超人気コミック帝国劇場で初ミュージカル化! ミュージカル『SPY×FAMILY』製作発表会見レポート
シリーズ累計発行部数2,900万部突破の超人気コミック「SPY×FAMILY」の初ミュージカル化となるミュージカル『SPY×FAMILY』が、2023年3月8日~29日東京・帝国劇場で上演される(のち、4月11日~16日兵庫・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール、5月3日~21日福岡・博多座でも上演)。
「SPY×FAMILY」は遠藤達哉が2019年3月より「少年ジャンプ+」(集英社)で連載中のスパイアクション&ホームコメディ。「スパイ&超能力者&殺し屋が互いの秘密を抱えたまま仮初めの家族になる」というユニークな設定と、スタイリッシュでキュートなキャラクターたち、シリアスとコメディが絶妙にブレンドされた世界観、巧妙なセリフ回しとアクションとギャグを織り交ぜたストーリーテリング等により、連載開始直後から閲覧数・コメント数・発行部数における「少年ジャンプ+」最高記録を次々と更新し、読者の圧倒的な支持を獲得。「このマンガがすごい!2020」オトコ編・第1位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」第1位、「第4回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」大賞、などに選出され、現在シリーズ累計発行部数は2,900万部を突破。2022年4月にテレビアニメ化され、2023年にはSeason2&劇場版制作も決定。欧米圏・アジア圏での放送及び配信の世界展開もスタートし、国内外を問わず一大旋風を巻き起こしている。
そんな超人気コミックが、満を持して2023年3月に帝国劇場で、ミュージカルとして初舞台化されることが決定し、100年余りの歴史を持つ帝国劇場と、いままさに旬の大人気コミックの舞台化という、斬新なタッグが大きな注目を集めている。
そんな期待の舞台の製作発表会見が12月上旬都内で開かれ、実は凄腕スパイ、コードネーム〈黄昏(たそがれ)のロイド・フォージャー役の森崎ウィンと鈴木拡樹。殺し屋という裏の顔を持つヨル・フォージャー役の唯月ふうかと佐々木美玲(日向坂46)。ヨルの弟で姉を溺愛する秘密警察官のユーリ・ブライア役の岡宮来夢と瀧澤翼(円神)。黄昏の後輩スパイのフィオナ・フロスト役の山口乃々華。黄昏に協力する情報屋のフランキー・フランクリン役の木内健人。夫婦を装うロイドとヨルの「娘」となる心を読む超能力者アーニャが入学を目指す名門校教諭のヘンリー・ヘンダーソン役の鈴木壮麻。黄昏が所属する組織の上官シルヴィア・シャーウッド役の朝夏まなとのメインキャスト9名に、脚本・作詞・演出を手がけるG2が登壇。作品への抱負を語った。
【登壇者挨拶】
G2 実は今日若い出演者の皆様に初めてお会いしました。しかもほとんどの方が初対面なので、喜びに満ち溢れております。みんなキラキラでしょう?素敵な輝きを持った人が集結していて、ベテランのお二人に関しては、ものすごく気心も知れた二人で、この人たちが集まっただけで新しい景色を生み出す、期待感が湧いております。ここからが大変なんですけれども頑張ります。
森崎 ロイド・フォージャー役をさせていただきます、森崎ウィンです。この場にいられることが幸せです。どうか最後までよろしくお願いします。
鈴木拡樹 お集まりいただきましてありがとうございます。僕も今日をすごく楽しみにして参りました。G2さんがおっしゃるように新しい作品の、新しい景色を見る為に集まったメンバーだと思っています。よろしくお願いします。
唯月 唯月ふうかです。多くの方から愛されているこの作品の初ミュージカル化に呼んでいただけてとても光栄です。どうぞよろしくお願いします。
佐々木 ヨル・フォージャー役を務めさせていただきます、佐々木美玲です。私はミュージカル作品が初めてなので、すごく緊張しているんですが、最後まで頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
岡宮 ユーリ・ブライア役を演じさせていただきます岡宮来夢です。僕もすごく緊張していますので、初対面ですけれども皆さん困ったらぜひ助けてくださいね。今日はお姉さんを意識した可愛らしいネクタイをつけさせていただいております、頑張ります。
