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歌舞伎座「二月大歌舞伎」初日開幕!

歌舞伎座 2 月公演「二月大歌舞伎(にがつおおかぶき)」が初日の幕を開けた。「二月大歌舞伎」には片岡仁左衛門、中村梅玉、坂東玉三郎をはじめとする豪華な顔ぶれで、大歌舞伎の醍醐味溢れる狂言が揃っている。また、第三部では、十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言を上演。

歌舞伎座では、引き続き出演者・観客は各部総入れ替え、客席数は 50%を維持して公演を行っている。また、この度の緊急事態宣言の発出に伴う行政よりの協力依頼を受け、当初発表の開演時刻を各部とも繰り上げ、第三部は午後 8 時までに終演している。

第一部の幕開きを飾るのは、義太夫狂言の名作 『 本朝廿四孝( ほんちょうにじゅうしこう)』 。歌舞伎の「三姫」に数えられる八重垣姫は、優美な動きの中に恋する娘の一途な情念が描かれる女方の大役。当月は、中村魁春が17年ぶりに八重垣姫を勤めている。絢爛豪華な錦絵のように、歌舞伎の色彩美あふれる舞台に、客席からは大きな拍手が送られた。

二幕目は、『泥棒と若殿( どろぼうとわかとの)』。人情の機微を描く山本周五郎の原作で、昭和43(1968)年に初演された作品。尾上松緑演じる伝九郎が、坂東巳之助演じる松平成信が幽閉されている廃墟の御殿へ泥棒に入ったことがきっかけとなり、心の交流が生まれていく。強面ながらどこか愛嬌があって情け深い泥棒と、気高くも厭世的な悲運の若殿。立場の異なる二人の絆を描いている。

第二部は、『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』で幕開け。惚れた男のために悪事を働く「悪婆」と呼ばれる役柄の坂東玉三郎演じるお六と、片岡仁左衛門演じる強悪な喜兵衛の夫婦。二人は、河豚にあたった男の死体を利用し、油屋を強請って金を手に入れることを思いつき…。夫婦の風情には凄みが漂い、四世鶴屋南北らしさあふれる作品。仁左衛門と玉三郎が魅せる、悪の魅力をたっぷりと堪能できる。また、灸をすえる場面では手指を消毒する仕草が取り入れられ、丁稚長太役の寺嶋眞秀がハキハキと「これで安心、安全」と言うと、客席は笑いに包まれた。

二幕目の 『神田祭 ( かんだまつり) 』 では、片岡仁左衛門演じる粋な鳶頭と、坂東玉三郎演じる艶やかな芸者が江戸の風情を賑やかに舞い踊る。神田祭の様子を清元の舞踊にした華やかな舞台だ。

第三部は、十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言を、十七世の孫にあたる中村勘九郎・中村七之助兄弟、そして曾孫にあたる中村勘太郎・中村長三郎兄弟の出演により上演。

一幕目は『奥州安達原袖萩祭文 (おうしゅうあだちがはら そではぎさいもん)』。十七世勘三郎が当り役として度々上演した袖萩と貞任の二役を、七之助が初役で袖萩を、勘九郎が袖萩の夫・貞任を勤めている。また袖萩と貞任の娘お君を、勘九郎の次男・長三郎(7歳)が演じることでも話題。中村梅玉、中村東蔵、中村歌六、中村芝翫はじめ、追善に相応しく豪華な顔ぶれが揃っている。

二幕目は『連獅子(れんじし)  』。親から子へと中村屋が大切に演じてきた歌舞伎舞踊の大曲で、当月は、狂言師右近後に親獅子の精を勘九郎が、狂言師左近後に仔獅子の精を勘九郎の長男・勘太郎が勤め、親子の情愛と豪快な毛振りを披露している。勘太郎が、本興行では最年少の9歳という若さで仔獅子の精に挑む舞台だ。

【公演情報】
「二月大歌舞伎」
●2/2~27◎歌舞伎座

第一部 10:30開演
『本朝廿四孝 十種香』
出演
八重垣姫:中村魁春
武田勝頼:市川門之助
白須賀六郎:中村松江
原小文治:市川男女蔵
腰元濡衣:片岡孝太郎
長尾謙信:中村錦之助

『泥棒と若殿』
伝九郎:尾上松緑
松平成信:坂東巳之助
迎えの侍:市川男寅
迎えの侍:尾上左近
宝久左衛門:市川弘太郎
梶田重右衛門:中村亀鶴
鮫島平馬:坂東亀蔵

第二部 14:15開演
『於染久松色読販 土手のお六 鬼門の喜兵衛』
出演
土手のお六:坂東玉三郎
山家屋清兵衛:河原崎権十郎
髪結亀吉:中村福之助
丁稚長太:寺嶋眞秀
庵崎久作:中村吉之丞
油屋太郎七:坂東彦三郎
鬼門の喜兵衛:片岡仁左衛門

『神田祭』
鳶頭:片岡仁左衛門
芸者:坂東玉三郎

第三部 17:30開演
十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言『奥州安達原 袖萩祭文』
出演
袖萩:中村七之助
安倍貞任:中村勘九郎
娘お君:中村長三郎
義家の郎党:中村種之助
義家の郎党:中村玉太郎
義家の郎党:中村歌之助
義家の郎党:中村莟玉
安倍宗任:中村芝翫
平傔仗直方:中村歌六
浜夕:中村東蔵
八幡太郎義家:中村梅玉

十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言『連獅子』
狂言師右近後に親獅子の精:中村勘九郎
狂言師左近後に仔獅子の精:中村勘太郎
法華の僧蓮念:中村鶴松
浄土の僧遍念:中村萬太郎

〈料金〉1等席15,000円 2等席11,000円 3階A席5,000円 3階B席3,000円 1階桟敷席16,000円(全席指定・税込)
※4階幕見席の販売はありません。
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489 または03-6745-0888
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/702/#ticket

【写真提供(C)松竹】

 

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