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新橋演舞場 熱海五郎一座シリーズ第6弾 東京喜劇『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』取材会レポート

熱海五郎一座の新橋演舞場シリーズ第6弾が、5月31日から6月26日まで、新橋演舞場にて上演される。

観客が心の底から本当に面白いと思える東京の喜劇“軽演劇”を上演しよう、“東京の笑い”を継承しようと、2004 年に伊東四朗座長のもとに三宅裕司を中心とした第一線で活躍中の喜劇人たちが集結し旗揚げした「伊東四朗一座」。
伊東がスケジュールの都合でどうしても参加出来ない時も、“東京の笑い”を継承すべく、2006 年に三宅裕司を座長として旗揚げした「熱海五郎一座」。
劇団名は、三宅の発案で“伊東ならぬ熱海”“四朗ならぬ五郎”という洒落で命名。2014年には新橋演舞場に進出、今回の『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』で、同劇場では6度目の公演となる。

【あらすじ】

日本航空宇宙開発局(通称JASCA ジャスカ)は、組織設立以来の喧騒に包まれていた。なんと30 日後に巨大隕石が日本に衝突するという天災をコンピューターが弾き出したからだ! 日本を救うには、ロケットで隕石に着陸し、爆弾を仕掛けるしか方法がない。急遽、ベテラン宇宙飛行士、女性天文学者をはじめ、エンジニアや爆弾のプロなど極秘プロジェクトを遂行する猛者たちが召集された。しかし、個性派ぞろいのメンバー達は、危機的状況とはほど遠いおまぬけな訓練をするわ、足の引っ張り合いをするわ、トラブルの連続でミッションに暗雲が漂い始める。その上、彼らはひとりの女性宇宙飛行士を除いて“危険な秘密”を抱えていた──。

このスケール大きな物語の出演者は、劇団SETの座長として40年間喜劇の舞台を創り続けながら、テレビ、ラジオと幅広くマルチに活躍する三宅裕司を筆頭に、コント赤信号の渡辺正行、ラサール石井、三宅の盟友・小倉久寛、落語界でトップの人気を博す春風亭昇太、そして東京喜劇界のサラブレッド、Take2の東貴博と、その相方の深沢邦之という実力派喜劇人たちが今年も集結。
そして毎回、舞台を彩る華やかなゲストは、今回は高島礼子と橋本マナミが初参加。この公演の取材会が、三宅裕司、高島礼子、橋本マナミを迎えて5月中旬、新橋演舞場にて行われた。

橋本マナミ 三宅裕司 高島礼子

──まず、なぜ宇宙ものなのか、そして今回のヒロインお二人について、伺いたいのですが
三宅 宇宙ものというのは、そろそろ日本のベンチャー企業の打ち上げも成功するのではと思っていたので(笑)。うちの一座が公演するとなぜか同じようなことが起きるんですよね。不思議ですね(笑)。今回のヒロインお二人については、これまでこの公演は、わりと芝居だけでなく、ダンスとか歌をどう入れるかで考えていたんですが、今回は芝居中心でお客さんを「おっ」と言わせるようなものをやりたいなと。その設定を考えている時に、2人の女性の対決にもなるストーリーが生まれてきたので、じゃあ、ベテランの高島礼子さんと若手で今ぐっと来てる橋本マナミさんでということで、キャスティングさせていただきました。
高島 私はお話をいただいたとき「やっと来た!」と思ったくらい待ってました。
橋本 私も出演のお話をいただいて、すごく嬉しかったです。キャストの皆さんも素晴らしいし、高島礼子さんとご一緒できるというのも嬉しいです。もともと舞台が大好きで、でもなかなか機会がなかったので、本格的なこういう舞台に出られるのを待ってました。でもそのぶんプレッシャーもあります。もう稽古も少し始まっていて、やはり映像と違って全身を見られるというので、そこを意識してやれればと思っています。
高島 今回は歌とダンスがなくてお芝居だけと聞いて安心していたんですが。
三宅 歌とアクションがあるんだよね。
高島 がんばって付いていきたいと思います。
三宅 2人の歌がオチになるかちゃんとしたものになるか、これからの稽古次第です(笑)。

──高島さんと橋本さんは初共演ということで、お互いについては?
高島 もっと大胆な感じの方かなと思っていたので、こんなに楚々としてるんだと。でも最初のシーンのマナミちゃんが本当に面白くて、すごく笑えて。
橋本 高島さんが笑ってらっしゃるので、私も笑えてきて(笑)。
高島 マナミちゃんがやるから可笑しいんですよね。私がやっても可笑しくないと思う。
三宅 稽古場で笑ってくれると嬉しいよね。
橋本 高島さんは大女優さんですから近寄りがたいかなと思っていたんですけど、最初から話しかけてくれて、すごく気さくな方で隣にいても緊張せずにいられるんです。

