舞台『サザエさん』で10年後のカツオを演じる! 荒牧慶彦インタビュー
誰もが知っている国民的アニメ『サザエさん』が舞台になって登場!
その磯野家のトラブルメーカー・カツオ役は、若手人気俳優の荒牧慶彦が扮する。真面目で礼儀正しい荒牧とヤンチャ坊主のカツオ。一見正反対と思いきや意外に共通点もあるようで…。
そんな少年時代の思い出から明治座への想いまで、荒牧の意気込みをギュッと凝縮。舞台『サザエさん』で、大人になったカツオをどう演じるのか、荒牧の新境地を聞いた「えんぶ8月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。
『サザエさん』は僕にとって「ずっとそこにあった」存在
──キャスティングを聞いて、荒牧さんがカツオ役ということにビックリしました。
僕もまさか自分がカツオを演じる日が来るとは思っていませんでした。アニメの『サザエさん』は僕が生まれる前からやっている番組ですし、「ずっとそこにあった」存在。御飯時になると『サザエさん』を観ているのが当たり前で。じゃんけんも毎回必ずやっていました(笑)。
──荒牧さんの中にもカツオ的な要素はありますか?
昔は僕も結構ワンパクでイタズラ好きだったので、そこは結構似ているところなのかなと。
──「ばかもーん」と怒られたり?
テストの点数が目標よりも悪かったりしたら怒られていましたね。
──もしやカツオみたいに0点を取ったことも?
いや、0点はないです(笑)。たぶん0点だったら家から追い出されていたと思います(笑)。
──しかも今回の舞台は、私たちのよく知る磯野家の10年後の物語だそうですね。
カツオも大学生になって、就職のこととかいろいろ悩む時期。将来について悩む気持ちは僕もよくわかりますし、そこをどう演じていくかですよね。有名なキャラクターではあるんですけど、10年経ったら色々な影響を受けて全然別人格になっていることも十分あり得ます。そのギャップも含めてどう演じるかは、僕が独自につくり上げていけるところなのかなという気がします。
この中に自分の名前があるのが不思議です!
──周りのキャストの方々も豪華です。
僕が小さいときから活躍されている方々ばかりで、(藤原)紀香さんは、僕が子どもだった頃、大人の人はみんな紀香さんが大好きという印象があります。松平(健)さんと言えば、やっぱり「マツケンサンバ」ですね(笑)。もちろん僕も踊っていましたし、カラオケで歌ってました! 高橋(惠子)さんも葛山(信吾)さんも舞台やドラマで拝見していたので、みなさんの中に自分の名前が並んでいることが不思議なぐらいです。
──明治座という劇場も、舞台『刀剣乱舞』以来ですね。
今回はなんと幟(のぼり)を作っていただけるんです。俳優としては一度は憧れるものなので嬉しいですし、ファンの方々にも喜んでいただけるのではないかと思います。
──絶対写真を撮りたくなるでしょうね。
僕も撮りたいです! でもファンの皆さんの前では撮れないので(笑)、マネージャーさんにお願いしようかと。
──では最後に、『サザエさん』は家族のお話ですが、荒牧さんにとっての「家族」とはどんな存在ですか?
改めて考えることもないぐらい、一緒にいるのが当たり前の存在ですね。自分が一番素をさらけ出せる場所だし、家族は一番の理解者であり協力者だと思っています。今、話しながら思い出したんですけど、家族の前で自分の一人称を変えるタイミングがわからなかった思い出があるんです。僕は今も母の前では自分のことを「僕」って言っていて。そもそも母の呼び名も小学生の頃までは「ママ」だったのを、中学のときに母に断って「お母さん」に変えたんです。そのとき「俺って言うよ」と言ったら、「俺はダメ!」とNGが出ました(笑)。以来、ずっと今でも家族の前では「僕」のままなんです(笑)。
あらまきよしひこ○東京都出身。2012年、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの比嘉中・甲斐裕次郎役で初舞台を踏む。主な出演作に、舞台『刀剣乱舞』シリーズ(山姥切国広役)、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズ(朔間凛月役)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(月岡紬役)など。
【公演情報】
舞台『サザエさん』
原作◇長谷川町子
脚本・演出◇田村孝裕
出演◇藤原紀香 葛山信吾/荒牧慶彦 秋元真夏(乃木坂46)/齊藤京子 (日向坂46)<Wキャスト> 大平峻也 酒井敏也/高橋惠子 松平 健
9/3~17◎明治座
〈料金〉S席(1・2階席)12,500円 A席(3階席)6,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
https://www.meijiza.co.jp/info/2019/0903/
【取材・文/横川良明 撮影/岩田えり】
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