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相葉裕樹×鯨井康介×相馬圭祐が語る、舞台『ノン セクシュアル NON SEXUAL』とは!

相葉裕樹、鯨井康介、相馬圭祐がそれぞれ役柄を入れ替えてのWキャストに挑戦する舞台『ノン セクシュアル NON SEXUAL』が、6月6日から、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて上演される。コメディからシリアスな恋愛小説、SF、官能小説、ホラー、児童文学まで幅広いジャンルに渡り独自の世界を描いてきた森奈津子の同名小説が原案となっている舞台だ。

タイトルにある「ノンセクシュアル」とは、他者に対して恋愛感情は持つが性的欲求を持たないセクシャリティという意味。本作に登場する瑛司、蒼佑、侑李の3役を、相葉、鯨井、相馬が、それぞれWキャストで演じ分けるのも大きな見どころだ。
その3人に、作品や役どころ、そして3人のパーソナルな部分についても話を聞いた。

鯨井康介、相葉裕樹、相馬圭祐

テーマは人と人との濃い「繋がり」

──この『ノンセクシュアル』は、いったいどのような作品なのでしょうか?

相葉 まず「ノンセクシュアル」という言葉自体、僕もこの作品で初めてその意味を知ったのですが、ノンセクシャルという存在を僕らは普段から意識してきたわけではないので、そんな題材をもとに、バイセクシャル、ノンセクシャル、アセクシャル(他者に対して恋愛感情も性的欲求も感じないセクシャリティ)がいて、そこで三角関係が描かれたりするので、結構ディープな話になるのではないかと。一言で片付けられないものになりそうですし、実際稽古に入ってから見えてくるものがかなり多い作品になりそうです。

──本作が持つ「テーマ」は?.

鯨井 今台本を読んだ状態で考えうる範囲でしかありませんが、「繋がり」というのは1つあるんじゃないかな? 対個人的な繋がり……「執着」とかもっと濃い繋がり。それをどう捉えるかで人間関係が変わっていく、という気がします。また「セクシャリティ」というものが表面上にありますが、もっと深いところに根本的な何かがあるのかなと思いますね。

相葉 人と人の関係からは「愛」や「憎しみ」も生まれますしね。

相馬 本人的には真っ直ぐな想いであっても、見方によっては歪んで見えることもあるよね。

鯨井 悪意に受け取られてしまうこともね。

相葉 その人にとっては何も間違ったことはしていない、と思っていることでも、はたから見たら「それはおかしいだろう」とか法律的にもよくないということもあるので、言葉で説明するのがすごく難しい。

相馬 この作品を観たお客さんがいったいどんな気持ちになるのか、すごく気になるね。

相葉裕樹

3人がWキャストで演じ分ける3人の人物

──本作で、相葉さんは瑛司と蒼佑、鯨井さんは蒼佑と侑李、相馬さんは侑李と瑛司という、3つの役をWキャストで交互に演じます。ご自身が演じる役どころについてどのように考えていますか?

相葉 瑛司はバイセクシャルであり、蒼佑はノンセクシャルという違いがまずあって、そういう設定に踏み込んで芝居をする機会が今までなかったので、僕的には新鮮です。猟奇的な役もやってみたいと以前から思っていましたし。また、同じ作品で2役をやるのも初めてなので、稽古はどうやって進めていくのだろう、2つの人格とどう向き合っていくのだろうなど、体感してみないと分からないことが沢山ありそうです。

鯨井 僕が演じるのは蒼佑と侑李。1つは暗い役ですがもう1つは柔らかい役。陰と陽でいうなら陽の役を楽しみながら稽古場に入れたらいいなと思います。相葉さんと相馬さんが瑛司役で、俺と相葉さんが蒼佑役で、俺と相馬さんが侑李役なのですが、相馬さんの侑李役は絶対面白くなりそう! 侑李はオタク気質というか研究者タイプでまわりからちょっとズレている男だと思うんですが、相馬さんって研究者っぽいじゃないですか。雰囲気というか凝り性なところが(笑)。

相馬 いや、僕は自分がやらない蒼佑役が一番自分に近いんじゃないかと思うよ。台本を読んだ時に、その人物が一番想像できるのが蒼佑で、演じている自分が想像つくんだよ。

相葉・鯨井 ああ、わかる!

相馬 今までやったことがありそうな役だから、あえて外して他の役になったんじゃないかな。

──ちなみにWキャストですが、稽古場でご自身が演じる役について他の人が演じている姿は見たい派?見たくない派?

