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横山拓也の新作『夜明けの寄り鯨』が新国立劇場にて開幕!

 いま演劇界で注目の劇作家・横山拓也が新国立劇場初登場する作品『夜明けの寄り鯨』が、12月1日、開幕した。(18日まで)
本作は2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画、【未来につなぐもの】の第二弾。演出は、新国立劇場では「こつこつプロジェクト」第一期として『スペインの戯曲』を手がけた、若手演出家・大澤 遊。その丁寧で繊細な演出はこの作品の奥深い魅力をあますところなく伝えてくれている。
和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、一人の女性のこころの物語で、ひとのこころの内面を静かに描く、まさに横山拓也ならではの劇世界となっている。
《あらすじ》
和歌山県の港町。手書きの地図を持った女性が25年ぶりに訪れる。女性は大学時代、この港町にサークルの合宿でやってきて、たまたま寄り鯨が漂着した現場に居合わせた。まだ命のあった鯨を、誰もどうすることもできなかった。
ここは江戸時代から何度か寄り鯨があって、そのたびに町は賑わったという。漂着した鯨は”寄り神様”といわれ、肉から、内臓、油、髭まで有効に使われたと、地元の年寄りたちから聞いていた。
女性が持っている地図は、大学の同級生がつくった旅のしおりの1ページ。女性はその同級生を探しているという。彼女はかつて、自分が傷つけたかもしれないその同級生の面影を追って、旅に出たのだ。地元のサーファーの青年が、彼女と一緒に探すことを提案する。
【コメント】
初日を迎えて横山拓也、演出・大澤 遊 よりコメントが到着した。
作・横山拓也
あまり見たことがないような舞台美術が建ちました。演出家と美術家のチャレンジに驚嘆します。これが奇を衒ったというわけではなく、きちんとこの劇の世界を立ち上げていて、見事なんです。こういう瞬間に立ち会わせてもらえるのも、劇作家の冥利。物語は、キャストの個性の配置が絶妙なこともあって、静謐さと賑やかさの不均衡に戸惑っているうちに、いつのまにかドラマに引き込まれていき、登場人物たちと同じ場所に立っているような気分になります。なんでしょう、この味わい。演出家・大澤遊さんが、すごく面白いものを作りましたよ。自分の戯曲でこんな感覚になった舞台ははじめてです。
演出・大澤 遊 
25年前のことを思い出しつつ、当時を生きた人たちが今をどう生きているのかに思いを馳せながら、創作してきました。横山さんは、日常の中に潜む問題を繊細に描いています。それを俳優・スタッフの皆さんが丁寧に拾い上げ紡いでくださり、無事に開幕することができました。
ふとしたことがキッカケで急に過去が蘇り、心がざわつくことがあります。まさに登場人物の三桑もそうで、皆さんもご一緒にそんな過去と現在を旅してもらえたら嬉しいです。
【公演情報】
『夜明けの寄り鯨』
作:横山拓也
演出:大澤 遊
出演:
小島 聖 池岡亮介 小久保寿人
森川由樹 岡崎さつき 阿岐之将一
楠見 薫 荒谷清水
●12/1~18◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉A席 7,700 円 B席 3,300 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈チケット問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/beaching-at-dawn/
【撮影:田中亜紀】

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