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劇団「地蔵中毒」無教訓意味なし演劇vol.11『ずんだ or not ずんだ』9/19~22、都内にて堂々上演!

東野良平 かませけんた

今をときめく人気劇団「地蔵中毒」。“無教訓意味なし演劇”を標榜し、旗揚げ5年。超個性的なメンバーを擁して9月19日より堂々11回目の公演をむかえる。いつも清々しいほどのエロティカルでバイオレンスな内容。ナンセンスでコメディでスピーディでファンタスティック! ときには演劇の領域を軽々と飛び越えて、遙か彼方に衝撃的な着地をすることもある。そんな集団の自由で個性的なメンバーの中で絶妙に粘着剤的な役割を果たしつつ、狂気を内包したコ★メディカルな演技で、ぬきんでた存在感を放つ、東野良平・かませけんた! 劇団に、そして2人に輝かしき未来はあるのか?

お笑いが好きで。紆余曲折。 なんとなく必然で演劇へ。

――お2人が劇を始めたきっかけを教えてください。

かませ 学生時代、お笑いをやるために落語研究会に入っていて、落語家になりたかったんですが。社会人になって、紆余曲折悶々としていたときに、落研のヤバイやつが東京に来て演劇やってるよって聞いて地蔵中毒を観に行って、おお! と。感想を主宰の大谷皿屋敷君に話していたときに、好きなマンガとバンドが一緒だったからという感じで、「今度、何かあったら手伝うよ」と裏方のつもりで言ったら、台本に僕の名前があって。じゃあ、やるしかないなと。

東野 僕も大学時代は、落研でした。1年生のときウケたのがきっかけで、楽しくて、それから大学では落語だけの生活。大谷とは同じ落研の同期ですね。卒業して、地元で就職したんですが1年くらいで辞めて。2015年の秋にボンヤリ上京して。日雇いのバイトを繰り返してグズグズの生活。そのグズグズが極みに達したときに、大谷に「お前、東京に来たらしいじゃん。おれ、劇団やってるんだけど、出る?」って聞かれて「出る!」っていう感じです。一回も見てないし、どんなことやるかも知らなかったんですけど。

どうやって舞台に立ったら いいのかわからない。

――いきなり演劇に入ると、クリアしないといけないことが、けっこうあったと思いますが?

かませ 落語って一人じゃないですか。演劇は他に人がいるから最初はきつかったですね。

東野 まず、立たないといけない。最初にビックリしたのは、どうやって立ったらいいんだろうっていう。立ち方、歩き方、身体の向け方が分かんない。本当に最初のうちは、棒立ち。被ってるのとかも気にしないから。

かませ 客席に背中を向けるとかね。

――いきなり青年団風ですね。

東野 とりあえず、セリフ言えばいいんでしょと。

――その時期、もう劇団としてのやり方は成立してたんですか?

かませ してないですよ。でも矢継ぎ早に出てくるフレーズの心地よさはすごく気に入ってました。

東野 第4回公演の稽古に参加したとき、「これ大谷の落語だ!」と思って。大谷は古典をものすごく替えちゃうんです。もう本当に筋も、骨も残らないくらい取っ払って、全部自分のギャグに替えるっていう落語で。それで学生のときに、全国大会で優勝してるんです。それにすごく通じるものがありました。「これは大谷の落語をみんなでやるんだ」っていうのが最初の印象です。自分としては取っつきやすいというか。4年間見ていた大谷の落語をやるんだなっていう感じでした。

現在販売中のえんぶ10月号に掲載中の劇団「地蔵中毒」企画・制作のスペシャルページ!その1

落研出身者は すべりたくない! すべったら、死なので。

――いまは、なんとなく地蔵中毒なりの動きがありますよね。不思議な引き込まれ方をするんですが。そのあたりは、自分たちで作られていった感じですか?

かませ 公演を重ねるごとに、すべりたくないっていう気持ちがすごく出てきて。そこの部分でお互いのやり方が出てきたのかな。

東野 それぞれが、特に落研出身者は、すべりたくないんですよ。たぶん、演劇出身の人はすべっても落研のやつらほどダメージを受けない。落研のやつらはすべったら、死なので。「自分だけでもウケたい! でも動き方が分からない!」というときに、各々が生き延び方を探して。それぞれの生き延び方を。

かませ 各々で武器があるんですよ。大谷君がそれを知ってるので。

東野 それぞれの得意技を身につける。これを持っていけば死なない。それが地蔵っぽいってなってるのかな。

――でもそのわりに俳優さん同士の関わり合い、やり取りが決して、自分が自分がっていう風には、見えないですよね。

かませ それはない。同じシーンに立ってる以上は、片っぽが死んだら、こっちも死んじゃうっていう恐怖があるので。

東野 大谷が書いた作品をおもしろく舞台上で立体化させるには、脚本に対して、同じベクトルで立ち向かったときが一番ウケるというか。

――落研出身じゃない人もたくさんいて、それを巻き込むエネルギーもスゴイと思うんです。女優さんたちは落研出身じゃないですが、地蔵ならではの魅力をのびのびと発揮している気がします。

かませ だんだん、地蔵や自分の良さを分かって来て、みんなで盛り上がって行く感じですかね。

――それは大谷さんのリーダーシップ?

かませ ないですよ! あの人には。ただ、根本的なおもしろいことをしよう! っていう気持ちが共通してる。みんなおもしろさに対して貪欲なんだと思います。

3回目の観劇で「自信」が 「確信」に変わりました。

――初めて拝見したのは池袋にあるサンライズホールの公演で、シェイクスピアの話でした。

かませ 『ハムレット(ウエストポーチ着用ver)』。

――演目は全部大谷さんが決めてる?

