向井理×赤堀雅秋の初タッグで赤堀流ネオヒューマンドラマ『美しく青く』上演!
Bunkamuraシアターコクーンにて本年7月、主演に向井理、作・演出を赤堀雅秋で、シアターコクーン・オンレパートリー2019『美しく青く』を上演する。
本作を手がけるのは、劇作家・演出家としてだけでなく映画監督、俳優と多彩な顔を持つ赤堀雅秋。シアターコクーンでの赤堀雅秋作・演出作品は今回で4作目となる。初登場の『殺風景』(14年)では、実際の凄惨な殺人事件を描き、家族と土地の歴史と因縁をじりじりと炙り出してみせた。続く『大逆走』(15年)では一転、オフビートな笑いを提供。ダメな男たちと不思議な女たちの一夜を描き、新境地を開拓。『世界』(17年)では、過激な要素を持つこれまでの赤堀作品と一線を画し、市井の人々の日常を切なくもコミカルに描き、心にぽっと火が灯るようなラストシーンで観客の心を掴み大きな話題を呼んだ。そして2年ぶりの待望の書き下ろし新作『美しく青く』が、シアターコクーン30周年記念公演として登場する。
満を持して書き下ろされる今作では、仮設住宅を舞台に繰り広げられる様々な人間模様が描かれる。どこにでもいる青年の愚鈍で実直に生きる姿を中心に、市井の人々の日常をスケッチし、その中にある絶望、そして希望を浮き彫りにしていく。
主演を務めるのは、数々のドラマや映画、舞台に出演し、近年ではドラマ『リーガルV』『わたし、定時で帰ります。』(2019年4月より放送予定)、舞台は劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season風など多くの話題作に出演している向井理。本作で赤堀雅秋とは初タッグとなる。
また、赤堀作品では映画『葛城事件』に出演し新境地を切り開いた田中麗奈が、舞台『髑髏城の七人』以来2度目の共演となる向井の恋人役を演じる。
さらに、ひょうひょうとした存在感でシアターコクーンでの赤堀作品には欠かせない存在となったナイロン100℃の大倉孝二。
多彩な役柄を軽々と演じ分けた昨年の『プルートゥ PLUTO』『ハングマン』も記憶に新しい大東駿介。
AKB48グループの総監督を務め舞台にも意欲をみせる横山由依。
華やかさを保ち続ける実力派として様々な映像・舞台に精力的に出演している銀粉蝶。
2015年の『大逆走』では一癖も二癖もある女優役を演じ、近年では硬軟こなせる無二の俳優として演出家からの信頼も厚い秋山菜津子。
舞台、映像ともに数多くの作品に参加し円熟味を増している平田満。
さらに駒木根隆介、森 優作、福田転球と個性豊かなキャストが集結。赤堀雅秋自身も出演が決定している。
一度は日常を失いながらも懸命に新たな日常を生きつづけていく人々に、一縷の光明を投げかける赤堀のネオヒューマンドラマとなる。
【ストーリー】
(※現時点でのストーリー及び役名となるので、変更になる可能性があります)
原発の町。 震災で両親と弟を失った立花哲也(向井理)は、盛んになってきている原発再稼働反対運動をわき目に、悲しみを 押し殺し、日々生活のために原発で働いていた。浅い知識でサッカーを語ったり、大して面白くもない テレビドラマを心待ちにしながら、元ヤクザだという同僚の西健二郎(大東駿介)と、なんとはない日常を過ごしている。 ある日、哲也はなけなしの金で行った風俗の風俗嬢の杉田美咲(田中麗奈)と出会い、恋に落ちる。美咲は哲也の暮らす仮設住宅に転がり込み、風俗を辞め工場で地道に働くようになった。町にごまんといるような凡庸な二人は、それでも懸命に、生活し、懸命に愛し合う。
二人の家の隣には無職の若林春樹(赤堀雅秋)とその妻・若林聖子(秋山菜津子)が暮らしている。聖子からは、ことあるごとに難癖をつけられ、その度に哲也は平身低頭で謝り続ける。役人の土井秀樹(大倉孝二)が仲裁に入るが、関係はさらにこじれていくのであった。向かいに住む鈴木博(平田満)という老人は、煮物の余りをおすそ分けしてくれるなど、何かと哲也と美咲に優しく接してくれていたが、都会に住んでいる息子からの同居の誘いには、頑なに拒否を続けていた。都会からボランティアへやって来た若者、山田隆(森 優作)と田辺真紀(横山由依)は自治会長の望月行雄(福田転球)の指示のもと必死に活動し、仮設住宅の住人ともコミュニケーションを取ろうとするが、行動や理念は立派だがどこかチープさが透けて見えている。