相馬 本当は見たくない派です。でも見ざるを得ない状況もあるので。

鯨井 そうだよね、違う役でその場にいるからね。

相葉 絶対目にしちゃうしね。僕は今、ミュージカルに出演する機会が多いんですが、ほぼWキャストです。そういう現場では、自分の演技が固まってきた時に同役の人の芝居を見ると、つい惑わされることがあって。だからある程度演じ方が決まってからはなるべく見ないようにしているんです。

鯨井 僕もWキャストの経験はありますが、すごく見るタイプ。「いやー!ほぉー!これはキミだからできるんだね!」みたいな感じで(笑)。

相葉  その気持ちも分かる(笑)。人が作り上げた役だから、その人だからこその良さが出るわけで、それを自分がやるとうまくいかないんだよね。それ以上超えられない。

鯨井 ただ、自然とその人に寄っちゃっている時もあるからね。そんな時は「あ!やっちゃってた!?」と開き直る(笑)。

相馬 俺は同役の人を見るとへこんじゃうんだよね。「あー、俺本当にダメだ」って。稽古とかで人が演じているのを見ている時は本当に落ち込みますね。自分の出来なさ加減に。ましてやそれがWキャストだと、「アイツはこんなに凄いことをやっているのに俺ときたら」とズブズブと。

鯨井 キミは自分が思っているよりずっとやってるから!(笑)

相馬 俺は自分が一番できないと思うことで自我を保ってるのよ(笑)。

相馬圭祐

舞台に立ちたくても立てない人がいるんだと

──ミュージカル『テニスの王子様』で一緒だった相葉さんと鯨井さん、ドラマの『侍戦隊シンケンジャー』で一緒だった相葉さんと相馬さん。出会った頃と今とでお互いに変化はありましたか?

相馬 自分のことで言うと、あの頃はキャラクターの勢いだけで乗り切っていたというか(笑)、自分でも驚くくらいポジティブで自由だったんですが、今はこんなふうにネガティブで(笑)。でもきっかけはあるんです。『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』に出演した時、作品と自分の精神世界が重なって。それ以降どんどんネガティブというか、「死」に近づきたくなるようになって。しかも怖いところに踏み込んだ時に、周りから称賛されたりする。そんな自分と周りとの評価がブレてきてからネガティブが発動したような気がします。

相葉・鯨井 なるほどね。

相馬 周りの人たちは優しいから、いろいろなアドバイスをしてくれるんだけど、それが逆にネガティブを誘発するんです。

相葉 僕もあの頃と比べたら考え方が1周半くらいしているかも。当時はお客様の前に出るのが怖かったし、20代中盤ではお客様に対して「何見てんだよ!」とか思いながら舞台に出ていたんです。虚勢を張らないといられないくらい怖くて舞台に立てなかったんです。

鯨井 でも今はすっかり王子だよね(笑)。

相葉 (笑)でも4、5年前ぐらいまで、まだそう思ってたし、今も相変わらず舞台は怖い。僕も根がネガティブで、そこは変わらないんだけど、1つ変わったのが……去年、『テニスの王子様』時代からの仲間の滝口幸広さんが亡くなって。あの時、「舞台に立ちたくても立てない人がいるんだ」というのをすごく感じました。それまでは自分が出来ないことに臆病だったけど、「ここで音を外しても死なない」って思えるようになって、少し心が楽になりました。

鯨井 わかるなあ。まあ僕は、来てくださったお客様に「何見てんだよ!」なんて思ったことはないですけどね(笑)。僕は相葉さんと一緒に舞台に出ていた頃は割と真面目でしたね。むしろ周りの人に迷惑をかけちゃいけないと、いつも思っていたくらいで。怖かったんですよ「出る杭は打たれる」って思っていたから。だから人前に出る仕事なのに、どこか平均点を取ろうとしていたんです。でもある時、とある先輩からかけられた言葉ですべてが変わったんです。「上手いね。上手いね。でも全然面白くないね」って。その先輩は面白いし上手いし、すべてが完璧なんです。僕は大ファンだったので「上手いね」って言われて一瞬喜んだんですが、「面白くないね。はい、職人さん」って言われて。その直後は「もうだめだ、この仕事を辞めよう」って思いました。でもその時、「ならば“面白い”ってなんだろう」と。それで、わざと半分くらいしか台詞を覚えないで舞台に立ったり、めちゃくちゃミスをしようと思ったり(笑)。開き直りましたし、嫌われることを厭わなくなりました。相葉さんの「死なないから大丈夫」という気持ちがなんだかすごく分かります。仮に今また先輩に「ダメだね」と言われても、「ああ、ダメでしたか!俺の10年間は!」って笑い飛ばせます。このあとまだ50年くらい人生あるし(笑)。(相馬さんに向かって)あ、今またネガティブに入っているでしょ?

