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宮原浩暢、古屋敬多、涼風真世らの出演、手塚治虫作品のオリジナルミュージカル『アラバスター』開幕!

美しく繊細な世界観に定評のある演出家・荻田浩一が長年温めてきた、知る人ぞ知る手塚治虫の同名原作をベースに、個性豊かなキャストと共におくるオリジナルミュージカル『アラバスター』が6月25日に、東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。東京公演は7月3日まで、大阪は7月10日に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。

開幕にあたって、出演者のコメントと舞台写真が届いた。

本作は、美しく繊細な世界観に定評のある演出家・荻田浩一が長年温めてきた、知る人ぞ知る手塚治虫原作の「アラバスター」をベースに生むオリジナルミュージカル作品。主演を、LE VELVETSの宮原浩暢が務めるほか、古屋敬多、矢田悠祐、AKANE LIV、馬場良馬らが脇を固める。そして、ヒロインの亜美役を涼風真世が務める。

 

《あらすじ》
とある時代の日本。人や動物が透明あるいは半透明にされる奇妙かつ無差別なテロルが蔓延っている。正体不明の、まさに見えない敵であるテロリストは、ただ自ら名乗りを上げて大胆に犯行声明をぶちまける。その名はアラバスター。黒衣の下に半透明の身体を隠す男。アラバスターの仲間には眼球以外は透明な肉体を持つ少女・亜美がいる。
謎めいた存在のアラバスターと亜美を中心に、愛憎に翻弄され、運命の渦に巻き込まれていくのは、亜美に思いを寄せる少年ゲン、亜美の養い親である元検事の小沢ひろみと力仁(通称カニ平)の親子、そしてアラバスターを追う冷酷無慈悲な捜査官ロック
まだ偏見と差別に満ちた世界に、「異形」に生まれたが故の懊悩が価値観や美意識に対する反逆となり、やがては苛烈な攻撃へと転じ、狂気に蝕まれた悲劇へと暴走していく。──アラバスターの哀感に溢れた挽歌が、いま慟哭のように深く鳴り響く・・・

原作は、1970年から1971年にかけて「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に連載された作品で、美しいものを妬む、人間の深い心の闇を鋭く描いたSF犯罪サスペンス。荻田は、人間の奥底に潜む”復讐・憎悪の心”と”歪んだ愛”を主題とし、欲望が渦巻く世界で翻弄される人々の運命を描くミュージカルに仕上げた。

手塚は「手塚治虫漫画全集」のあとがきで「江戸川乱歩の『一寸法師』とか、『陰獣』などのようなグロテスクで淫靡なロマンを描こうと思って始めた」と記したというが、その原作の世界観がキャストたちの熱演とプロジェクションマッピングを使って見事に表現され、本作でも全編にわたって陰鬱な空気が広がる。

その世界観を際立たせるのに大きな貢献を果たしたのが奥村健介による音楽だ。どこか物悲しく、そして力強く、いつまで経っても耳に残る。アラバスターを演じた宮原を始めとしたキャストたちの想いのこもった歌声も圧巻で、それぞれの苦悩が胸に迫った。

また、透明な亜美を、光と声、そして影を表すダンサーで表現した演出は必見だ。誰にも見えない、もちろん舞台上にも登場しない亜美の魂がそこに現出するかのような感覚に襲われる。

それを可能にしたのは、やはり涼風による亜美の声があってこそ。特に前半は、まっすぐで純粋さを感じさせる亜美の声がそのキャラクターを形作っていた。

「美しさ」とは何かを考えさせられる、深い余韻を残す作品だった。

 

 

【コメント】
アラバスター役:宮原浩暢
自身初めてのタイトルロールということで、涙が出るほど嬉しいです。演出の荻田さん、スタッフ関係者の皆さん、力強い演技で盛り立ててくれているキャストのみんな、いらしてくださっているお客さま、本当にありがとうございます。こんなに幸せでいいのかと思いながら悪いやつを演じています。作品としては、ヒロインが透明人間、そしてアラバスターが半透明という非現実的な作品ですが、それぞれが熱く演じて生命力溢れる作品になっています。何が美しくて、何が醜いかを求め続けていきたいと思っています。2度、3度味わっていただけたら「アラバスター」の沼にハマっていくと思います。

ゲン役:古屋敬多
『アラバスター』という作品に出会えて幸せです。そして、この素晴らしいキャストに出会えて幸せです。荻田先生の素晴らしい人柄と、お仕事に触れてとても幸せです。憎しみがいっぱいの作品ではありますが、裏で愛情いっぱいで包んでくださったスタッフの方に出会えて幸せです。ハピネス!