瀧澤 瀧澤翼です!本名です!この作品に携われること本当に嬉しく思っています。これから始まるこの舞台にワクワクしております。よろしくお願いします。
山口 フィオナ・フロスト役を演じさせていただきます山口乃々華です。とにかく一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
木内 フランキー・フランクリン役を務めさせていただきます木内健人です。ミュージカル『SPY×FAMILY』のオリジナルキャストとして、この場にいられること嬉しく光栄に思っております。皆さんと一緒にお稽古をする日、そしてそれをお客様に観ていただける日が本当に待ち遠しいです。
鈴木壮麻 超有名校の寮長ヘンリー・ヘンダーソン役を務めます鈴木壮麻です。G2さんのリードのもと、チーム一丸となっていい作品を作っていけたらと思っています。頑張ります。どうぞご協力、そしてお見守りご宣伝よろしくお願いいたします。
朝夏 (役柄の台詞で)「こんにちは、或いはこんばんは」シルヴィア・シャーウッド役の朝夏まなとです。私自身原作が大好きで、このミュージカル化をとても楽しみにしております。今日皆さんとお会いしていよいよ始まるんだなと、ワクワクしております。G2さんの演出のもと素晴らしい作品になるよう尽力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【質疑応答】
──キャストの皆様、ご自身が演じられる役に決まられた時の感想と、周りの方から何か反応がありましたら教えてください。
森崎 ロイド・フォージャー役を、というお話をいただいた時は、正直言って驚きました。ミュージカル界のなかでまだまだ経験の少ない僕に、帝国劇場での公演の主役の一員としてお声がけいただけたことは、大きな驚きと喜びが僕の中で混在しておりました……(自分に)すごい硬いな…(周り笑い)でもそれくらい、本当に純粋に身も心も引き締まるような思いでした。同時に自分もファンでもあります、この『SPY×FAMILY』の世界に飛び込める機会をいただけたことに、非常な興奮もありました。本当に色々な気持ちが混在していたというのが正直なところです。そして、出演が決まったあとでの周りの反応は、日本でももちろんなのですが、先日ある番組の撮影でイギリスに行くことがありまして、その時、イギリスに住んでいる日本人の方だけでなく、イギリスに住んでいるミャンマー人の方から、僕はミャンマー人なんですけど、通りすがりに「ウィンだよね?」のあとの第二声が「『SPY×FAMILY』に出るんでしょう?」だったんです。「ミュージカルのね」という話をしましたら「うわぁ、観たいな!」と言っていたのに一番驚きました。国境も越えたこの作品で、日本のロイド・フォージャーとして進んで参ります。
鈴木拡樹 もちろん話題の作品ですから、それ相応の責任感を感じて緊張するところだったんですけれども、それ以上に楽しみだったのが、このロイド・フォージャーというのが、とても素晴らしいスパイですので、なんでもこなせてしまうんですよね。自分と照らし合わせると、やっぱり不器用な人間なので、そういう生き方しかできませんでしたから、これは最高のチャンスをいただいたなと思いました。舞台の中で演じる間は完璧な人間として、またその完璧が崩れる瞬間というのが、少し笑いのポイントになってくると思いますので、そういう意味では楽しみながら、普段とは違う完璧な人間でいたいなと思っています。
唯月 私はお話をいただいた時に、ヨルはとてもかっこよくて色気のあるようなイメージでしたので、何度も「ヨルさんですか?え?私がヨルですか?」と驚きを隠せませんでした。そして電話を切った後、部屋で叫びました。なかなか実感がわかなかったのですが、プロモーションビデオや扮装写真を撮るうちに、だんだんと私がヨルなんだから、責任を持ってしっかり務めていこうという自覚を持って、今はとてもワクワクしております。ヨルのかっこよさと、とても可愛らしい天然さ、その二面性をしっかりと表現できるように取り組みたいと思います。
佐々木 お話を聞いた時は私も本当に驚きました。コミックもアニメもどちらも楽しませていただいていたので、まさか自分がヨルさんを演じるという想像がつかなくて。でも周りのメンバーも「おめでとう、絶対観に行くよ!」と言ってくれたし、今日の衣装も、実はこれを事務所で選んでいる時に、メンバーが「絶対この柄のドレスが似あうよ」と選んでくれて、今日それを着てきたので、みんなの気持ちも背負って頑張りたいと思います。
