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杉原邦生演出、成田 凌・葵わかな出演『パンドラの鐘』の公演ビジュアル公開!

舞台、COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』の公演ビジュアルが完成した。
それに伴って本作の生みの親である野田秀樹、演出の杉原邦生、ダブル主演を務める成田 凌、葵 わかな、さらに、ビジュアルを撮り下ろした蜷川実花よりコメントが届いた。

『パンドラの鐘』は、1999年に蜷川幸雄の指名で野田秀樹によって産み落とされた。当時ともに世界の舞台で戦っていた日本の演劇界の二大巨頭・蜷川と野田は、それぞれBunkamuraシアターコクーンと世田谷パブリックシアターの2つの劇場で同時期に上演。

蜷川は“岩”、野田は“紙”と、同じ作品ながら全く違ったモチーフとアプローチで作品を創り上げ、世紀の競演は一大センセーションを巻き起こした。
さらに蜷川版には、大竹しのぶ、勝村政信、生瀬勝久、松重 豊、一方の野田版には、堤 真一、天海祐希、古田新太、松尾スズキなどが出演し、豪華出演陣の対決も大きな話題を呼んだ。

そして、現役のまま惜しまれつつ2016年にこの世を去ったシアターコクーン前芸術監督・蜷川幸雄の七回忌を迎える今年、“NINAGAWA MEMORIAL”と題し、初演以来23年ぶりにBunkamuraシアターコクーンにて上演する。

蜷川作品に多大な影響を受け、アングラ、シェイクスピア、海外戯曲、歌舞伎まで様々なジャンルの作品を手掛ける、新世代の演劇界を担う気鋭の若手演出家・杉原邦生の手によって、記念すべき公演として再び現代に蘇る。

勝村政信、堤 真一の怪演が話題となった葬式屋のミズヲ役を演じるのは、今作が初の舞台出演で、初主演となる成田 凌。2014年の俳優デビュー以降、多くの映像作品に出演し、主演作も数多い成田の初めての挑戦となる。
そして、大竹しのぶ、天海祐希の演じた古代の女王・ヒメ女役を演じるのは、多くの映像作品に出演しながら、舞台にも定期的に出演を続けている葵わかな。

成田凌 葵わかな

フレッシュながら、存在感と演技力の光るこの2人が、2017年放送のNHK連続テレビ小説『わろてんか』以来の共演で、ダブル主演を務める。さらに、オズの婚約者・タマキに前田敦子、古代の国の重臣・ハンニバル役に玉置玲央、カナクギ教授の助手・オズ役に大鶴佐助、オズと同じくカナクギ教授の助手・イマイチ役に柄本時生、考古学者のカナクギ教授/ヒメ女の兄・狂王の二役に片岡亀蔵、ピンカートン未亡人役に南 果歩、ヒメ女の乳母・ヒイバア役に白石加代子と、若手からベテランまで、確かな演技力をもつ豪華な俳優陣が集結した。

今回ビジュアルを撮り下ろしたのは、蜷川幸雄の長女で写真家・映画監督として世界的に活躍する蜷川実花。「祝祭」「祈り」「鎮魂」「希望」といった作品のテーマに、蜷川がもつ独特で豊かな色彩感覚が織り込まれ、日本の歴史のTABOOに真っ向から挑んだ本作の衝撃に負けない、インパクトのあるビジュアルが完成した。

【コメント】
蜷川実花
父が亡くなって6年経っても、こうして「NINAGAWA MEMORIAL」と題して公演をしてくださること、ありがたく思っています。
そして、その公演にビジュアル撮影という形で参加することができて、とても嬉しいです。本当にありがとうございます。1999年の公演も両パターン観ているので、今回はどんなことになるのか楽しみです。

野田秀樹
蜷川幸雄は、20も年下の私を、人前では必ず「野田さん」と呼んでくれた。それは蜷川さんの律儀な「他の演劇人」へのリスペクトの表れだった。ただ、話し込んでいくといつの間にか「野田、お前さあ」に変わっていった。私は、律儀なリスペクトが親愛の情に変わるその瞬間が好きだった。
あの日もそうだった。
「野田さん」で始まった対談が終わる寸前、「野田さあ、お前、俺になんか書けよ」になっていた。私は「蜷川さん、有難い話だけれど、自分の芝居を書くのに精一杯ですよ」そう答えながら、ふと突拍子もなく図々しいことを思いついた。「でも蜷川さん、これから僕が自分で演出するために書く芝居を、蜷川さんも演出してくれるんだったら、書きますよ」当然、「バカ、ふざけんな!」という答えが返って来るとニヤついていたら
「いいよ、それでも」という真顔の返事だった。私は驚きと半信半疑で「え?でも、それは僕だけが得しますよ」私は、どう考えても蜷川さんに失礼この上ない事を言ってしまったと思い直した。けれども蜷川さんは「そのくらいのことをしなけりゃ、硬直した演劇界は面白くならねえんだよ」「いや、でも…」「大丈夫だよ、それで。俺の方がいい演出してやるから」「ほんとに?」「ほんとだよ、バカ!」…ほんとなんだ、本気なんだ。しまったこれはもしかしたら、大変な約束をしてしまったかもしれない。臆した時にはもう遅い。話は決まってしまった。

