新国立劇場演劇 『エンジェルス・イン・アメリカ』第一部「ミレニアム迫る」開幕!
新国立劇場演劇『エンジェルス・イン・アメリカ』の第一部「ミレニアム迫る」が4月18日に開幕した。
1980年代のエイズ禍のNYを舞台に、セクシュアリティ、人種問題、信仰、政治─
アメリカ社会が抱える苦悩や葛藤を浮き彫りにした、トニー・クシュナーの傑作群像劇を上村聡史が演出、オーディションで選ばれた8人のキャストが複数の役を演じ分け、上演時間 約3時間30分をエネルギッシュに駆け抜けた。
4月19日は、いよいよ第二部「ペレストロイカ」が開幕する。
《あらすじ》
<第一部>
1985年ニューヨーク。
青年ルイスは同棲中の恋人プライアーからエイズ感染を告白され、自身も感染することへの怯えからプライアーを一人残して逃げてしまう。モルモン教徒で裁判所書記官のジョーは、情緒不安定で薬物依存の妻ハーパーと暮らしている。彼は、師と仰ぐ大物弁護士のロイ・コーンから司法省への栄転を持ちかけられる。やがてハーパーは幻覚の中で夫がゲイであることを告げられ、ロイ・コーンは医者からエイズであると診断されてしまう。
職場で出会ったルイスとジョーが交流を深めていく一方で、ルイスに捨てられたプライアーは天使から自分が預言者だと告げられ……
<第二部>
ジョーの母ハンナは、幻覚症状の悪化が著しいハーパーをモルモン教ビジターセンターに招く。一方、入院を余儀なくされたロイ・コーンは、元ドラァグクイーンの看護師ベリーズと出会う。友人としてプライアーの世話をするベリーズは、「プライアーの助けが必要だ」という天使の訪れの顛末を聞かされる。
そんな中、進展したかに思えたルイスとジョーの関係にも変化の兆しが見え始める。
【コメント】
上村聡史
「劇場が一体となって旅をしている」という気持ちです。8名の俳優の表現とお客様の反応が、共に熱気を帯びながら、目的地に向かって駆け抜けていく感覚を初日の舞台に覚えました。エイズ、レーガン政権などと1980年代のニューヨークが舞台となっていますが、改めて「今」を語る作品となりました。8時間という上演時間に尻込みするかもしれませんが、演出も演技もあっという間に時間が過ぎていくような変化の醍醐味に満ち溢れています。是非、劇場で体験していただけたら何よりです。
【公演情報】
演劇『エンジェルス・イン・アメリカ』
作:トニー・クシュナー
翻訳:小田島創志
演出:上村聡史
出演:浅野雅博 岩永達也 長村航希 坂本慶介 鈴木 杏 那須佐代子 水 夏希 山西 惇
●4/18~5/28◎新国立劇場 小劇場
〈チケットに関するお問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 (10:00~18:00)
〈公式サイト〉http://www.nntt.jac.go.jp/
●6/3◎愛知公演 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
●6/10◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【撮影/宮川舞子】
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