ロック役:矢田悠祐
ロックを見て、「なんやこいつ」と思われたと思いますが、矢田悠祐自体はそういうやつではないですから。これは役でやっています(笑)。ロックという役は嫌われてなんぼだと思うので、「人をイラだたせる100の方法」を考えながらロックを作ったので、思う存分嫌っていただいて、でも、矢田悠祐は応援していただけると嬉しいです。千秋楽まで思う存分、自分がされて嫌なことをしていきたいと思います。

小沢力仁役:馬場良馬
僕が演じるお兄ちゃんは、原作では「カニ平」という役ですが、今回の荻田先生の世界観で「カニ平です」というと世界観を崩してしまうと思ったので、今回、新しい名前をいただいて、よかったなと思っています。大阪公演まで力仁として精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

小沢ひろみ役:AKANE LIV
音楽も物語も聴けば聴くほど、観れば観るほど病みつきになると思いますので、2度、3度、4度、5度とお越しいただければと思います。

老人・老刑事役:治田敦
ついこの間までは若者と若い刑事をやっていたのに、知らないうちにこの中でも最年長となってしまいました。歳をとるというのはそんなに悪いことでもなくて、やたらみんな、親切にしてくれます。馬場ちゃんなんか、「はるパパ、そろそろ出番です」ってそれはそれは慈愛に満ちた目で僕を連れていってくれるんです。それは、ジャン・バルジャンのような、マザー・テレサのような美しい目です。これからも皆さんにご迷惑をおかけしないように逞しく生きていきたいと思います。応援よろしくお願いします。

刑事・神父・弁護士・警備員役:田村雄一
私は、荻田さんと初めてご一緒したのは10年以上前の「蜘蛛女のキス」だったのですが、この劇場でした。その後に荻田さん「Chess the musical」という作品をやりましたが、それもここだったんです。今回もまたこの場所です。荻田さんと僕と東京芸術劇場は何か因縁があるのかと思いますが、この劇場がある限りは、僕と荻田さんは一緒に仕事ができるなと、非常に楽しくやらせていただきました。「Chess the musical」の当時は、スリムでした。8年でこんなにも恰幅良くなるのかと痛切に感じております。ある方にも「痩せろ」と言われておりますので、頑張ってこの公演で痩せていきたいと思います。

八橋令子・亜美の母・モデル・ウェイトレス役:遠藤瑠美子
お話の内容は、いわゆるファンタジーなので、実感するのに苦労はしましたが、みんな本当に優しい人ばかりで、和気あいあいと、ぶつけ合いながら、ジェットコースターのような稽古の日々を駆け抜けてまいりました。最後まで届けられるように健康に注意しながらやっていきたいと思います。まだまだ東京公演もございますので、1度と言わず、2度、3度、お待ちしております。

亜美の影役:穴沢裕介
こうした、人外の役をずっとやりたかったので、こうした機会をくださった皆さまに感謝しながら務めていきたいと思います。大好きな皆さんと大阪大千穐楽まで駆け抜けてまいりますので、最後までご観劇よろしくお願いいたします。

男・ウェイター役:岩橋大
初日を無事に迎えられたことにホッとしております。このまま大阪大千穐楽まで誰一人欠けることなく突っ走っていけたらいいなと思います。まだ始まったばかりですので、これからさらに深めていけるように精進してまいります。

【公演情報】
ミュージカル『アラバスター』
原作:手塚治虫
脚本・演出:荻田浩一
音楽:奥村健介
企画協力: 手塚プロダクション
出演:
宮原浩暢(LE VELVETS)/古屋敬多(Lead) 馬場良馬/
治田 敦 田村雄一 遠藤瑠美子 穴沢裕介 岩橋 大/
矢田悠祐 AKANE LIV/
涼風真世
●6/25~7/3◎東京芸術劇場プレイハウス
●7/10◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉S席11,000円 A席7,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈公式サイト〉https://www.musical-alabaster.com/
〈公式Twitter〉@mu_alabaster
※手塚治虫と手塚プロダクションの「塚」の字は、正しくは「ヽ」がつく旧字表記。

 

©ミュージカル『アラバスター』製作委員会/岩田えり

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