障害の有無を超えた身体表現。ストップギャップダンスカンパニー『エノーマスルーム』
東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えた本年3月、障害の有無を超え、芸術性の高い舞台作品を創作し続けているストップギャップ ダンスカンパニーの最新作『エノーマスルーム』が上演される。
2ストップギャップ ダンスカンパニーは1997年の設立以来、“人と違うこと―それは私たちの存在理由であり、私たちの生き方そのものだから” をコンセプトに、障害のあるダンサーと障害の無いダンサー、それぞれの身体性、経験、知的能力の可能性を活かして芸術性の高い舞台作品の創造を続けてきた。
2008年にブリティッシュカウンシルと JCDN(ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク)が、日本各地で開催した「Dance Life Festival」で初来日、ワークショップやデモンストレーションを行った彼らが、今回初めて世田谷パブリックシアターで公演を行う。
『エノーマスルーム』の原題は「果てしのない部屋」という意味で、リビングルームを舞台に、妻であり母(ジャッキー)を亡くした夫(デイヴ)と、娘(サム)の記憶と現実がめくるめき交差する。デイヴとサム、2人のそれぞれの思い出の中のジャッキー、そして彼らの妄想の中に新たに生まれたユニークなキャラクター・チャックが、観客を迷宮の世界へと誘っていく。
「ダンスを 新しいジャンルへと導く舞台」(英・Disability Arts Online)とも評され、ダンスはもちろんのこと、演劇的なシーンやどこか温かみのある印象的な美術、幻想的な曲調からロックまで様々な音楽が舞台を彩る。パフォーミングアーツの無限の可能性をぜひ劇場で体感してほしい。
【あらすじ】
妻ジャッキーの突然の訃報に悲しみに暮れる夫デイヴ。娘のサムもまた、亡くなった母との日々を回想します。いつしか二人の思い出は幻となり、ついにそれぞれが思い描くジャッキー(たち)が目の前に同時に現れます。そこに、妄想と現実、二つの世界を結ぶ案内人チャックが登場、物語は思わぬ方向へと動きだし・・・。
【海外劇評】
悲しみと忘却がみごとなまでに出会い溶け合う
―Bachtrack(英)
安らぎと挑発がラストに向かってもたらす驚くべき衝撃
―Exeunt(英)
ダンスを新しいジャンルへと導く舞台
―Disability Arts Online(英)
【コメント】
芸術監督/ルーシー・ベネット
最新作『エノーマスルーム』を 2019 年 3 月に日本で上演できることを、ストップギャップ ダンスカンパニーメンバー一同心待ちにしています。本公演を通じて、パフォーマーが互いの多様性を受け入れることによってオリジナリティー溢れる唯一無二の作品が生み出されている、ということを観客のみなさんにご紹介できましたら、それはこの上ない喜びです。
【ワークショップ情報】
「ストップギャップダンスカンパニー インクルーシヴダンス ワークショップ」
日時:2019/3/11(月)14:00 – 20:00 会場:あうるすぽっと
対象:インクルーシヴダンスの作品を創ることに興味がある方、ダンサー、ダンス経験者
主催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)/豊島区
このほかにもワークショップを開催予定。詳細は決定次第劇場 HP にてお知らせいたします。
※インクルーシヴ(=わけ隔てのない)ダンス:障害の有無や年齢・性別・舞踊経験などに関わらず、身体の動きを通して交流する表現活動
〈公演情報〉
ストップギャップ ダンスカンパニー
『エノーマスルーム』
アーティスティック ディレクション◇ルーシー・ベネット
出演◇デーヴィット・トゥール、ハンナ・サンプソン、ナデン・ポアン ほか
●3/8・9◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉一般4,000円 ペア7,000円 高校生以下1,500円 U24 2,000円 ほか各種割引あり
〈お問い合わせ〉世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515
●3/3◎神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ) プラザホール
●3/16◎北九州芸術劇場 小ホール
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