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哀しくも美しい純愛物語、新国立劇場オペラ『蝶々夫人』間もなく上演! 

新国立劇場「蝶々夫人」2019年公演より 撮影:寺司正彦

新国立劇場では年内最後のオペラ『蝶々夫人』を12月5日から上演する。

明治時代の長崎を舞台とし、名アリア「ある晴れた日に」など豊かなメロディで彩られる『蝶々夫人』は、世界中で観客の涙を誘っている人気作。新国立劇場でも最も多く上演されているオペラで、開場以来、高校生のためのオペラ鑑賞教室を含め上演回数は110余回、18万人に及ぶ観客が鑑賞している。

アメリカ士官ピンカートンに一途な愛をささげる15歳の蝶々さんの哀しい運命を描いた悲劇が、栗山民也演出により、国と国の関係が落とす影を感じさせる、鋭く雄弁なドラマとして迫る。舞台は蝶々さんのいる世界を表現するとともに、現代を映し出す風景でもある。
指揮は下野竜也、『沈黙』以来待望の登場となる。

中村恵理

村上公太

注目の蝶々夫人役は、新国立劇場オペラ研修所から世界へ羽ばたいたソプラノ中村恵理。ドラマティックな表現と繊細なテクニックで聴衆を魅了してきた彼女が、一段と成熟し、待望の蝶々夫人役でオペラパレスへ登場するとあって、世界のオペラファンの注目を集めそうだ。

ピンカートンに出演する村上公太は『夏の夜の夢』ライサンダーや『カルメン』ドン・ホセで声の成熟と真摯な表現が称賛されたばかりの、旬を迎えたテノール。
シャープレスには、ヨーロッパで躍進中のアンドレア・ボルギーニがあたる。

新国立劇場「蝶々夫人」2019年公演より 撮影:寺司正彦

【Story】

第1幕
明治時代の長崎。日本滞在中、現地妻を娶ろうというアメリカ海軍士官ピンカートンは、仲介人ゴローに新居を案内され、使用人を紹介される。結婚も家もいつでも契約破棄できると豪語するピンカートン。結婚を心待ちにしている花嫁を知るアメリカ総領事シャープレスは、ピンカートンの軽薄さを心配する。花嫁行列がやってきて、美しい花嫁、蝶々さんが現れる。「私は世界一幸せ」と嬉しそうに語る蝶々さんは15歳。裕福な武士の家の生まれだが父が切腹して亡くなり、今は芸者として生きている。結婚式が慎ましやかに行われている最中、叔父の僧侶ボンゾがきて、キリスト教に改宗した蝶々さんに絶縁を言い渡す。式は終わり、2人は甘い夜を迎える。

新国立劇場「蝶々夫人」2019年公演より 撮影:寺司正彦

第2幕
ピンカートンがアメリカに帰国して3年。「駒鳥が巣を作る頃に帰る」との言葉を信じる蝶々さんは、彼の帰りを待ち続けている。シャープレスとゴローは再婚を勧めるが、蝶々さんは断る。というのも、ピンカートンとの間に子供が生まれていたのだ。帰国後ピンカートンがアメリカで本当の結婚をしたことを知るシャープレスは言葉もない。そしてついにピンカートンの船が入港。蝶々さんとスズキは部屋を花で満たして夫の到着を待つが、いつまでたってもやってこない。

スズキの勧めで蝶々さんが奥の部屋で休んでいると、ピンカートン、シャープレス、そしてピンカートンの妻ケートが訪れる。スズキの応対で蝶々さんの思いを知ったピンカートンは、堪らず立ち去る。目覚めた蝶々さんはケートを見てすべてを悟り、子供をアメリカで育てたいというケートの言葉を受け入れる。父の形見の短刀に刻まれた言葉「名誉をもって生きられないものは名誉をもって死ぬ」ことを決意した蝶々さんは、子供に別れを告げ、自決。「蝶々さん!」と叫ぶピンカートンの声がむなしく響く。

新国立劇場「蝶々夫人」2019年公演より 撮影:寺司正彦

【公演情報】
2021/2022シーズン
ジャコモ・プッチーニ オペラ『蝶々夫人』
Madama Butterfly/Giacomo Puccini
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
指揮:下野竜也
演出:栗山民也
出演
蝶々夫人:中村恵理
ピンカートン:村上公太
シャープレス:アンドレア・ボルギーニ
スズキ:但馬由香
ゴロー:糸賀修平
ボンゾ:島村武男
神官:上野裕之
ヤマドリ:吉川健一
ケート:佐藤路子
合唱指揮:冨平恭平
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
●12/5、7、10、12◎新国立劇場オペラパレス
予定上演時間:約2時間35分(休憩含む)
〈料金〉22,000円 A席16,500円 B席11,000円 C席6,600円 D席3,300円 Z席1,620円(全席指定・税込)
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/madamabutterfly/

 

【舞台写真:新国立劇場「蝶々夫人」2019年公演より 撮影:寺司正彦】

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