やがて哲也は美咲との結婚を望むが、彼女は拒み続ける。哲也は強引に美咲の母・杉田正美(銀粉蝶)に会いに行くが、美咲は幼いころから母を嫌っており、さらには、美咲の兄・杉田治(駒木根隆介)は原発反対の運動に参加しているため、原発で働く哲也を認める訳にはいかないのであった。 しかし、鈴木老人の提案で半ば強行ではあるが、哲也と美咲の結婚式を仮設住宅の広場で挙げることになり・・・。
【向井理コメント】
──最初にオファーが来た時の率直な感想をお聞かせ下さい。
今まで個人的に赤堀さんの演出する舞台は何度も拝見していました。 一見どこにでもいるような人々や、その生活を生々しく描くことで、自分とは何かを見つめるような世界に、いつしか自分も染まってみたいと思っていたので、オファーを頂いて嬉しい反面、その世界を創らなければいけない責任も感じます。
──今回、赤堀雅秋さんとは初タッグとなりますが、赤堀さんはどのような印象ですか。
舞台の上では大胆不敵、物語を揺さぶる存在ですが、実際の赤堀さんは作品同様、繊細で緻密な印象です。
──本作への意気込みをお願い致します。
念願の赤堀ワールド初参加です。今回もとある市井の人々を描いてはいますが、「生きる」ということの面倒くささや、汚い部分、きれいごとだけではない人間性も表現されると思います。しかし、それは避けては通れない。それを目の当たりにした人にしか見られない何かを見つけてもらえる作品にしたいと思います。
【作・演出 赤堀雅秋コメント】
──今回でシアターコクーンとのタッグは4度目となりますが、現時点での構想をお聞かせください。
特に新たな試みをしようとは思っていません。凡庸な庶民の生活を凡庸にスケッチする。 ただ今まではどちらかというと近視眼的に描いてきたスケッチを、今回は『美しく青く』と自分らしくないタイトルをつけたように、もう少し俯瞰で描けたらなと。より冷徹な目線で『現実』というものを浮き彫りに出来たらなと思います。 それが希望の物語となるか、破綻の物語になるか、正直今のところはわかりません。 諸行無常の儚さ、忘れ去られる恐ろしさ、その地続きにいる我々、空や海はいつでも美しく青く、そういう現実を描きたいです。
──今回、向井理さんとは初タッグとなりますが、向井さんはどのような印象ですか。
実直な方なのだろうなという印象。色々な思いはマグマのように内に秘めていたとしても、それを漏らさず、呑み込みながら遂行するイメージ。きちんと地に足つけて生きているイメージ。
──本作への意気込み及びPRコメントをお願い致します。
シアターコクーンでまたチマチマした演劇をやります。チマチマした演劇をシアターコクーンでやることに意義を感じます。それが僕の仕事です。という意思表明です。 『美しく青く』それは畏怖の念でもあり、祈りでもあります。
【公演情報】
Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019 『美しく青く』
作・演出◇赤堀雅秋
出演◇向井理、田中麗奈、大倉孝二、大東駿介、横山由依、駒木根隆介、森 優作、福田転球、赤堀雅秋、銀粉蝶、秋山菜津子、平田満
●7/11~28◎東京 Bunkamuraシアターコクーン
●8/1~3◎大阪 森ノ宮ピロティホール
〈料金〉S席10,000円 A席8,000円 コクーンシート5,000円(全席指定・税込)
U25(25歳以下当日引換券)3,500円
〈チケット一斉発売〉2019年5月19日(日)
〈お問い合わせ〉Bunkamura チケットセンター 03-3477-9999(10:00〜17:30)
Tweet