岡宮 僕はちょっと正直に言うと『SPY×FAMILY』のことはお話をいただくまで知らなくて。ただ、ミュージカルを志したものとして、帝国劇場にまた立たせていただけるということにすごく興奮しました。周りの反響としてはSNSの反応が本当にすごくて、さっきウィンさんもおっしゃいましたけれども、本当に世界中で愛されている作品なんだなというのを実感して、今ワクワクしています。
瀧澤 このお話をいただいた時には、僕はユーリのように理性を失うぐらい喜びました。本当にうれし過ぎてたまらなかったんです。もともと僕はこの『SPY×FAMILY』の大ファンで、その中でも推しのキャラがユーリ・ブライアだったので、自分が推しを演じられるんだという驚きとともに、本当に新しい感覚に包まれながらこの先進んでいくんだろうなと思いました。ただ、自分と照らし合わせてみると、ユーリの身長が179cmで、僕も179cmなんです。で、ユーリにはお姉さんがいて、僕にもお姉さんがいるんです。更にユーリは20歳なんですけど、僕がこの公演の初日を迎える1週間ほど前に20歳になるので、全くユーリと一緒になるというは、ユーリ・ブライアを当日完成させられる状態になるので、皆さん楽しみにしていただけたらと思います。
山口 私も電話をいただいた時にびっくりして、心の中で喜びました。まさかこんなお仕事を私がさせてもらえる日が来るなんて、という夢見心地な気持ちと、絶対に一生懸命頑張ろう!という気持ちがありました。周りからの反応としては、私の見た目とフィオナが全然違うので、扮装の写真を見た時にはどこにいるかわからない、というぐらいの違いがあります。私は本音が顔に出やすいので、フィオナの時にはちゃんと出ないようにしっかり頑張っていきたいです。
木内 僕が初めて『SPY×FAMILY』に出演すると事務所から聞いた時は、僕も来夢くんと一緒で、作品のことを聞いてはいたのですが、まだ漫画を読んだことはなかったので、フランキーってどんな役なんだろう?と思って。見てみたらアーニャと同じ感想で「もじゃもじゃ」(笑)と思いました。扮装写真を撮るまでには自分がもじゃもじゃになる時間が全くなかったのですが、いざスタイリストさんに一生懸命やっていただいたら、意外とフランキーになれるもんだなと思って、今はフランキーを実際に稽古で自分なりに形作って、皆様に観ていただけるのが本当に楽しみです。
鈴木壮麻 初めてこの作品のヘンリー・ヘンダーソン役をというご連絡をいただいた時、電話を切って「エレガント!」と自分の部屋で叫びました。家で様々な映像作品を観ていると、『SPY×FAMILY』のアニメのCMが頻繁に流れるので、こういう作品なのか、と見たりしていたので、自分の中で「エレガント」という言葉が、こんなに喜びを持つことなんだと、意味を持った瞬間でした。そして漫画の方を読ませていただいて、なんと深い作品なんだろうということにも気づかされて。皆さんは裏の顔がある人たちばかりなのですが、僕は裏の顔を持たない教育者としてこの作品に参加できるのが嬉しいなと思っています。色々人生で経験してきたなかで、ヘンリー・ヘンダーソンも時折、質実剛健に吐露するシーンがあるので、そういったことも加えていけたらいいなと思っています。普段チケットをいろいろ宣伝する時に、なかなか食いつかない人たちが真っ先に「5枚頼むね」「6枚ね!」と言ってくる、反響のシャープさにびっくりしていて、力強い体力のある作品だと思っています。お客様の期待が大きい分、こちらも是非緻密に、ディテールにこだわって良い作品ができたらなと思っている今日この頃です。是非楽しみにしてください。
朝夏 私もこのお話を伺った時は原作を知らなくて、その後すぐにコミックを読んで、ドハマりしました。それぐらいスピーディーな展開がとても面白くて、ポンと沼にはまった感じでした。私の親戚がこの作品が好きで、私は本名をあすかと言って九州ですから訛りますが「(九州弁で)あすかちゃんが出るならシルヴィア・シャーウッドやろうね」と言われてたのが当たってたんです。それぐらい私のキャラクターとイメージしやすい役なんだな、ということを周りからの反応で知りましたし「ピッタリだね」と言われることも本当に多いので、私もこの役を演じられることにワクワクしています。上官なので、ロイドさんはあるのですが、私にはあまりアクションシーンはないようなのですが、私もアクションやりたいので、もしそういうシーンがあったらG2さんよろしくお願いします。
G2 考えます!
