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エンターティメントの真髄を追い求めて20年!『CLUB SEVEN 20th Anniversary』いよいよ開幕!

ソング&ダンス・芝居・タップ・ミュージカル・スケッチ等々、あらゆる要素を取り入れたニュー・エンターテインメント・ショー『CLUB SEVEN』が、第1回公演から20周年を迎えたのを記念した祝祭公演『CLUB SEVEN 20th Anniversary』が、8日日比谷のシアタークリエで開幕する。

『CLUB SEVEN』は、脚本・構成・演出・振付を務める玉野和紀が、頭のなかにあるおもちゃ箱から、次々と取り出すアイディアをふんだんに繰り出して紡ぎ続けてきた作品。ダンス、歌、タップはもちろん、キャストが全力で届けるスケッチと呼ばれるコント場面や、ここから独立した作品として羽ばたいていったものもあるミュージカル、そしていまや『CLUB SEVEN』最大の呼び物となった、ノンストップで歌い踊り続ける怒涛の「50音順メドレー」など、あらゆるエンターティメント要素を詰め込んだ舞台として、愛され続けている。

 

そんなシリーズが栄えある20周年を迎える今回は、玉野を筆頭に初演から作品を支えてきた“レジェンド”メンバー吉野圭吾、東山義久、西村直人をはじめ、これまでの歴代キャストたちを中心に、初参加のメンバーも加えた原田優一、中河内雅貴、町田慎吾、上口耕平、中塚皓平、大山真志、香寿たつき、北翔海莉、彩吹真央、愛加あゆ、実咲凜音、音波みのりの錚々たる16名が集結。

男性陣がトランプのカードになぞらえられた4チームに分かれ、そこに女性キャストが日替わりで2名加わる、出演回ごとにいったい何通りあるのか?という様々な組み合わせで、どの回を観たらいいんだろう…と、嬉しい悲鳴のあがる上演となった。

そんな豪華舞台の公開ゲネプロが初日を控えた2月7日に行われ、この日は玉野和紀、吉野圭吾、東山義久、西村直人、原田優一、町田慎吾、中塚皓平、香寿たつき、実咲凜音が登場。ゲネプロとは思えない熱い舞台を繰り広げた。

光るドアからすっかりおなじみになった衣装に身を包んだメンバーが登場すると、舞台はスタートからフルスロットルのダンスが展開していく。今回からCLUB SEVENに初参加の町田慎吾、中塚皓平、実咲凜音も、初参加とは思えない、息のあったダンスを披露して頼もしい。

そこから20周年の祝祭らしく第1部はスケッチが盛りだくさんに詰め込まれて進んでいく。最早定番となっている場面も多く、ついさっき颯爽と踊っていた同じ人たちなの!?と目を疑う全力のコントや、捨て身のオチが続く。

詳細は是非舞台で確認していただきたいが、大人が全力で大真面目に遊んでいるという独特の感覚を、客席がやはり全力で受け止めるライブ感こそ『CLUB SEVEN』の真髄。チームごとに異なるシーンも多くあるそうだし、よく見た場面も新メンバーが加わることでまた新鮮に映るから、各回で全く違うものになっていくだろう。

見比べる楽しみは尽きないし、こちらも愛され続けている公演キャラクター「セブン君」も顔を出すなど、楽しさがいっぱい。男性陣の歌で締めくくられる第1部のラストまでワクワクした気持ちが続いた。

続いて第2部では、これがなければ『CLUB SEVEN』じゃない!とまで言われる名物コーナー、「50音順メドレー」がいよいよ登場。スクリーンに映し出された「あ→ん」までの50音にちなんだ歌やダンス、そしてここでも非常に短くインサートされる爆笑コントも入ってきて、「あ」が決して1曲で終わる訳ではなく、今回は歴代最多の90曲!で展開する、怒涛の場面が一気呵成に続いていく。「いつ着替えたの!?」と前の曲に出ていたキャストが次の曲にも出てきたことにびっくりするほどの早替わりも立て続き、キャストと一緒に全力で走り抜けているような気持ちになってくる。

