加藤シゲアキの主演で『モダンボーイズ』4月に上演!
NEWSとしてのグループ活動だけでなく、作家としても活躍する加藤シゲアキが、約3年半ぶりに舞台に主演する。
昨年発表した『オルタネート』は、第164回直木賞、2021年本屋大賞にノミネートされるなど、多彩な活躍を見せている加藤シゲアキ。舞台には2017年に東京グローブ座にて上演された『グリーンマイル』以来の出演となる。
今回加藤が挑むのは、1994年に木村拓哉主演で、都政施行50周年記念公演として上演された幻の名作ともいわれる青春群像劇『モダンボーイズ』。
舞台は日中戦争直前、浅草のレビュー小屋。プロレタリア革命を志す学生で、ひょんなことから浅草エフリィという芸名でレビューの人気者となった矢萩奏が、小屋の座付き作家であった菊谷栄と出会ったことにより、生きる居場所を見つけ、自分にしかできない革命を見出していく物語。かつて事務所の大先輩である木村拓哉も演じた矢萩を、加藤が2021年のいま、どのように解釈し、どのように演じるだろうか。
今作の演出を手がけるのは大河ドラマ等での演出でも活躍がめざましい一色隆司。NHKにて、『精霊の守り人』シリーズ第三部や、『麒麟がくる』などの演出を務める傍ら、2016年にシアタートラムにて上演された『令嬢と召使』で舞台初演出。その後2018年には『人形の家』を、2020年には宮崎駿原作『最貧前線』を演出し脚光を浴びるなど、注目の演出家だ。今回は27年前に上演された横内謙介の幻の名作『洒落男たち~モダンボーイズ』を、新たな演出で上演する。
何のために、なぜ生きるのか? 自分に何ができるのか?大戦前夜の不穏な時代に、革命を信じ社会運動に身を投じていた若者と、舞台で輝かしいエンターテインメントをつくろうと戦い続けた役者や劇作家たち。舞台こそが生きる場所だと信じ、闘い、仲間をみつけた若者をめぐる青春群像劇が蘇る。
【あらすじ】
日中戦争前夜、浅草のレビュー小屋。座付き作家の菊谷栄に、同郷(青森)の友人・工藤がプロレタリア革命を志す同じく青森出身の学生・矢萩奏を紹介する。
ある日、矢萩が警察に追われて劇場に逃げ込んでくる。菊谷と劇場の仲間たちは、矢萩に道化の扮装をさせて、警察から匿う。尋問を受け、菊谷はコーラスボーイだとごまかすが疑う特高刑事。仕方なく歌を披露する矢萩。故郷で合唱部だった矢萩の「My Blue Heaven」の歌声はすばらしかった。
矢萩は劇場に身を隠すことになる。そこで思想活動のために封印していた音楽の才能が開花し、やがて矢萩は浅草エフリィの芸名でレビューの人気者となっていく。しかし不景気と戦争が切迫する時代。不要不急と言われる浮かれたレビューの世界に生きることに悩み揺れながら、そんな時代に劇場の扉を開き、歌い、踊り続けることの意味を、矢萩は菊谷や仲間たちとともに噛みしめてゆく。
【コメント】
一色隆司
脚本を読んだ時、これを今やらないでいつやるのだ?!と思いました。自分の居場所を探し求める主人公と、彼を取り巻く人間模様。エンターテインメントの世界での栄光と挫折、そして、恋。登場人物がとても魅力的で愛おしい…これこそ、閉塞感漂う今の世の中に届けたい!! と思えた作品です。
主演の加藤シゲアキさんは、アーティストとして様々な顔を持つだけあって溢れ出るエネルギーが半端ない方です。それを正面から受け止めて、劇場に、そして、皆さんの心に光が射すような、そんな作品を目指します。
世の中の厳しい状況はまだ続いています。しかし、脚本の横内謙介さんの言葉「演劇の灯は消えない」を胸に、私たちが少しでも前進する為のヒントになるような作品を創るべく、「劇場の扉を開いて」、慎重に、誠実に取り組んでいきたいと思います。
加藤シゲアキ
『モダンボーイズ』の台本を拝読して、今こそ上演されるべき作品だと感じました。昭和初期の激動の時代、海外の文化の影響が思想にも娯楽にも現れる反面、その2つが衝突してしまう頃。検閲によって思うような作品を作れない、意のままに舞台を上演できないというのは、令和三年になった今、状況は違えど重なるところがあります。
社会を良くするのは思想か娯楽か。人としての豊かさはどこにあるのか。そして、自分らしく生きるとは何か。
レビューというエンターテインメントに生きた人々の息遣いと熱狂と興奮を楽しんで頂けるよう、私が演じる矢萩奏のように、私自身も情熱をもって演じ切りたいと思います。
【公演情報】
『モダンボーイズ』
作:横内謙介
演出:一色隆司
主演:加藤シゲアキ
●4/3~16◎東京 新国立劇場 中劇場
●4/28~30◎大阪公演 COOL JAPAN OSAKA WWホール
https://stage.parco.jp/
※詳細は随時発表