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稲葉賀恵・演出×実力派俳優陣による『ブレイキング・ザ・コード』本日開幕!

コンピューターを発明した実在の男性、アラン・チューリングの孤独と苦悩の真実を描いた舞台『ブレイキング・ザ・コード』が本日4月1日、シアタートラムで幕を開けた。日本では33年ぶりの上演となる。

アラン・チューリングは、1912年ロンドン生まれのイギリスの数学者で、第二次世界大戦中、ナチスの暗号「エニグマ」を解読し、多くの命を救った。近年では、映画『イミテーション・ゲーム』でベネディクト・カンバーバッチが演じて話題となった。

彼はイギリスの英雄であり、そして同性愛者だった。当時のイギリスでは同性愛が犯罪だった。この世界の在りようを大きく変えたはずの彼は、なぜ41歳という若さで悲運な死を遂げなければならなかったのか。
不器用にしか人と関われない彼が、本当に求めていたものは名誉か、愛か、はたまた…。

《あらすじ》
第二次世界大戦後のイギリス。
エニグマと呼ばれる複雑難解なドイツの暗号を解読し、イギリスを勝利へ導いたアラン・チューリング。
しかし、誰も彼のその功績を知らない。
この任務は戦争が終わっても決して口にしてはならなかったのだ。
そしてもう一つ、彼には人に言えない秘密があった。
同性愛が犯罪として扱われる時代、彼は同性愛者だった。
ある日、空き巣被害にあったチューリングの自宅に一人の刑事がやってくる。
あらゆる秘密を抱え、孤独に生きるチューリングが人生の最後に出した答えとは。
実在した彼の生涯を、少年時代、第二次世界大戦中の国立暗号研究所勤務時代、そして戦後と各時代を交錯させながら描いていく。

アラン・チューリング役には、『ガラスの動物園』『タージマハルの衛兵』で狂気と繊細さを表現し、紀伊國屋演劇賞を受賞するなど演劇界になくてはならない存在の亀田佳明。
チューリングと関係を持つロン・ミラー役にはミュージカル、ストレートプレイとジャンル問わず活躍し、どんな役も見事に体現してきた水田航生。チューリングの同僚パット役は、安定感と存在感のある演技で、活躍の場を広げる岡本玲。
チューリングを暗号解読に引き抜いたノックス役に元劇団四季の看板俳優であり、確かな実力の加藤敬二。
チューリングの初恋の相手、クリストファー役には若手俳優として頭角を表す田中亨。
上層階級の官僚ジョン・スミス役は、劇団猫のホテルの看板俳優で、軽妙さと重厚感を併せ持つ中村まこと。
チューリングの母、サラ・チューリングには圧倒的な演技力で観る人を虜にする保坂知寿。
強盗事件の捜査に訪れる刑事ミック・ロス役は、コメディからシリアスまで幅広く見事に演じ分ける堀部圭亮。

わずか70年前、人が人を愛する自由を許されなかった実在の英雄の物語を、気鋭の演出家・稲葉賀恵が、一流のクリエイターたちや実力派のキャストとともに、科学と人間への深い洞察と愛を込めて立ち上げる。

初日に先駆けて、3月31日に公開ゲネプロが行われ、稲葉賀恵と亀田佳明のコメントが届いた。

【コメント】
稲葉賀恵(演出)
この物語は数学理論を真ん中に置いてはおりますが、極めて私たちの近く、隣にいる人間たちのすれ違いやぶつかり、そして愛憎や悲哀を描いています。
約1ヶ月強、8人の尊敬する魅力的な俳優陣と、すぐそこに、近所にいるような親近感と愛くるしさを持った登場人物を作り上げるべく、コツコツ丁寧にお稽古してきました。
そして、信頼すべきスタッフプランナー陣と、チューリングの脳内を舞台上に出現すべく、時に子供のようにきゃっきゃ言いながら趣向を凝らして参りました。
何だかとても奇妙で、でもとても愛すべき世界になった気がいたします。
きっと観ていただけたら、チューリングをはじめとする歴史の中にいる登場人物が、年号から抜け出してすぐそこで手を差し出して話しかけてくるような、そんな感覚を覚えて頂けると思います。

トラムという宇宙のような空間で
天体のように近づいては離れる人間たちの模様を
一緒に浮遊しながら旅してみてください。
劇場でお待ちしております。

亀田佳明(アラン・チューリング 役)
本日はご来場頂きましたお客様に心より感謝を申し上げます。
稲葉賀恵さんの粘り強く丁寧な演出にスタッフキャストも一丸となり明るく闊達な稽古場でした。
劇中アラン・チューリングは常に舞台上にいながら、他の人物の登場によって時空が飛んでいきます。

堀部圭亮さん演じるロスの絶妙にグレーな人間味。
田中亨さん演じるクリスの清廉さとニコスの無邪気さ。
保坂知寿さん演じるサラの失望の先に見せる深い愛情。
水田航生さん演じるロンの秘められた痛みと滲む葛藤。
中村まことさん演じるスミスの特異な難攻不落。
加藤敬二さん演じるノックスの温かさの中にある哀しみ。
岡本玲さん演じるパットの夾雑物のない眼差しで生きようとする意志。(登場順)
次々に登場してくる共演者の方達と稽古を重ねていくうちに、自分は登場人物達の記憶の中の存在であり、その人物たちの記憶により再生されている存在のような不思議を感じました。

「心とは何か」「身体がなくても心は存在するのか」
チューリングは学術でこの問いを追究し続けました。
私にとっても心の問いは向き合い続けるテーマでもあります。
日々お客様と発見を重ねながら千秋楽を迎えたいと思います。
座組一同、心を込めて創った作品です。
1人でも多くの方に観ていただけたらと願っております。

【公演情報】


『ブレイキング・ザ・コード』
作:ヒュー・ホワイトモア
翻訳:小田島創志
演出:稲葉賀恵
音楽:阿部海太郎
出演:亀田佳明 水田航生 岡本 玲 加藤敬二 田中亨 中村まこと 保坂知寿 堀部圭亮
●2023/4/1~23◎シアタートラム
〈料金〉1st:6,500円 2nd:6,900円 3rd:7,300円 U-25[全公演共通]:3,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※公演日によって料金が変わります。内容は全て同じです。
〈公式サイト〉https://www.breakingthecode2023.com/

《アフタートーク情報》
(終演後にアフタートークを行います)
●4月5日(水)13:00公演
出演者:加藤敬二、中村まこと、堀部圭亮、水田航生(MC)
●4月7日(金)13:00公演
出演者:岡本 玲、田中 亨、保坂知寿、水田航生(MC)
●4月12日(水)13:00公演
出演者:成河(ゲスト)、亀田佳明、水田航生(MC)
●4月14日(金)13:00公演
出演者:小川絵梨子(ゲスト)、稲葉賀恵(演出)、亀田佳明、水田航生(MC)

 

【舞台撮影:杉能信介】

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