こうして私は蜷川幸雄を意識しながら懸命に芝居を書いた。そして『パンドラの鐘』という作品が世に生まれた。
あの日、私は蜷川幸雄に演劇人としての懐の深さと演出家としての芯の勁さを感じとった。
蜷川さんのその深さと勁さがなければ、この『パンドラの鐘』は生まれなかっただろう。

その深さと勁さを、この度は、若くして才ある演出家杉原邦生さんに委ねる。杉原さんもこれだけ言われるとプレッシャーを感じるだろうが、大丈夫、白石加代子を始めとした、海千山千の「深く」「勁い」役者ばかりだ、好き放題にやっていただきたい。
バトンは渡された。

演出:杉原邦生
僕たちが生きるこの世界から争いが消えることはない───そんなかなしい確信を抱かざるを得ない現実を目の当たりにする日々の中で、野田秀樹さんがこの戯曲に託した〈希望〉の意味を改めて噛み締めています。そして、このシアターコクーンで生前数々の名作を生み出した蜷川幸雄さんの七回忌を迎える本年、「NINAGAWA MEMORIAL」と冠した公演で演出を託されることの重責を強く感じています。それと同時に、二人の偉大な演劇人のレガシーを僕たちが繋いでいけることの〈希望〉に、これまでにない大きな興奮をおぼえています。
成田凌さん、葵わかなさんというフレッシュなお二人をはじめとする魅力的すぎるキャスト陣に加え、異種混合で多彩なスタッフの皆さんとともに、パンドラの鐘の中に残された人類の〈希望〉を、その鐘の音に乗せ、古代から現代、そして遠く未来へと響かせたい。それが僕の願いです。

成田 凌
20年前から様々な方々が演出され、演じられてきたこの『パンドラの鐘』、”ミズヲ”を演じさせていただきます。自分自身、初めて舞台に立たせていただきますが、気の知れた方や信頼できる方、大先輩方に支えられながらしっかりとミズヲを演じられたらと思います。葵わかなさんは前回お母さんだったのでまた違うお芝居ができるのをたのしみにしています。迫力のあるものをお見せ出来ますよう、頑張ります。

葵わかな
脚本を初めて読ませていただいた時の気持ちが、今も強く残っています。不思議で突拍子もなくて、巧妙で、切なくて…色々な気持ちが浮かびすぎて、なんて言葉で表したらいいのかわからないくらいなのですが、それを表現する立場に加われることがとても嬉しいです。成田凌さんとは親子という間柄を演じて以来の共演なので、不思議な気持ちもあるのですが、とても心強いです。この作品ではどんな関係性をお見せできるのかとても楽しみです。演出の杉原邦生さんをはじめとする座組の皆さんとご一緒させていただけることに、とてもワクワクしています!精一杯頑張りたいです。

【公演情報】
COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL
『パンドラの鐘』
作:野田秀樹
演出:杉原邦生
出演:成田 凌 葵わかな
前田敦子 玉置玲央 大鶴佐助
森田真和 亀島一徳 山口航太 武居 卓
内海正考 王下貴司 久保田 舞 倉元奎哉 米田沙織 涌田 悠
柄本時生 片岡亀蔵 南 果歩 白石加代子
●6/6~28◎東京公演 Bunkamuraシアターコクーン
〈料金〉S席11,000円 A席9,000円 コクーンシート5,500円 U25(25歳以下当日引換券)3,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※U25詳細はホームページをご覧ください。
※コクーンシートは、特にご覧になりにくいお席です。ご了承の上、ご購入ください。
〈一般発売日〉 2022年4月17日(日) AM10:00~
4/17(日)発売日初日特電 03-3477-9912、4/18(月)以降 03-3477-9999
オンラインチケット MY Bunkamura:https://mybun.jp/pandora2022(システム利用料無料/座席選択可能)
〈チケット問合せ〉Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00~17:00)
https://www.bunkamura.co.jp

●7/2~5◎大阪公演 森ノ宮ピロティホール
〈料金〉11,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般発売日〉 2022年5月22日(日) AM10:00~
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~16:00/日曜・祝日は休業)
https://kyodo-osaka.co.jp/

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