東野 はい。この時も、「次はハムレット。シェイクスピアやるわ」って。みんなは、あーそうなんだって。

かませ 1人も『ハムレット』読んでなかったから。理解もしていない状態っていうか。

――それを観たのが最初で…。やっぱり最初の頃は不安でした。

東野 やっぱそうですよね。

――不思議な体験でした。あんなくだらないことに、あんなに本気になれる人がいるんだっていう。しかも作品としてきちんと成立する2時間を見せてもらえるのって、そうはないですからね。その後は、

かませ 王子スタジオでやった『「淫乱和尚の水色腹筋地獄」改め「西口直結!阿闍梨餅展示ブース」』ですね。

――午前中の回観ちゃって。一日大変でした。

東野 朝に観るもんじゃない。

――で、次の3回目『つちふまず返却観音』。これで地蔵はおもしろいという「自信」が「確信」に変わりました(笑)。

第8回公演『つちふまず返却観音』より。サーフィンで夏を満喫している海の家の従業員の東野(左)とかませ(右)と、尻文字でピカソの本名を書いている水着ギャルたち。(撮影/塚田史香)

裏を絶対読ませない。 「意味が出ちゃう」んで。

――普通に筋書だと、けっこう悲惨でつらいことばかり起るのに、どうして見る方はあんなに楽しく見れるんですかね?

かませ 根本に笑いがある部分が大きいのかなぁ。

――軽々とやってるというか。へんな残酷さとか、エログロさを感じさせないで見えてきます。でも強烈なパワーがある。何ででしょう?

東野 たぶん、表層的だからなのかなとは思います。中身がないんですよ、その裏にメッセージはないんです。メッセージはないし、心情もない、空っぽなんです。だから軽いのかなって感じがします。なんでこの人、そんなことするの? 殺すの? 何で死ぬの? ってのが、その裏を絶対読ませないっていうのは、一つあると思います。たぶん、裏があったら、読み取り始めて、

かませ 「意味が出ちゃう」んで。

東野 やっぱり、無教訓意味なしでやる以上、絶対、

かませ そこですね! 無教訓意味なし演劇。

東野 そうですね。最初に答えがありましたね。

めっちゃウケたいけど、 全部ウケんのは、 癪に障る。

――でも、意味なしがどんどん繋がってくると、意味が出てくる感じがしますよね。

東野 表層的なものの積み重ねが、結局、ストーリー、物語に見え始めるというのは、あるんだろうなとは。よく「感動して最後、泣いちゃいました」と聞いたりして。えーってなるんですけど。

かませ (笑)。お客さんも楽しんでくれてるっていうのをすごい感じるんですよね。へんな馬鹿なことやってても、それを受け入れてくれてるっていうのが、すごいやり甲斐っていうか、そういうのは感じますよ。

東野 めっちゃウケたときの感覚が、お客さんがぼくらを何か、食い尽くそうとするような感覚がある。お客さんが求めているものと、舞台上のものがガッと合致したときに、「うお、何か、すげぇ求められてる! 意味ないのに!」って。この場で起きてることとが「捨てたもんじゃないな」と思うんですよね。

かませ おもしろがってくれる人がもっと増えたら、おもしろいなとは思いますね。どんな形でもいいので。それが大きくなれば、またちょっと違うかもしれないし。

東野 より得体の知れない方に広がっていきたい。大谷が、「めっちゃウケたいけど、全部ウケんのは、癪に障る」って言ってたんで。全部「あー、分かる! コレね! ハハハ」ってお客さんに受け入れてもらうのは、違う。どっか一つは全然わけ分かんないっていうのを。「歪んだ性癖」を持ってるので。でもそれは地蔵の魅力の根幹なのかなっていう気はします。たぶん、今、ちょっと分かりかけてるからこそ、得体の知れない方に。

かませ 裏切り期が。

東野 裏切りたい。

地蔵中毒は永久革命… ずーっと変わり続けていく。

――もう、手も足も出ないくらいな所に行っていただければ、本望です。

東野 あいつらはおかしくなっちまった…って。

――あ! 地蔵中毒は永久革命…なんですね。ずーっと変わり続けていく。変革し続けて行くしか生きる道がない。

かませ 永久革命って(笑)。

――もしかすると『シーシュポスの神話』なのかもしれないですけど(笑)。

かませ ゴールないですね。

――言ってみれば、もぐらみたいに。

東野 暗闇の中を、

かませ どんどんどんどん、

東野 「歪んだ性癖」を武器に進んで行くしかない!

――それは素晴らしいですね。

劇団「地蔵中毒」企画・制作のスペシャルページ!その2

【公演情報】
劇団「地蔵中毒」第十一回公演
無教訓意味なし演劇vol.11
「ずんだ or not ずんだ」

作・演出◇大谷皿屋敷
出演◇関口オーディンまさお かませけんた 三葉虫みどり 東野良平 hocoten
 礒村夬
 立川がじら(立川志らく一門) 小野カズマ(排気口)
 モリィ(NATURE DANGER GANG) 土田有未(ナカゴー) 荒威ばる(劇団ジェット花子)

9/19~22◎高田馬場ラビネスト

https://g-chudoku.jimdo.com/

 

【取材・文/矢崎亜希子 撮影/スギノユキコ(人物) 塚田史香(舞台)】

以上、現在販売中の「えんぶ」10月号より転載。

 

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