お芝居観るならまずはココ!雑誌『えんぶ』の情報サイト。

ビートルズの創成期を描く舞台『BACKBEAT』東京公演開幕! 

ロックバンド・ビートルズの創成期を描く舞台『BACKBEAT』、4月のプレビュー公演から兵庫・熊本・大阪公演と4都市を熱狂の渦に巻き込み、いよいよラストの東京公演が本日から開幕する。

本作は、20 世紀を代表するロックバンド・ビートルズの創成期を描いた1994 年公開の伝記映画『BACKBEAT(バックビート)』を、イアン・ソフトリー監督自ら舞台化した。
今回の公演は、翻訳・演出は、2019年の日本初演に続き石丸さち子が務め、音楽監督も日本初演時と同じく森大輔が手掛けている。

 

結成当初、ビートルズは5 人編成だった。当時のベーシストであり、画家としての才能も発揮しながら、しかしビートルズのメジャーデビューを待たずして袂を分かつことになるスチュアート・サトクリフと、彼の芸術的センスに惚れ込み、敬愛していた学生時代からの親友ジョン・レノン。そして、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベストのメンバーが“ビートルズ”を結成し、若者らしい爆発的なエネルギーでハンブルクへ巡業していた時代を描き出す。

《STORY》
1960 年、イギリス・リヴァプール。絵の才能を持つスチュアート・サトクリフ(戸塚祥太)は、同じ学校に通う親友ジョン・レノン(加藤和樹)に誘われ、ロックバンドにベーシストとして加入する。スチュアート、ジョン、ジョージ・ハリスン(辰巳雄大)、ポール・マッカートニー(JUON)、ピート・ベスト(上口耕平)ら5 人の“ビートルズ”は、巡業で訪れたドイツ・ハンブルクの地で頭角を現してゆく。とある夜、スチュアートは彼らライブに来ていた女性写真家のアストリッド・キルヒヘル(愛加あゆ)と運命的な出会いをし、二人は恋に落ちる。スチュアートはアストリッドとの出会いをきっかけに再び絵を描き始め画家の道を志すが、ビートルズは魅力的なナンバーを次々に打ち出し、評判は日に日に高まってゆく──。

実際にビートルズのメンバーに起こった史実があまりにドラマチックで、あらゆる面で伝説のバンドだったのだ、と改めて感嘆を禁じ得ない。さらに、本作の大きな見どころの一つは、何と言っても20を超える楽曲の生演奏。初期ビートルズの粗削りながら勢いのある演奏、あり余るエネルギーを正面からぶつけてたぎるような、ほとばしる生演奏のサウンドにも注目。

《オフィシャルレポート》
舞台は、戸塚演じるスチュアートが生き生きと絵を描くシーンから始まる。その表情が、動きが、情熱が、スチュは芸術家なのだと一瞬でわからせる。芸術家スチュは、親友ジョンに誘われ、ジョージ、ポール、ピートと共に、全員10代で「ビートルズ」となる。
印象的だったのははじまりのシーンだ。ジョンはスチュにベースを持たせ、弾き方を教え、スチュがたどたどしく鳴らす音に歌をあわせてみせる。さっきまでスチュは絵筆を持っていて、ベースを弾いたこともなかった。そこでジョンが生み出した音楽は、スチュだけでなく客席をも巻き込んだ。音楽というもの、そしてジョンという人から滲み出るカリスマ性を、加藤がとても魅力的に表現している。


ビートルズの末っ子ジョージはギターが好きで人懐っこい人だったそうだが、辰巳のジョージはまさにそれ。そして目をこすりたくなるほど10代である。ミュージシャンでもあるJUONの芝居はポールへのリスペクトが垣間見え、それが不思議とポールの才能を予感させるものにもなっている。上口演じるピートは後半まで心情が見えてこない人物だが、その心の内が見えたとき、「感じていたのはこれか」と納得する芝居を丁寧に積み重ねる。


愛加が演じるのはスチュと恋に落ちるアストリッド。写真家でもある彼女の凛とした姿勢がスチュにどれほど影響を与えたか一目で理解させるオーラが放たれる。エルヴィス役の尾藤は1966 年のビートルズ初来日公演の際に前座を務め、彼らの生の演奏を体感した歌手でもある。その尾藤の、歌唱はもちろん存在そのものがこの物語にとって大きなものだ。


ジョンから放たれる風は周囲の人をどんどん巻き込んでいく。だがスチュだけは、そこから飛び出すのだ。それは決別のように思えるが、そうではないことが戸塚や加藤の芝居を観ているとまっすぐに届く。5人の、どんな状況でもどんな状態でも、ライブシーンになると途端に輝きだす姿は感動的だ。この5人の光景を忘れてビートルズを聴くことはもうできないなと感じる舞台であった。

【公演情報】
『BACKBEAT』(バックビート)
作:イアン・ソフトリー 、スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出:石丸さち子
音楽監督 :森 大輔
出演:戸塚祥太(A.B.C-Z)  加藤和樹
辰巳雄大 (ふぉ~ゆ~)  JUON(FUZZY CONTROL)  上口耕平
愛加あゆ
鍛治直人 東山光明 西川大貴  加藤 将 工藤広夢
尾藤イサオ
●2023/4/23◎プレビュー公演 公演終了
●2023/4/28~5/3◎兵庫公演 公演終了
●2023/5/6~7◎熊本公演 公演終了
●2023/5/20・21◎大阪公演 公演終了
●2023/5/24~31◎東京公演 東京建物 Brillia HALL
〈料金〉S席10,500円 A席7,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999(平日 10:00~12:00/13:00~15:00)
〈公式サイト〉 https://www.backbeat-stage.com
〈公式Twitter〉@BackbeatStage

 

【撮影/岡千里】

記事を検索

観劇予報の最新記事

草彅剛・主演のシス・カンパニー公演『シラの恋文』ビジュアル公開!
数学ミステリーミュージカル『浜村渚の計算ノート』開幕!
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』井上芳雄最終日の写真到着&再演発表!
 「池袋演劇祭」まもなく開幕!
加藤拓也の最新作『いつぞやは』開幕!

旧ブログを見る

INFORMATION演劇キック概要

LINKえんぶの運営サイト

LINK公演情報