朝夏 本当ですか?では、アクションがあるのかないのかもお楽しみになさってください。
──G2さん、これまでも有名な漫画原作の舞台化をされていますが、醍醐味やご苦労される点があれば教えて下さい。
G2 確かに漫画の原作で歌舞伎もやったりしていますが、歌舞伎はぶっ飛ばせるので、別世界として描くことができて意外とやりやすいんです。ストレートプレイもやっていますが、おそらく一番難しいのがミュージカルだろうと。実は僕は、漫画原作でミュージカルってこれがほぼほぼ初めてで、しかも正直、こんなに緻密によくできているものをミュージカルにすると、必ず違うものになっていく。ですから原作ファンの方を満足させながら、ミュージカルファンの方も満足させていくために、今毎日毎日戦っているところです。僕が勝手に先輩演出家と呼んでいるクリント・イーストウッド監督が、演出のコツは?と訊かれて「ただ目の前のシーンを撮っていくだけだよ」と言った、その言葉がすごく好きなんです。そういう平常心で原作と向き合いながら、色々なプランナーの方々も今回どちらかと言うと新進気鋭の方が集まっていて。そういう人たちとの意見交換をしながら、ミュージカルとして立ち上げていく。まだ稽古が始まっていないので本格的には1ヶ月先なんですが、準備作業に入っていて、なかなかの難問です。皆さんと一緒に作り上げたいのはもちろん原作の良さ、オリジナルの良さを生かすことですが、原作はどちらかと言うと完全連続ものではなくて、1回1回ちゃんと落とし前がついてるというか、読み切りになっている完結の良さがあるんです。その完結の良さを横に並べていくことによって、流れが中断したみたいなことを起こさないように、かつ休憩込み3時間というミュージカルの世界の中で、クライマックスの盛り上がり、ラストの感動はマックスに持っていきたい。ここはやっぱり生身の俳優と音楽の力を使って如何に盛り上げていくかが、今僕の課題です。どこまでか喋っていいのかな?が、ちょっとわからないのですが(笑)でもやっぱりどこをクライマックスにするか?というところを1番悩んで構成したので、そこはお楽しみにしていただきたいです。
──G2さん、皆さん気になっていらっしゃる『SPY×FAMILY』の中でも最重要キャラクター、最後のピースでもありますアーニャ役は決まっていらっしゃるのでしょうか?
G2 実は決まっています。もう数ヶ月ほどワークショップを繰り返して、長いお付き合いのなかで、この方!と。年内には発表されます。すごい可愛い子たちなので、期待していてください!
(※ここでは発表されなかったアーニャ役は、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で、ヒロイン百音の幼少期を演じて話題となった池村碧彩。2021年に『エーデルワイスの歌』のグレーテル役で初舞台を踏んだのち、経験を積んでいる井澤美遥。2021年ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を観劇してから舞台に憧れ、初挑戦のオーディションでアーニャ役をつかんだ福地美晴。2019年よりNHK Eテレ「みいつけた!」のスイちゃん役でレギュラー出演中の増田梨沙が、クワトロキャストで演じることが発表され、更なる話題を集めている)
──キャストの皆様「人は皆、誰にも見せぬ自分を持っている」という作品世界にちなんで「こう見えて私にはこういうところがあるんですよ」という、ちょっとした秘密を教えていただけますか?
