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栗山民也×鈴木杏の一人芝居『殺意 ストリップショウ』ビジュアルと詳細発表!

 

演出家栗山民也と女優鈴木杏が挑む三好十郎の戯曲『殺意 ストリップショウ』のビジュアルと詳細が発表された。

本作は、1950 年に発表された三好十郎による女優の一人芝居。あるストリップダンサアが語る一途な恋と壮絶な半生を、第二次世界大戦前後における大衆の思想の変遷を交えながら描く、人間の業と生命力にあふれた衝撃的な戯曲。

三好は自らが創作を行う上で、作中「私」の問題が提出される場合、その問題そのものが「世界」の問題でなければならず、また「世界」の問題が解決される際には、その解決そのものが、同時に「私」の問題にも答えうるものでなければならない、という信念を持っていた。

本作でも、主人公・緑川美沙が、自らが心酔する社会学者・山田先生の弟・徹男にプラトニックな恋をし、彼を戦争という不条理に奪われたことで、その責任の一端を担った先生に激しい殺意を抱く、という私的な問題と並行し、当時、大逆事件などに代表される、主に社会主義者に対して行われた言論弾圧のために、自らの思想を「転向」し、軍部に迎合した右翼的主張をすることで、軍国主義の後押しをした人々が少なからず存在した事実や、やむにやまれず戦争に参加した人々の苦しい心情を克明に描き、日本が第二次大戦に向かった激しい時代のうねりを透かして見せた。

そうすることで本作は、人間の本質に迫った共感性の高い物語でありながら、当時の社会的・政治的な時代背景を強く反映した重厚な戯曲となっている。

【あらすじ】

「しかし、時には思い出してくださいまし、
このような姿をした このような声をした 緑川美沙という、こんな女がいた事を。」
高級なナイトクラブのステージ、自らのフィナーレを終えたソロダンサア・緑川美沙が、客にその数奇な人生を語りだす。
南の国の小さな城下町に生れた美沙は、日華事変、二・二六事件の直後、兄の勧めで東京に行き、急進的な左翼の社会学者・山田先生のもとに身を寄せる。そこで美沙は、自分と同じく、兄である先生を信奉する弟・徹男と運命的に出会う。二人は密やかに気持ちを通わせるが、やがて日本は戦争に突入し、先生が軍国主義に迎合することでその思想を転向する中、ほどなくして徹男は学徒出陣で命を落とす。
悲嘆にくれたまま敗戦を迎えた美沙は、愛国を掲げた徹男が悔いなく出征する後押しさえした山田先生が、軽々と再び左翼に鞍替えする様子を見、保身のため思想を捨てるその卑しさに激しく憎悪を燃やす。ついに先生の殺害を決意した美沙は、レビュウダンサアと娼婦に身をやつし、その機会をうかがっていく…。
「──善い悪いが私にとって──人ではない、この私にとって、善い悪いがなにかしら?」

【公演情報】
『殺意 ストリップショウ』
作:三好十郎
演出: 栗山民也
出演:鈴木 杏
●7/11~26◎シアタートラム
〈料金〉6,000 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※各種割引あり
〈一般発売日〉 2020 年 5 月 17 日(日)
〈お問い合わせ〉世田谷パブリックシアターチケットセンター  03-5432-1515(電話・窓口 10:00~19:00 )
〈劇場HP〉https://setagaya-pt.jp

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