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野田秀樹演出・東京演劇道場生等の出演で『赤鬼』上演!

東京芸術劇場では演劇の自主事業再開第一作として、芸術監督野田秀樹の作・演出による『赤鬼』を上演する。出演するのは、野田が演劇人の発掘・育成を目指して募集し、ワークショップなどで修業に励む「東京演劇道場」の道場生等で、複数の組を編成して上演する。

本作は、ある漁村に “赤鬼”が漂着し、閉じられた社会が異物の存在に揺り動かされる様子を描く、野田の小空間での代表作の1つ。昔話のような語り口で描かれる物語があぶりだすのは、“他者への想像力の欠如と不寛容”“移民や異なる人種への差別” “未知なる存在といかに共存するか”…コロナ禍に直面する現代社会と、この物語がまさに符合する。

いま世界では、三密の排除や社会的距離の確保が叫ばれ、コミュニケーションの形が本質的な変容を迫られている。また、Black Lives Matter のムーブメントが示すように、社会の分断とスケープゴートにされる弱者の存在に対して、世界中から声が上がっている。未だ経験したことのない状況にたじろぐ現在の世界の姿が、「赤鬼」にそのままあぶりだされているかのようだ。約4半世紀前に書かれたにも関わらず、“まさに今”を照射する作品であることに、野田戯曲のもつ普遍性と先見性、いつの世も人間が抱える問題に対する鋭い批評性が込められている。

この作品にはまた、“時代”や“世代”という縦軸だけでなく、“地理”や“国境”という横軸のボーダーをも超える普遍性がある。野田は、近年ではパリ国立シャイヨー劇場での大作公演(2018『贋作  桜の森の満開の下』、2015『エッグ』)や、国際キャストによる英語作品『THE BEE』『One Green Bottle』 のワールドツアー(NY、ロンドン、香港、東京、エルサレム、ソウル、シビウ、パリ、ルクセンブルグ、レックリングハウゼン、台北)、海外の劇場との共同制作など、国際的な活動をコンスタントに行っている。その出発点となったのが、この「赤鬼」で、1996 年の日本初演ののち、複数の国で現地の俳優と一緒にワークショップを重ねて上演され、各国の演劇界に影響を与える成果をあげた。この伝説的傑作が、 17 年ぶりに日本で上演されることになる。

【『赤鬼』( Red Demon )】
初演は1996年、 NODA・MAP 番外公演として近鉄アート館で上演。以来、国内にとどまらず、海外でも上演されてきた。1998 年にはタイ人キャスト(世田谷パブリックシアター制作・99年にも再演)で、2003年には英訳されロンドン(ヤング・ヴィック劇場)で、さらに、2005年には韓国にて現地の俳優らと上演された。主な登場人物が4人(あの女、ミズカネ、とんび、赤鬼)であることから「日本・韓国バージョン」は4名の役者、「ロンドンバージョン」は8名で行われたが、「タイバージョン」では総勢 16 人が出演。今回の公演ではタイバージョンをアップデートした「17 人キャスト版」を東京演劇道場生等の4つのチームで連続上演する。

【東京演劇道場】
野田芸術監督や、国内外から野田が招いた講師によるワークショップを主な活動としている。2018年末に参加者の公募が行われ、下は8歳から上は70代後半まで、また沖縄から北海道まで全国の、商業演劇や小劇団で活躍している俳優から演技未経験の人まで約1,700 名の応募があった。書類選考の末、300 名がオーディションに参加。野田のほかにノゾエ征爾、柴幸男、熊林弘高の演出家陣、黒田育世、井手茂太、近藤良平らの振付家陣も立ち合い、60名あまりの演劇を志す人たちが道場生に選出された。
翌2019 年に活動を開始し、ほぼ毎月、ワークショップを行っている。講師は野田をはじめ、オーディションに立ち合った国内のアーティストたち、加えて海外からも、野田と親交が深いサイモン・マクバーニー率いるコンプリシテ出身の、エリック・マレット(俳優)やリロ・バウワー(俳優、演出家)といったアーティストを招いてメソッドを伝授。講師は口々に道場生のポテンシャルの高さを絶賛。「東京演劇道場」は演劇人たちの新たな出会いと創作の場になっている。

【野田秀樹のメッセージ】

【公演情報】
『赤鬼』
●7/24~8/16◎東京芸術劇場 シアターイースト
作・演出:野田秀樹
美術・衣裳:日比野克彦
出演:東京演劇道場生等(50 音順)

A  team: 池田遼 織田圭祐 金子岳憲 木山廉彬 河内大和 佐々木富貴子 末冨真由 扇田拓也 夏子 八条院蔵人 花島令 広澤草 深井順子 藤井咲有里 間瀬奈都美 三嶋健太 森田真和

B  team: 秋山遊楽 池田遼 浦彩恵子 織田圭祐 加治将樹 金子岳憲 佐々木富貴子 末冨真由 扇田拓也 八条院蔵人 花島令 広澤草 深井順子 藤井咲有里 間瀬奈都美 三嶋健太 森準人

C team:石川朝日 石川詩織 上村聡 川原田樹 近藤彩香 白倉裕二 谷村実紀 手代木花野 能島瑞穂 的場祐太 水口早香 モーガン茉愛羅 茂手木桜子 八木光太郎 吉田知生 竜史 六川裕史

D  team:石川朝日 石川詩織 上村聡 北浦愛 近藤彩香 白倉裕二 谷村実紀 手代木花野 能島瑞穂 松本誠 水口早香 茂手木桜子 森田真和 八木光太郎 吉田知生 吉田朋弘 竜史

〈料金〉 整理番号付自由席(税込・未就学児入場不可)   ※当日の入場は整理番号順。
前売:一般5,000円/65歳以上4,500円/25歳以下3,500円/高校生以下1,000円
当日:一般5,500円
※65歳以上・25歳以下・高校生以下チケットは、劇場ボックスオフィスで前売のみ取扱い(枚数限定・要証明書)。
〈チケット発売日〉 一般発売 7月11日(土)10:00~
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス  0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
WEB  https://www.geigeki.jp/t/ ※24時間受付(メンテナンスの時間を除く)
〈公式サイト〉https://www.geigeki.jp/performance/theater240/

 

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