森崎 こう見えてわたし旅客機が大好きで、一番好きな機体はエアバスA380。全て二階建てなんです。飛行機が大好きです。以上です。
鈴木拡樹 こう見えて、というのは難しいですね。自分がどう見えるのかわからないので(笑)。でも、普段ローなトーンで暮らしているのであまり動かなさそうと言われるんですが、結構体を動かすのが好きで日課がランニングなんです。幼稚園時代からランニングを欠かさず趣味としてやっています。ですから体力面には少し自信があります。
唯月 私もどう見えているのかちょっとわからないのですが、こう見えてひとりが好きです。ごはん屋さんにも、焼肉もひとりで行って食べたりしているので、基本ひとり行動が好きだなと。(キャストに向かって)でも皆さんお願いします!話しかけてください!(笑)
佐々木 私はこう見えて節約家なので、スーパーに行くのが大好きで、色々なスーパーや薬局をめぐって「あ、あっちのお店よりも10円安い!」と考えるのが趣味です。女の子ってショッピングが趣味の方が多いと思うのですが、私はスーパーめぐりが趣味です。
岡宮 僕はこう見えて運転するのが好きで好きで、車やバイクだけでなく、いずれ船舶やヘリコプターの免許も取って、陸海空を全部制覇したいと思っています。
瀧澤 僕はこう見えて家に20~30個のぬいぐるみがあります。ベッドの上にぬいぐるみを何個か置かないと眠れません。自分で言っていてちょっとイタイなと感じるのですが(笑)、普段は「円神」というグループでリーダーを務めさせていただいていて「しっかりしているね!」と言われるのですが、家の中にはファンシーな世界が広がっています。
山口 私は猫が好きで、猫を飼っているのですが、実は猫アレルギーです(笑)。毎日アレルギーの薬を飲んでいます。
木内 どう見えているかわからないのですが、結構人とコミュニケーションを取るのが好きで、誰とでも仲良くなれるタイプなんですが、こう見えてお酒が全く飲めません。
鈴木壮麻 こう見えて551蓬莱の肉まんが大好きで、5、6個ぺろりと食べちゃいます。新幹線のなかでも食べちゃって前後左右の方にちょっとご迷惑だったりもしますが、シュウマイも大好きです。兵庫公演が今から楽しみです。
朝夏 最後って難しいですね(笑)。私は背も高いので運動部っぽいねと言われるのですが、吹奏楽部でずっとフルートをやっていました。中学時代からこの身長で、吹奏楽部の中で一番大きいのに、一番小さい楽器のピッコロなどを吹いていました(笑)。
──G2さん、この作品を通してご覧になった方に持って帰っていただきたいポイントは?
G2 作品を解説してしてしまうと月並みな言葉になってしまうかもしれないのですが、やっぱりお互いが正体を隠しているということは、実はどこかで本音の付き合いをしていない関係なんです。ですからそこにできあがる不思議な絆というものは、本人同士はそんなに気づいていないんだけれど、周りで見ている人には確かな絆がつながっているとわかる。SNSなどで電子的にみんながつながってしまっている現代社会において、不思議なローテックと言いますか、人間としての何か不思議なもの、全てを明かしていないのにつながっていくものが、じわじわと共感を呼んでクライマックスに至るところをポイントにしたいです。
──キャストの皆さん、2022年を振り返ってどのような年でしたか?併せて来年の抱負もお願いします。
朝夏 今年は初挑戦と再会の年でした。初挑戦はG2さんの演出のもとはじめてのストレートプレイ『こどもの一生』という作品に挑戦させていただき、とても勉強になりました。再会という面では『モダン・ミリー』という2020年に中止になってしまった作品を今年再演できたので、表現をする場をたくさん与えていただいて、とても充実した年でした。来年は1月にゲスト出演させていただくコンサートを経て、この『SPY×FAMILY』でまた新たな一面を表現できるように頑張りたいです。
鈴木壮麻 充実した1年を過ごさせていただきました。『ブラッド・ブラザーズ』という作品で吉田鋼太郎さんの演出を受けて、こういう風に作っていくミュージカルがあるんだ!と思ったり、朝夏さんもおっしゃっていましたが、僕も2020年に中止になってしまった作品『フォーエヴァープラッド』を公演できて、おじさんたち4人でハーモニーを作って楽しい時間を過ごせました。それから『DOROTHY~オズの魔法使い』という新作ミュージカルへの出演、そのあとにこまつ座さんの『吾輩は漱石である』で、夏目漱石役という主演をさせていただいて、これが天文学的なセリフ量の役で、4月から覚える作業をはじめて、11月に本番という1年でした。そういった今年の経験と糧を、すべて投入してミュージカル『SPY×FAMILY』に参加できたらと思っています。
木内 今年は『ガイズ&ドールズ』と『天使にラブソングを~シスター・アクト』という出演した2作品が、両方とも中日を過ぎたあたりで公演中止になってしまったので悔しい気持ちでいっぱいですが、前向きな話をすると、舞台に立てることやお客様に観ていただけることが当たり前ではないからこそ、舞台に立つ意味を非常に考えた1年だったと思います。来年はミュージカル『SPY×FAMILY』で僕自身初めて、漫画に登場するキャラクターを演じるので、おそらく稽古ですごく大きな壁にぶち当たるのではないかなと思っているのですが、新しい自分と出会うためにチャレンジしていきたいです。
