、それぞれの輝きを堪能することができるようになっている。それでいて互いがてんでんバラバラという印象にならず、新メンバーを含めた7人にチーム感がきちんとあるのが非常に面白かった。これは1年間の充電期間に中塚皓平、和田泰右、咲山類が様々な舞台や新たな挑戦で培ってきた力と、新メンバーの廣瀬真平、新開理雄、Homerの異なる出自と未知の可能性との化学反応が生んだ輝きに他ならず、新生D☆Dがここから進んでいく道程「第二章」のはじまりの豊かさを予見させてくれる。

 

 

特に宝塚歌劇団での振付家としての仕事などで、大人数を動かす経験を積んだ中塚皓平が、本来持っていたスター性と伸びやかなダンスの魅力だけでなく、ショー全体を俯瞰して、時にリードし時に後方からメンバーを支える押し引きを自然に醸し出していて強烈に目を引く。これが、中塚本人はもちろんチームしとしてのD☆Dを活性化させる効果になっている。

また、ダンサー陣の一角として「先輩」になった和田泰右の舞台での在り様が、目を瞠るほど大きくなっているのにも驚かされる。得意のストリート系のダンスだけでなく、端正な踊りにも歌にも長足の進歩が見えてなんとも頼もしい。

そしてボーカル面の屋台骨を支える咲山類が、新ボーカルの新開理雄を引っ張りながら豊かな声量と表現力だけでなく、高音の響かせ方などでより進化した歌声を聞かせて惹きつける。この人あってこそのオープニングも実に美しく、存在感をより高めた。

その咲山にリードされてのボーカルデビューとなった新開理雄は、目下のところ声が良く伸びるジャンルがハッキリわかるが、甘く柔らかな歌声にヒーリング系の魅力があり伸びしろ十分。音楽監督のTAKAの協力を得て、人生初の作詞・作曲にも挑戦していて、美しいメロディーラインが耳に残る佳曲を披露していた。

廣瀬真平は、これまでD☆Dで背中に翼があると思わせることにかけて右に出る者がいなかった中塚の後を追うかの如き、見事な跳躍力に目を奪われる。今後中塚とじっくり対峙したダンスなどにも挑戦して欲しいし、今回披露していない特技だというタップダンスも楽しみだ。チャーミングな持ち味もよく活きている。

Homerはこれまで自身が芯となったショーステージの経験がほとんどないそうだが、持ち味のアクロバット&ストリート系のダンスシーンでの見せ場を軸に、芝居心も感じさせていてこちらも伸びしろ十分。主に和田との掛け合いで非常に面白い味を出しているし、一節聞かせた歌声も魅力的。キメ台詞もあり上々のデビューとなっている。

彼ら6人のそれぞれの輝きを引っ張る東山義久が、特段の光を放つことは変わらないながらも、個々メンバーを盛り立てようとする姿勢に顕著なものがあって、むしろこれまでよりも更に舞台で自由度を増していることが興味深い。研鑽を積んできた歌でも「第三のボーカル」と言える位置づけで舞台を支えているが、その大きな存在感の中にやんちゃさも残したのが面白い。これは新たなメンバーを迎えた新生D☆Dが、どこか孤高の神々しさが先に立ってきていた東山にもたらした表情だと思うと、殊更に感慨深いものがある。2019年大作ミュージカル『ミス・サイゴン』でエンジニア役を演じるという大きな発表があったばかりだが、そうした活動と共に「D☆Dのリーダー」であり続けることがある種の宿命であるばかりか、東山本人にとっても意義のあることなのだと感じる。例えば中川晃教やソニンが、ミュージカルスターという括りの中というよりも「中川晃教というジャンル」「ソニンというジャンル」と言った方が胸に落ちる特別な存在感を放ちながら、歌手としてもミュージカルスターとしても幅広い活動を展開しているように、「東山義久というジャンル」であると表現することが最も似つかわしい東山が、D☆Dのリーダーでありながら、ミュージカルの世界でも、更にもっと広い世界でも多彩な活躍を示してくれるだろうことに、期待の膨らむステージになった。

更に、この新生D☆Dの船出に際して、D☆Dの歴史を創ったOBたちが日替わりで駆け付けるという趣向もあり、MITSUAKIと小寺利光ゲスト回と、島地保武とTAKAゲスト回を観たが、ゲストが絡む場面だけでなく、細かい演出や出番にも変更があって、これは実質各回が一期一会のスペシャルショー。毎日観たとしても多様な発見があるに違いない内容に驚かされた。彼らはどこでどんな活動を展開していても皆変わらない「家族」で、それはこの博品館劇場の空間に響いた声だけでなく、白く輝くライトの中に確かにいると感じられる森新吾が遺した絆に違いなかった。音楽監督にTAKA、演出助手に小寺が名を連ね、木野村温子の振付に確かな「森イズム」が感じられることも、この真夏のヴァレンタイン・ショーの趣を深めていて、何よりも「D☆Dのいる夏」が帰ってきたことを喜びたいステージとなっている。

【公演情報】
SUPER“D-☆”SUMMER VALENTINE SHOW 2019『ヴァレンタインに逢いましょう』
構成・演出・振付◇D☆D
音楽監督◇TAKA
出演◇DIAMOND☆DOGS
(東山義久・中塚皓平・和田泰右・咲山類・廣瀬真平・新開理雄・Homer)
日替わりゲスト◇辻本知彦・島地保武・MITSUAKI・KYOHEI・小寺利光・TAKA
※辻本知彦の「辻」は一点しんにょう
〈料金〉8,800円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉博品館劇場03-3571-1003
http://theater.hakuhinkan.co.jp

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

 

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