十三回忌追悼公演「つかこうへい Lonely 13 Blues」にて『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』『初級革命講座 飛龍伝』7月に連続上演!
今年はつかこうへいの十三回忌となる。その追悼公演として『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』『初級革命講座 飛龍伝』の連続公演が行われることが発表された。
《つかこうへい十三回忌にむけて》
つかこうへいの命日にあたる 7月10日、今年は十三回忌を迎える。
2010 年演劇界の巨星が宇宙に旅立ってから既に 12 年の時が流れた。
最後の追悼公演となる今年、「つかこうへい Lonely 13 Blues」と銘打ち、ホームグラウンドである紀伊国屋ホールで 『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』『初級革命講座 飛龍伝』の連続公演を上演することになった。
『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』は、2020 年にコロナ対策における緊急事態宣言の影響により上演中止となった。直後に朗読劇へと変更され、人間と人間が向かい合えない時代を乗り切った。今年は、名作「蒲田行進曲」の完結編にして完全版の上演を目指す。
また『初級革命講座 飛龍伝』は、90 年以降上演され続けている「飛龍伝」の原作にあたる。今回はその復刻上演とともに OB、OG 等によるトークショーを重ね合わせて開催する。
つかこうへいの没後12年、果たして演劇は「未知なる敵」と戦い、生き抜くことができるのか?
【蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く】
つかこうへいの代表作『蒲田行進曲』は 1980 年紀伊國屋ホールで発表された。同年第 15 回紀伊國屋演劇賞を受賞。その後、小説として第 86 回直木賞を受賞、1982年映画化され、第 6 回日本アカデミー賞を独占した傑作中の傑作である。
そして 1987 年蒲田行進曲の完結編として発表された『銀ちゃんが、ゆく』は1994 年舞台化され、1997 年新国立劇場小劇場の柿落とし公演として上演された。
《あらすじ》
「新撰組」の撮影が進む東映京都撮影所。
初の主演映画に意気込むスター俳優銀ちゃんが、子分の大部屋俳優ヤスに 自分の恋人小夏を押しつけることから物語は始まる。小夏は妊娠しているのだ……。
ヤスは銀ちゃんに見せ場を作り、小夏のお産の費用を稼ぐために、 危険な「階段落ち」に挑戦する。
しかし、ヤスが命をかけて生まれた娘のルリ子は、不治の病に冒されていた。そして小夏も、心の底からヤスを愛することはできなかった。
銀ちゃんは、自分の貧しく卑しい生まれの血のせいでルリ子が病気になってしまったのではないかと苦悩する……。
そして、新たな「新撰組」の撮影が始まる。
銀ちゃんは「俺の命と引き換えに娘の命を助けてくれないか」と祈る様な気持ちで一世一代の「函館五稜郭の石階段落ち」に挑む。
果たして銀ちゃんの祈りは、娘の病に打ち勝てるのだろうか?
主演の銀ちゃんこと倉岡銀四郎には、紀伊國屋ホールの春の恒例公演『熱海殺人事件』では5年連続木村伝兵衛を演じ、近年はドラマでも活躍の幅を広げ今、最も注目される俳優味方良介。銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優ヤスには、NON STYLE石田明。ヒロイン小夏には、今春乃木坂 46 を卒業、女優として今回の公演が卒業第一弾となる北野日奈子。
また、銀ちゃんの最大のライバルであり、共に映画を支える歌舞伎界のプリンス中村屋喜三郎に、細貝 圭。銀四郎の出生の秘密のカギを握る義理の弟、ケンに、『PRODUCE 101 JAPAN』出身の元練習生 9 名により発足されたパフォーマンスユニット『円神』の中心メンバー、中本大賀。この映画を完成に導くため奔走する映画監督に久保田創。そして高橋龍輝、佐久本宝、河本祐貴という実力派が顔をそろえた。
【初級革命講座 飛龍伝】
1973 年に発表された『飛龍伝』は 1974 年青山・VAN99 ホールで(平田 満、故・三浦洋一、等)の出演者 3人のみで上演され、80 年には紀伊國屋ホールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、つかこうへいの隠れた名作として愛された。
そして、1990 年、当時銀座セゾン劇場のプロデューサーであった岡村俊一との出会いによって、大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌し上演され、その年、読売文学賞を受賞し、つかこうへいの代表作となった。
《あらすじ》
激動の70年、機動隊のジュラルミンの盾を打ち破った伝説の石「飛龍」の投げ手、元全学連の闘士・熊田留吉は、今は挫折し、国が作った挫折公団アパートに住んでいる。そして、石売り娘をする嫁が拾ってくる石を磨く毎日である。
その熊田のもとに、今日もかつての敵、元機動隊の山崎監査員が訪れて来る。山崎は、熊田が今も革命の志を捨てず、国家権力に対する憎しみを鬱積しているのではないかと、何かにつけてカマをかけてみるのだが、熊田の生活ぶりからは革命どころか、挫折しざるを得なかった人間としての悲壮感さえも感じられない。
「熊田、お前は優秀な活動家だった。忘れたとは言わさんぞ。佐世保での、波を包み込まんばかりのシュプレヒコールを。もう見られないなんて、俺たちは思いたくないからね。フロントの右端は、今でも、おまえのものなんだよ」
山崎の叫びにも、今の熊田には虚しく響くだけである。
熊田には、「飛龍」を継がせると決めた一人息子がいた。しかしその姿も、今はない。健気に支えていこうとする嫁がいるだけである。
熊田が前線に復帰する日は、果たして来るのだろうか…。
機動隊員山崎に『新・熱海殺人事件』ラストスプリングで鮮烈な印象を残し、今やつかこうへい演劇の中心人物となった高橋龍輝。 ヒロイン小夜子に幾多の候補の中から選ばれた期待の新人・佐々木ありさ。そして、元革命家の闘志、熊田に元北区つかこうへい劇団2期の重鎮、吉田智則。 そして12 期のエース久保田創 が追悼公演の最後を飾る。
また『初級革命講座 飛龍伝』の終演後には、没後 12 年を振り返り、毎公演ゲストを迎えてのトークショーを繰り広げる。
【公演情報】
「つかこうへい Lonely 13 Blues」
『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:
倉岡銀四郎 … 味方良介
ヤス … 石田明
小夏 … 北野日奈子
中村屋喜三郎 … 細貝 圭
ケン … 中本大賀(円神)
… 高橋龍輝
… 佐久本宝
… 河本祐貴
監督 … 久保田創
●7/8~18◎紀伊國屋ホール
〈料金〉8,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
『初級革命講座 飛龍伝』
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:
高橋龍輝
吉田智則
佐々木ありさ
久保田創
●7/22~25◎紀伊國屋ホール
〈料金〉6,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※全公演終演後にゲストを迎えてのトークショーがあります
〈一般発売日〉両作品ともに 2022 年 6 月 25 日(土)
〈チケット問い合わせ〉Mitt 03-6265-3201(平日 12:00~17:00)
〈公演問い合わせ〉アール・ユー・ピー rupstaff@rup.co.jp
〈公式サイト〉 http://www.rup.co.jp/