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新国立劇場 演劇『願いがかなう ぐつぐつカクテル』7月9日より上演!

新国立劇場では、休業要請の緩和措置の段階がステップ3に移行したことから、演劇公演『願いがかなう ぐつぐつカクテル』について、公演実施を発表した6月5日の時点より客席数を増やして販売するることになった。

『願いがかなう ぐつぐつカクテル』は、こどもも大人も楽しめる ピリリと風刺の効いたファンタジー。作者のミヒャエル・エンデは、『モモ』や『はてしない物語』などを執筆した、世界でもっとも有名な児童文学作家のひとり。本作は童話『魔法のカクテル』をエンデ自らが戯曲化した人気作品。今回が日本初演で、新国立劇場初登場の小山ゆうなが演出する。出演者は、北村有起哉、松尾 諭、森下能幸、林田航平、あめくみちこ、花王おさむという実力派6名が顔を揃えている。

上段/北村有起哉、松尾 諭、森下能幸 下段/林田航平、あめくみちこ、花王おさむ

【あらすじ】
大晦日の夜、枢密魔法顧問官のイルヴィッツァーの心はざわついていた。悪魔と契約したノルマを履行できていなかったからだ。大晦日が過ぎるまでに契約を果たせなければ、イルヴィッツァー自身が差し押さえになってしまう。
そこへ、魔女ティラニアは、なんでも願いがかなう魔法のカクテルを作るレシピが書かれた巻物を手に入れるために、イルヴィッツァーを訪問する。二人のやりとりを盗み聞きした猫のマウリツィオとカラスのヤコブは何とか彼らの野望を阻止しようとするのだが……。

【メッセージ 】
高橋文子(翻訳)
ドイツの作家ミヒャエル・エンデ(1929–1995)は、『モモ』や『はてしない物語』といった世界的なベストセラーでよく知られています。1989年に書かれた小説『魔法のカクテル』(川西芙沙訳、岩波文庫)は、エンデが完成させた最後の長編で、翌年にはその演劇版が初演されました。
物語は大晦日、ドイツでは「聖シルヴェスターの日」の夕方から年越しの鐘が鳴る真夜中までの出来事です。自然を破壊しようとする魔法使いと魔女に、カラスと猫の凸凹コンビが立ち向かいます。物語が書かれた1989年は、温室効果ガスによる環境破壊を防ごうと、世界が動き始めた時代でした。オゾンホールやフロンガスといった言葉が、人びとの意識を地球全体の環境に向き合うことへとうながし始めていました。もうその頃から、私たちは自然と私たちとを救う崖っぷちの「大晦日」にはいっていたということかもしれません。動物たちの奮闘と友情によって、物語の世界は変わっていきます。魔法の力はない私たちですが、世界を動かす願いの力の方向は変えられるかもしれない。「全てのカクテルのなかのカクテルよ、我がのぞみを叶えたまえ!」

小山ゆうな(演出)
ミヒャエル・エンデが作品を通して投げかけた人間による環境破壊、大人達による子供達の自由の搾取等は残念ながら今も現代的なテーマで、日本の現状とも符合します。
芸術監督の小川絵梨子さんが最初に作品案の中で出されたのがミヒャエル・エンデの名前でした。子供時代に小川さんご自身が読まれてただ楽しいだけではないちょっと怖さも残る印象的な作家として大切に思われていらっしゃいました。
『願いがかなうぐつぐつカクテル』には、「虐げられた人々」しか出てきません。悪い魔法使いにも大臣である上司がいて仕事を成さなければ存在を消される恐怖の元におかれています。猫もカラスも華やかさとは縁遠い存在です。
又、子供もめいっぱい楽しめる作品でありながら結末も残酷なまでにリアルという稀有な作品です。子供時代の観劇は人生の中で何回も思い出す宝物となるものだと思いますので、上質な深い作品をお届けできるよう最大限の工夫を重ねたいと思っております。
万能で素敵なキャストの皆様と作品づくりができるので魔法的な楽しい時間をお客様と共有できると信じております。

【公演情報】
新国立劇場 2019/2020シーズン
演劇『願いがかなう ぐつぐつカクテル』
原作・上演台本:ミヒャエルンデ
翻訳:高橋文子
演出:小山ゆうな
キャスト:北村有起哉 松尾 諭  森下能幸 林田航平 あめくみちこ 花王おさむ
●7/9~26◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉A席5,500円(こども 2,750円) B席3,300円(こども1,650円)(全席指定・税込)
〈一般発売〉 2020年6月27日(土 )10:00~
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックス オフィス  03-5352-9999(10:00~18:00)
〈公演HP〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/the_night_of_wishes/

☆本公演は新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演します。
〈詳細〉https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017512.html

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