──橋本さんはコメディーの経験は?
橋本 テレビでコントをちょっと(笑)。難しかったです。正解がわからないし、マとか難しい。舞台は稽古期間が沢山あるので、皆さんにコメディーを教わろうと思っています。

──三宅さんから見てお二人のコメディーの資質は?
三宅 資質は誰でも持っていると思うんですけど、やりたいかやりたくないか、その気持ちの大きさが大事で、このお二人もすごくコメディーは好きそうだなという感じはありました。あとはお芝居がちゃんとできればいい。面白い設定の脚本を真剣に演じればそれで面白くなりますから。僕らがやってる東京の喜劇、軽演劇というのは、実はすごく稽古して緻密に作り上げていくものなんです。たぶん今のテレビでは出来ない作り上げた笑いで、そういうものを舞台で観ていただく。お二人についても、テレビではこんな高島さん見たことない、こんなマナミちゃんは見たことないという、そういうところを見ていただいて、それで笑っていただければ、たぶんお二人の新しい魅力の発見にも繋がるんじゃないかと思っています。

──今回の台本は最高傑作だというお話でしたが?
三宅 そう思って本読みしたら、あれっ?と(笑)。それで新しく笑いを沢山入れてます。入れている仕掛けが全部成功したら最高傑作になるはずです。
高島 毎日、新しい台詞が差し込まれてくるんですよね。
三宅 幕が開いてからも、また変わりますよ。
高島 えーっ(笑)。
橋本 楽日まで変わると聞いてます。
三宅 変わります。毎日お客さんの反応見ながらですから。

──Take2の東貴博さんと深沢邦之さん前説も、毎回面白いですね。
三宅 あれは東Maxが考えて、時事ネタとか入れて作ってます。喜劇は最初が大事で、そこでうまく笑いを取れないと後の人に響くんです。それで前説でちょっとほぐしてもらって。前説は軽演劇独特というか、普通の芝居ではあまりやらないですよね。前説の中で「今、楽屋ではみんなこんなふうで」とか、出てくる役者たちの素をそこでふっと見せる。それでお客さんを笑いやすくする。軽演劇はすべて笑いに特化するんです。

──お客さんに笑ってもらうために一番大事なことは?
三宅 笑うにはまず息を吸わないと笑えないんです。ということはお客さんを笑わせるためには息を吸わせる、そのためのマとかタメがいるんです。ぐーっと吸わせておいてストンと落とすとドッと笑う。その連続ですね。今、稽古場では笑わすためにはどうしたらいいか、皆がそればかり一生懸命考えてますが、でもこのストーリーの基本にある「地球が滅亡するかもしれない」という緊張感、それを持っていることが大事で、そこを稽古できちんとやっていこうと思ってます。

──タイトルもビジュアルもある映画のパロディという感じなので、宇宙スペクタクルを期待する方も多いと思いますが
三宅 それが狙いです(笑)。期待が大きければ大きいほど、えっ?っていうのが大きくなりますからね(笑)。

──ポスターで着ている宇宙服はいかがでしたか?
高島 すごくよく出来た衣装で、着ていて楽しかったし、カッコいいですよね。あれは舞台でも着ますか?
三宅 やっぱりあれは見せたいですよね。

──高島さんも橋本さんも新橋演舞場は初出演だそうですね。
高島 そうなんです。やっと今回初めて出させていただきます。良い劇場だと聞いていたので楽しみです。
橋本 何度か観劇には来ていましたが、まさか出られるとは思ってなくて、嬉しいです。やはり格式の高い劇場なので、その点でも緊張しています。
三宅 「熱海五郎一座」は新橋演舞場では、もう6回目になるんですが、僕らはいわゆる歌舞伎で使っているのとは違う使い方をしたいなといつも思っていて。最初の時なんか宙乗りはヘリコプターに使ってましたからね。今回も色々なことを考えてますので、楽しみにしていてください。

【公演情報】


新橋演舞場 熱海五郎一座 シリーズ第6弾
東京喜劇『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』
作◇吉高寿男
構成・演出・出演◇三宅裕司
出演◇渡辺正行 ラサール石井 小倉久寛 春風亭昇太
東 貴博(交互出演) 深沢邦之(交互出演)
劇団スーパー・エキセントリック・シアター
ゲスト出演◇高島礼子 橋本マナミ
●5/31~6/26◎新橋演舞場
〈料金〉1等席11,000円 2等席9,000円 3階A席6,000円 3階B席2,800円 桟敷席12,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489 または03-6745-0888(10:00~18:00)
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2019_atamigoro/

 

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