南座「初笑い！ 松竹新喜劇 新春お年玉公演」開幕！

『裏町の友情』左より渋谷天外、藤山扇治郎、曽我廼家寛太郎

京都・南座で1月2日、「初笑い！松竹新喜劇 新春お年玉公演」が初日を迎えた。（1月9日まで）

渋谷天外、藤山扇治郎をはじめとする松竹新喜劇の劇団員に加え、南座のお正月公演では欠かせない顔となった久本雅美がゲスト出演。Aプロでは『裏町の友情』、Bプロ『流れ星ひとつ』と、松竹新喜劇の原点ともいえる、市井の人々の生活を描いた物語を上演。さらに、芝居終演後、AプロBプロともに、渋谷天外、藤山扇治郎、久本雅美による新春ご挨拶を行った。その舞台写真と初日レポートが到着した。

《Aプロ『裏町の友情』》

『裏町の友情』左より川奈美弥生、渋谷天外、曽我廼家一蝶

裏町にあるクリーニング屋の店主・倉橋貞一（渋谷天外）と炭屋の店主・宇部吾平（曽我廼家寛太郎）は、親の代から喧嘩ばかり。しかし、実はクリーニング屋の息子・新治（藤山扇治郎）と炭屋の娘・妙子（千草明日翔）は恋仲。親に隠れて思いを確かめあいますが、親の前ではわざと喧嘩をする姿に、会場からは笑いが起こります。

一方、借金が重なり、長年住み慣れた家を売る決意をした炭屋の話を偶然聞いた、クリーニング屋の店主。そっとお金の工面を試みますが、日頃の喧嘩から正面から渡すことができず、息子・娘も巻き込んで、お金はクリーニング屋と炭屋を行ったり来たり……。心温まる結末に客席からは拍手が巻き起こりました。

『裏町の友情』左より曽我廼家寛太郎、夢ゆかり、千草明日翔

初回公演（Aプロ）終演後の「新春ご挨拶」

Aプロ「新春ご挨拶」左より藤山扇治郎、渋谷天外、久本雅美

渋谷天外　この大変な世相の時に、よくぞ劇場までお越しくださいました。本当に劇団員一同、ゲストの皆さまも感謝しております。本当にありがとうございます。

久本雅美　このお正月から大変な中、劇場に足を運んでいただきまして、本当に涙涙でございます。みなさまにとって素晴らしい一年でありますように、今後ともよろちくびー！ということで、よろしくお願いいたします。

藤山扇治郎　みなさまと劇場でお会いできますこと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今年で36歳です。若手ではございません、しかし、まだまだ芝居は未熟でございます。これからも精進してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

《Bプロ『流れ星ひとつ』》

『流れ星ひとつ』左より渋谷天笑、久本雅美

刺繍業を営む三村家の長女・千代子演じる久本雅美が花道に登場すると、客席からは拍手喝采。千代子は、女房に逃げられ故郷に帰る決心をして挨拶に立ち寄った小泉庄吉（曽我廼家八十吉）を応対します。周りは、婚期をとうに過ぎ、なかなか縁談がまとまらない千代子を心配しますが、実は千代子は、近所の小林（渋谷天笑）に恋心を抱いていて、突然の小林の訪問に、慌てふためく姿に客席からは笑いが。しかし、実は小林は、千代子の妹・とみ子（曽我廼家いろは）と婚約状態。状況を知った父・竹造（曽我廼家文童）を安心させるため、千代子は庄吉を婿養子にもらうと宣言しますが……。家族愛と姉妹愛に満ちた人情話に客席は温かな空気に包まれ、幕をとじました。

『流れ星ひとつ』左より曽我廼家八十吉、久本雅美

『流れ星ひとつ』左より曽我廼家文童、久本雅美

『裏町の友情』左より川奈美弥生、渋谷天外、藤山扇治郎、千草明日翔、曽我廼家寛太郎、夢ゆかり

『流れ星ひとつ』左より曽我廼家八十吉、曽我廼家いろは、曽我廼家文童、久本雅美

【公演情報】
南座1月公演「初笑い！ 松竹新喜劇 新春お年玉公演」
●2023/1/2～9◎南座

Aプロ
『裏町の友情 　＆新春ご挨拶』
茂林寺文福・舘 直志：合作
野村尚平：演出
出演：渋谷天外、藤山扇治郎、曽我廼家寛太郎、川奈美弥生
関口義郎、渡辺凜賀、夢ゆかり、泉しずか
山本和孝、曽我廼家一蝶、森 光冬、千草明日翔、山田 俊、坂口勝紀

Bプロ
『流れ星ひとつ＆新春ご挨拶』
舘 直志：合作
堤泰之：演出
曽我廼家八十吉、江口直彌、千葉由香、甲斐正法、藤田功次郎
前田絵美、渋谷天笑、曽我廼家いろは、中谷容子、兵頭有紀
曽我廼家文童、久本雅美
〈料金〉一等席7,000円　二等席3,000円　三等席2,000円（全席指定・税込）
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 10:00-17:00 （年中無休・年末年始除く） 0570-000-489 （ナビダイヤル) または東京：03-6745-0888　大阪：06-6530-0333

〈公式サイト〉
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/20230102_minamiza/

【舞台写真提供／南座】