ala Collectionシリーズ『百日紅、午後四時』10月に上演!
可児市文化創造センターの「ala Collection」シリーズ13回目は、舞台『百日紅、午後四時』を上演する。その記者会見が9月9日に可児市文化創造センターalaにて行われ、作・演出の鈴木聡と主演の市毛良枝のコメントが届いた。
本作は、可児市文化創造センターala開館20周年を記念して、「ala Collection」シリーズシリーズ初の新作書下ろし上演。大人が楽しめる芝居作りで幅広い層に支持されているラッパ屋との企画協力のもと、喜劇作家として人気を博する鈴木聡が作・演出を務める。
物語は、コロナ禍以前の、濃密な人間同士のコミュニケーションを愛おしく、笑いたっぷりに描きながら、「人生百年をどう生きる」を問いかける、骨太な大人のホームドラとなっている。
主演には、日本の代表的な女優のひとりである市毛良枝を迎え、福本伸一、岩橋道子、弘中麻紀といったラッパ屋お馴染みの面々と陰山泰、朝倉伸二、瓜生和成、平体まひろといった実力派が脇を固める。
《あらすじ》
2019年、夏。東京郊外。庭に百日紅の花が咲く今村家に、五人の人々が招集された。招集したのは、この家の主・一美。されたのは一美の弟の晃司、妹夫妻の美代子と康道、もう一人の妹の頼子、そして息子の広志である。買い物から帰ってきた一美はなにやらはしゃいだ様子で五人をもてなす料理に取り掛かる。
そこへ一美の友人だと名乗る見知らぬ男・多田が登場。登山が趣味らしく一美とも高尾山で知り合ったらしい。どこか浮世離れした多田の話は面白く、五人は好意を持つ。だが一美が多田との結婚を考えている、人生百年を考えての結論なのだ、と宣言すると、五人は顔を曇らせた。
「66で再婚なんて変だ」「ご主人の三回忌が済んだばかりなのに」「この人をお父さんと呼ぶの?」・・さまざまな理由をつけて反対する。(亡夫の事故死で一美が受け取った金を五人はそれぞれ当てにしていた、という生々しい事情もある)。
祝福される当てがはずれた一美は逆切れ、多田はひたすら困惑する。と、さらにもう一人の訪問者があった。恵里佳と名乗り、亡夫の位牌に線香を上げさせてくれと。見知らぬ女だ。位牌の前で号泣した。もしや亡夫の愛人だった・・?
66歳の一美が人生百年を前向きに生きるため、新たな一歩を踏み出す、ひと夏の物語。夏から秋への移ろいの中で、人々の心の移ろいと決意を、可笑しく、愛おしく、繊細に描き出す作品だ。
鈴木聡(作・演出)
人生100年時代、100歳まで生きられるのはいいじゃないかと、僕自身ポジティブにとらえていましたが、人生戸惑っている人が多い。経済、お金、健康、長い時間をどうやって生きていったらいいかわからないという生き方への戸惑い。まさに僕自身の問題でもあります。このお話は、人生100年の生き方を探る66歳の女性を主人公にしたひと夏の物語。昭和の雰囲気が漂うような東京の中央線のお庭に百日紅がある一軒家が舞台です。コロナ禍前のマスク無しでビールやお酒を飲んでワイワイしていた頃を思い出していただけたりすると思います。この数年でちょっと見失いかけている濃密な人間関係、人と人とのふれあい、目の前の人を気遣う気持ち、そういうものを感じていただけるようなホームドラマを作りたいと思っています。これを観てご自分の人生を考えていただけたらと思います。
市毛良枝
私は今回の出演者の中で一番年上ですが、舞台は初心者です。
前館長の衛紀生さんは、私にとってとても縁の濃い方で、そんな衛さんから、あまり舞台をやって来なかった私にお声をかけていただきました。舞台をやるならここかなと、迷いに迷い半歩踏み出した時に、鈴木聡さんを紹介されてお会いしたところ、私のデビュー作の演出家で私を生み出してくれた方の息子さんだとわかり、この仕事をお断りする選択肢は無くなったなと思いました。
今回の作品は、とてもハートフルですが、中に小さな毒があって、ちょっとした社会的な問題やその人の心の問題、そういうものをさりげなくチクっとさせる。単なる庶民生活を描く作品ではないところが素敵だなと思います。
【公演情報】
ala Collection シリーズvol.13
『百日紅(さるすべり)、午後四時』
作・演出:鈴木聡
音楽:佐山こうた
出演:市毛良枝、陰山泰、福本伸一、朝倉伸二、瓜生和成、弘中麻紀、岩橋道子、平体まひろ
●9/26~10/2◎可児公演 可児市文化創造センターala
〈公式サイト〉https://www.kpac.or.jp/collection13/
●10/20~27◎東京公演 吉祥寺シアター
●10/8◎大府公演 おおぶ文化交流の杜allobu・こもれびホール
●10/9◎豊田公演 豊田市民文化会館・小ホール
●10/16◎⾧岡公演 ⾧岡リリックホール・シアター
●10/29・30◎能登公演 能登演劇堂