注目の演劇ユニットiakuの次回公演は好評作品『あたしら葉桜』を上演!
昨年の『ヒトハミナ、ヒトナミノ』の脚本や『あつい胸さわぎ』の作・演出で大きな反響を集め、今もっとも注目の劇作家と評価の高い横山拓也。彼の演劇ユニットiakuの次回公演は、2018年に上演して好評を博した『あたしら葉桜』と岸田國士『葉桜』〈朗読〉の二本立て上演となる。
『あたしら葉桜』は、岸田國士初期の名作『葉桜』をモチーフに、横山拓也が現代的な視点から母娘を描いたもの。口語劇のパイオニアといえる岸田戯曲とiakuの関西弁口語を並べることで、その影響や系譜を確認し、エンタテインメントに昇華する。演出は、iakuで長く横山とコンビを組んできた上田一軒。キャストには第20回(2017年度)関西現代演劇俳優賞・女優賞の林英世と同・奨励賞の松原由希子の関西の実力派の二人が並ぶ。
娘の見合い相手の態度が気に入らない母。娘の気持ちも煮え切らない。母の部屋で、娘の結婚を巡ってとりとめのない会話が繰り広げられる(『葉桜』あらすじ)。
大正時代、岸田國士が妹のお見合いを題材に書いたと言われる戯曲を、現代の恋愛観、結婚観に準えて再構築。”アイネキュッヘンシャーベ”が逃げ込んだ和室で、海外赴任が決まった恋人のことを相談しているうちに、母と娘は自分たちの歴史や未来について思いを馳せる。
【コメント】
横山拓也
iakuは2012年に劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニットです。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表しています。
さて、2020年春のiaku公演は、2018年にこまばアゴラ劇場でのiaku演劇作品集の中の1つとして企画した『あたしら葉桜』と岸田國士『葉桜』〈朗読〉の二本立て上演の再演となります。
現代のテレビドラマなどに見る口語セリフの第一人者とも言われる岸田國士。セリフの書き様に徹底的こだわった岸田國士にシンパシーを持っています。彼の初期作品の数々から、当時に生きる人たちの日常のニオイが嗅げる面白味は、戯曲が時代を越えて存在する意義を感じさせてくれます。私もセリフにこだわった作品づくりを行なっているので、いつか時代を経ても楽しんでもらえるものを書ければ、と思っています。
『葉桜』と『あたしら葉桜』の連続上演は、二つの時代と、二人の作家を並べて見つめる企画です。文豪に肩を並べる気はさらさらありませんし、勝つとか負けるとかでもありませんが、こうやって勝手に真っ向勝負を挑めるのはなかなか楽しいです。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
【公演情報】
iaku『あたしら葉桜』
作:横山拓也
演出:上田一軒
出演:林英世 松原由希子(匿名劇団)
●4/17~26◎三鷹市芸術文化センター 星のホール
〈料金〉一般前売3,000円 当日3,500円/U-25前売2,000円 当日2,500円/高校生以下(前売・当日共)1,000円(全席自由席・日時指定・整理番号付)
〈お問い合わせ〉三鷹市芸術文化センター0422-47-5122(10時~19時)
●5/8~10◎インディペンデントシアター2nd
〈料金〉一般前売3,300円 予約3,500円 当日3,800円/U-25(前売・当日共)2,000円/高校生以下(前売・当日共)500円(全席自由席・日時指定・整理番号付)
〈公式HP〉http://www.iaku.jp/information