鯨井康介

相馬 わかった?(笑)なんかこういう話をしているとき、いつも自分が嫌になるんだよね。

鯨井 “加速するネガティブ”だね!(笑)。

相葉 でもネガティブってマイナスなだけではないと思うんだよ。むしろ自己分析力が高いからじゃないかな。自分のこれがダメだなと思ったら、じゃあこうしようって考えられる。それはポジティブな人より上手いんじゃないかな。

──そんな仲の良い3人で作る舞台ですが、最後に作品を楽しみにしているお客様にメッセージをお願いします。

鯨井 ポジティブになってる相馬さんと、王子らしからぬ相葉さんを(笑)楽しみにしてください。私は通常営業で頑張ります(笑)。

相葉 この3人だからこその良いバランスが取れそうな気がしています!仲の良いメンバーと一緒に芝居を作れるのが楽しみです。横浜赤レンガ倉庫で芝居を観るのも見どころかなと。決してカジュアルな作品ではないですが、演劇というものを楽しんでいただけたらと思います。

相馬 ポジティブとネガティブな部分それぞれの良さも出しつつ、自分の深い部分を出していけたらと思います。また会場は僕の地元なんです。初めて神奈川で芝居が出来るんだという想いもあり、自分の気持ちも高まっているので是非地元で頑張る僕を観に来てください。

■PROFILE■

あいばひろき○千葉県出身。2004年映画デビュー。舞台、映像出演の他、声の吹替え等活動の場を広げ、『ローグ・ワン/STAR WARS STORY』、海外ドラマ『S.W.A.T.」ジム・ストリート役の日本語吹替、スマートフォンゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』など、多方面に活躍中。近年の主な出演作品は、『HEADS UP!/ヘッズ・アップ!』『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』『俺の骨をあげる』『タイタニック』映画『怜々蒐集譚Reirei Syusyu Tan』『レ・ミゼラブル』『ダンス・オブ・ヴァンパイア』『アナスタシア』など。8月にミュージカル 『スクール・オブ・ロック』が控えている。

くじらいこうすけ○埼玉県出身。アニメの主役で声優デビュ―後、ミュージカル『テニスの王子様』に出演。さらに舞台『弱虫ペダル』シリーズ、ドラマNTV『ごくせん』などで人気に。ドラマ、映画、舞台等で活躍中。近年の主な出演作品は、映画『怜々蒐集譚Reirei Syusyu Tan』『東京ワイン会ピープル』、ミュージカル「青春鉄道」シリーズ、舞台『恐怖時代/多神教』『SHAKES』『虹色唱歌』『怜々蒐集譚Reirei Syusyu Tan』『トンダカラ 2nd flight 』『天の河伝説』『怪談 牡丹燈籠』『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』『200憶の電波』『仮面山荘殺人事件』など。

そうまけいすけ○神奈川県出身。2009年『侍戦隊シンケンジャー』でシンケンゴールド/梅盛源太を演じ、注目を集める。その後、ドラマ、映画、舞台等で活躍。近年の主な出演作品は、ドラマ『BAD BOYS J』『鉄子の育て方』、映画『ギャルバサラ-戦国時代は圏外です-』『俺たち賞金稼ぎ団』『太陽からプランチャ』『怜々蒐集譚Reirei Syusyu Tan』、舞台『真田十勇士』『広島に原爆を落とす日』『Being at home with Claude ~クロードと一緒に~』『モマの火星探検記』『さよならヨールプッキ』『ピカレスク◆セブン』『FlyingTrip Vol.13 ウソトリドリ』『いなくなった猫の話』『変わり咲きジュリアン』『怜々蒐集譚Reirei Syusyu Tan』『父が燃えない』など。

【公演情報】
舞台『ノンセクシャル NON SEXUAL』
原案:「ノンセクシュアル」森奈津子
脚本:潮楼奈和
演出:西沢栄治
出演:(Wキャスト)相葉裕樹/鯨井康介/相馬圭祐
(シングルキャスト)さかいかな/松村龍之介
6/6~14◎神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
〈料金〉一般チケット8300円 学生チケット3900円DVD(非売品)付きチケット:9800円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉Zu々 http://www.zuu24.com/
〈公式サイト〉https://www.zuu24.com/non-sexual
〈公式twitter〉https://twitter.com/mngg_zuu

 

【取材・文/こむらさき 撮影/友澤綾乃】

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