山口 たくさん挑戦させていただいた年で、初めて主演でミュージカルをやらせていただくなど、自分が持つ責任がどんどん大きくなるのが怖いこともあります。それと同時にうれしくもあり、色々な気持ちになった1年でした。来年も挑戦と勝負、何かを勝ち取っていくことが続くと思うのですが、そういう日々をありがたく過ごしていきたいです。
瀧澤 グループ活動の方では野外ライブや幕張でのライブをさせていただき、個人でもドラマにレギュラーで出させていただいたり、初めてのミュージカルに挑戦したりと、夢のような年でした。この経験を生かして、来年のミュージカル『SPY×FAMILY』にすべてを賭けて臨みたいなと思っています。この作品をよくするためならなんでもする!という覚悟を持って臨みたいです。
岡宮 今年は全部の舞台、ミュージカルで主演をさせていただきました。人を引っ張っていくということはどういうことなのか、人としてしっかりしなければならない機会が増え、すごく成長できた1年だったと思います。たくさんのことを経験させていただいて、いまも稽古をしている作品があって、来年本番を迎えます。こうしたことを一個一個積み上げて、色々な感情に向き合い、もっと役者として頑張っていきたい。ミュージカル『SPY×FAMILY』をしっかり成功させられるように、唯月さんと佐々木さんのヨルを支えていけたらなと思っています。
佐々木 今年1年は私が所属する日向坂46の夢だった東京ドームでのライブを、3月に行うことができました。そこから個人としてもドラマをやらせていただくなど、夢だったことがたくさん叶っていった、すごく幸せな1年でした。来年はミュージカル『SPY×FAMILY』がありますし、色々なことに挑戦できる年になったらいいなと思います。
唯月 今年は私自身集大成の年だったなと思います。私事なのですが、芸能生活10周年を迎えることができ(周りから拍手)ありがとうございます!ミュージカルや色々な作品に出させていただいて10周年が迎えられ、また新たな気持ちで踏み出していこうという気持ちになりました。作品の面では高校生、娼婦、OLと幅広い役柄をやらせていただいたので、来年は殺し屋として、また新たな表現を引き出せるように励んでいきたいと思います。
鈴木拡樹 ここ数年、コロナ禍で演劇をしっかりお届けすることが難しい時期を過ごして参りましたが、今年は作品をすべてやり遂げることがでたことをとても幸運に思います。そういう意味では何年振りなんだろうと思うくらい、やり残しがない年になりました。気持ちよく来年を迎えられそうなので、引き続き来年もすべての公演を届けたいと思いますし、再び歩き始めるときがまたやってきたんだなと感じています。ここから更に演劇の火が増していくでしょうし、僕もそのひとりとして精進していきたいです。
森崎 今年1年は僕自身にとってもすごく変化の年でしたが、世界中の情勢も色々な変化が起きているなかで、僕らがこうやってエンターテインメントをできている幸せを、改めて実感した年でもありました。ですからエンターテイナーのひとりとして、誰かにとって明日の糧になるような作品を、来年はこの『SPY×FAMILY』でお届けできるように頑張ります。どうか『SPY×FAMILY』よろしくお願い致します。
【公演情報】
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら周平
出演:
ロイド・フォージャー 森崎ウィン/鈴木拡樹(Wキャスト)
ヨル・フォージャー 唯月ふうか/佐々木美玲(日向坂46) (Wキャスト)
ユーリ・ブライア 岡宮来夢/瀧澤翼(円神) (Wキャスト)
フィオナ・フロスト 山口乃々華
フランキー・フランクリン 木内健人
ヘンリー・ヘンダーソン 鈴木壮麻
シルヴィア・シャーウッド 朝夏まなと
ドミニクほか 楢木和也
新井海人、大津裕哉、小倉優佳、鎌田誠樹、栗山絵美、桑原柊、柴田実奈
島田彩、丹宗立峰、堤梨菜、般若愛実、福田えり、深掘景介、藤岡義樹
湊陽奈、宮野怜雄奈、武者真由、元榮菜摘、山野靖博、ユーリック武蔵、LEI’OH
●2023年3/8~29◎帝国劇場
〈料金〉S席15,000円、A席10,000円、B席5,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
公式サイト https://www.tohostage.com/spy-family/
【全国ツアー】
●2023/4/11~16◎兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
〈料金〉S席15,000円、A席10,000円、B席5,000円、C席3,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800
●2023/5/3~21◎博多座
〈料金〉A席15,000円、B席10,000円、C席5,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉博多座 092-263-5555
【取材・文・撮影/橘涼香】
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