劇団民藝公演『異邦人』中津留章仁の作・演出でまもなく開幕!
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで9月26日より開幕する劇団民藝の次回作は、現代日本の諸相を描いて注目を集めている中津留章仁(劇団「TRASHMASTERS」)の新作で、経済優先に走る経営者家族を描いた前作の『篦棒』(2016年)につづく民藝への書き下ろし2作目となる。小さな町の家族経営の洋食屋を舞台に、ベトナム人技能実習生たちとの心の交流を通して、変わっていく日本人家族の姿を描いた等身大の物語だ。異なる文化を持つ人間同士として触れ合うことで生じる摩擦や感情を辿ることで、「島国」日本に暮らす私たちの根底にある意識を浮き彫りにし、共生の道を探る作品になるという。アンサンブルによる密度の濃い舞台づくりをめざす劇団民藝と、人間の本質を鋭く衝いてきた作・演出の中津留章仁のコラボレーションにより、鮮度の高い人間ドラマが作られていく! そんな中、本作で洋食屋を切り盛りする「村本早苗」役で主演する樫山文枝よりコメントが届いた。
【樫山文枝(劇団民藝/主演)コメント】
とある町の洋食屋「むらもと」の女将さん村本早苗を演じます。庶民的な洋食屋さんが舞台ですから、生活感を大事につくっていきたい。こんな役柄本当に初めてでチャレンジ精神を大いに刺激されます。町は外国人労働者が増えて急速に様変わり。ベトナムの人たちへの早苗の心情も少しずつ変わっていきます。彼らの悩みや戸惑いにきちんと向き合っていくうちに、いつしか受け入れていくのです。そのことが物語の流れのままに自然と描かれていく。演ずるというより、まさにその場所で生きて生活していることを求められているかのようで俳優としてはとても興味深い試みです。私自身が「日常」をどう生きているのか、そこを問われていることを強く思わないではいられません。劇団の外から新たな風を吹き込んでくださる作・演出の中津留章仁さん。芝居づくりへの様ざまなアプローチひとつ一つが新鮮で、私たちも今まさに稽古場で多文化共生を実践しているかのよう。そんな気持ちを大切に、初日までもうひと踏ん張りです。
【あらすじ】
村本早苗と哲夫の夫婦は、ある地方の小さな町で食堂を営んでいる。お客は、近くの工場の従業員や近隣の農家や勤め人といった庶民的なお店。娘の友紀は役場に職を得て、息子の涼太は見習いコックとして哲夫の下で修行中だ。常連のお客は近くの工場の社員たちや農家の人びとで、以前は客足が絶えない店だったが、最近オープンしたばかりのネパール人カレー屋に押され気味。そんな時、店にクアンとチエンというベトナム人が現れる。「技能実習生」として農家で働くクアンと、工場で働くチエン。クアンのつくるカレーは絶品だった。早苗と哲夫は、新メニューに加える決断をするのだったが……。
【公演情報】
劇団民藝
『異邦人』
作・演出◇中津留章仁
出演◇樫山文枝 細川ひさよ 中地美佐子 金井由妃
高木理加 長木彩 伊木瑠里
小杉勇二 佐々木梅治 齊藤尊史 吉岡扶敏 神敏将
本廣真吾 岩谷優志 平野尚 近藤一輝
9/26(木)~10/7(月)◎紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
料金:一般6,300円/夜チケット4,200円(夜公演のみ、全席)
U25(25歳以下)3,150円(要証明書)/高校生以下1,000円(要証明書)
申し込み先:劇団民藝 電話044-987-7711(月~土、10:00~18:00)
www.gekidanmingei.co.jp