そう、これこそが『CLUB SEVEN』の持つ何よりの醍醐味。映像処理でどんなことでもできてしまうこの時代に、アナログを貫き、メンバーひとり一人が全力で踊り、歌い、芝居をし、コントを繰り出して汗びっしょりで駆け回る。この、人が持てる力を出し切って舞台を務める姿と客席の心が一体化した時、エンターティメントはこんなにも大きな力を届けてくれるのだということが、この空間に視覚化されていく。それを体感するにつけ、人って素敵だな、エンターティメントって素晴らしいなとのシンプルな感動が立ち上ってくる。

それはどう考えても、あまりにも一人ひとりへの負荷が多い舞台を、「楽しく、大変に」を常に掲げて導き続けてきた玉野和紀が、人の生み出すエンターティメントにしかできないことがあるという信念を貫き、ある意味愚直に進んできた道のりの賜物に他ならない。「子供のような人」と称されることの多い玉野の純粋さ故のエネルギーが、この20年という年月舞台を支え続けてきたのだ。

その信念に共感して歩を進める吉野圭吾の、近年「怪演」とも呼びたい演技が花開いている個性。あくまでもシャープにカッコよい一方で、関西人の魂も炸裂する東山義久。玉野の片腕であり『CLUB SEVEN』のもう一人の顔である西村直人。場面によって同じ人とは思えない様々な顔を見せてくれる原田優一。切れまくるダンスと同時に大真面目に演じるコントも効いている町田慎吾。東山率いる「DIAMOND DOGS」での構成・演出をはじめ、振付家としても活躍する中塚皓平の明るさとダンス力。

そしてこの日の女性キャスト、元宝塚星組トップスター香寿たつきの実力に裏打ちされた七変化。元宙組トップ娘役の実咲凜音の「あーこの人も関西人だった!」と、つくづく感じた喝采ものの振り切れ具合と、誰もが舞台に欠かせないメンバーとして躍動。ここにしかない一期一会の舞台を輝かせていた。

20周年と言葉にするのはたやすい。けれどもひたすらエンターティメントを信じる思いひとつで、20年舞台を作り続けるのは誰にでもできることではない。玉野をはじめ関わる人々の思いが詰まったこの奇跡の舞台の節目を祝すと共に、『CLUB SEVEN』がこれからも続いていってくれますようにと願わずにはいられなかった。何年と続いてきた世の中の重い空気を振り払ってくれるこの舞台を是非多くの人に体感して欲しい。

初日を前に脚本・構成・演出・振付の玉野和紀からコメントが届いた。

【コメント】

「CLUB SEVEN 20th Anniversary開幕に向けて」

CLUB SEVENは2003年から始まり今年で20周年を迎えました。
CLUB SEVENは歌・ダンス・コント・ミュージカル、そして50音順ヒットメドレーまである、エンターティメント満載の作品です。
今回のこの公演はここまで一緒に歩んでくれたお客様への感謝の公演です。
出演者一同、全力で挑みます!我々出演者も、お客様と共に楽しみながら限界に挑みます。出演者は出演ではなく出場、そしてお客様は観劇ではなく観戦。
そんなCLUB SEVEN20周年記念公演がいよいよ開幕します!どうぞお楽しみに!

CLUB SEVEN部長 玉野和紀

【公演情報】

『CLUB SEVEN 20th Anniversary』
●2/8~28◎シアタークリエ
脚本・構成・演出・振付・出演:玉野和紀
出演:吉野圭吾 東山義久 西村直人 原田優一 中河内雅貴 町田慎吾 上口耕平
中塚皓平 大山真志 香寿たつき 北翔海莉 彩吹真央 愛加あゆ 実咲凜音 音波みのり
(※公演回によってキャストが異なります。詳細は公演ホームページでご確認下さい)
〈料金〉11.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
〈公式ホームページ〉https://www.tohostage.com/club_seven/index.html

《全国ツアー》
●3/7◎静岡 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
●3/11~12◎大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●3/17◎凱旋特別公演 埼玉 ウェスタ川越 大ホール
※全キャストが出演する1日限りの特別公演。

●3/21◎帝国ホテル 東京
「CLUB SEVEN 20th ANNIVERSARY PARTY」
2023年3月21日(火・祝)
ショー 1stステージ  15:30より
2ndステージ  19:00より
お食事 17:20より
帝国ホテル伝統のフランス料理と共に楽しめる、20年分のトーク&ソングスショー。

 

【取材・文・橘涼香】

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