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人生を笑い飛ばすヴェルディ最晩年の傑作喜劇『ファルスタッフ』間もなく開幕!

新国立劇場オペラパレスでは、ヴェルディ最晩年の傑作喜劇『ファルスタッフ』が2月10日に幕を開ける。

『ファルスタッフ』は、オペラの巨人ヴェルディがシェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』『ヘンリー四世』をもとに、人生最後に手がけた作品で、強欲ながら愛すべき老騎士ファルスタッフを中心に、快活で機知あふれる女性陣や若いカップルらが繰り広げる、無類の楽しさと人生哲学にあふれた傑作喜劇。

音楽的にも先進的で、第1幕の九重唱やソリスト10人と合唱によるフィナーレのフーガなど、緻密な技法で練り上げられた、わくわくするような音楽がふんだんに入っている。特にファルスタッフが口火を切るフィナーレの大フーガ「この世はすべて冗談だ」は、ガラコンサート等でも今やすっかり定番となった、お開きにぴったりのナンバーとして知られている。

ジョナサン・ミラーの演出は、17世紀オランダ絵画に描かれた民衆の日常を踏まえ、深い人間洞察が感じられる名舞台。緻密な構図、静謐な色遣いの舞台はフェルメールの風俗画から飛び出したようで、人々が繰り広げる小気味よい喜劇は、まさに大人のための人間賛歌そのもの。

ニコラ・アライモ

ロベルタ・マンテーニャ

タイトルロールにはロッシーニなどで大人気の名バリトン、ニコラ・アライモが待望の新国立劇場初登場。アリーチェには比類ないテクニックと表現力で欧州各地の劇場で成功を重ねているソプラノのロベルタ・マンテーニャ。クイックリー夫人にはロッシーニを中心に欧米の歌劇場で活躍し、バロック、古楽でも評価の高いマリアンナ・ピッツォラートが演じる。フォード役はメキシコ出身の新星ホルヘ・エスピーノ。ページ夫人メグには脇園彩が登場。わくわくするような最高のアンサンブルに期待が集まる。

指揮にはベルカント・オペラを中心に手腕が高く評価されるコッラード・ロヴァーリスが登場する。

【物語】
第1幕/太鼓腹が自慢の好色な老騎士ファルスタッフは、ページ夫人メグとフォード夫人アリーチェが自分に気があると勘違いし、彼女たちへ恋文を書く。手紙を受け取ったメグとアリーチェは、身の程知らずな内容の上、全く同じ文面であることに呆れ顔。クイックリー夫人ら女性陣で懲らしめようと画策する。一方フォードも、妻アリーチェ宛にファルスタッフが恋文を書いたと従者からの情報を受け、ファルスタッフをやりこめようと意気込む。

第2幕/クイックリー夫人が、アリーチェとの逢引きの時間をファルスタッフに伝えて、計画がスタート。フォードは偽名を使い「アリーチェを誘惑してほしい」とファルスタッフに頼む。ファルスタッフは「アリ―チェと会う予定だからお安いご用」と語り、フォードは驚愕する。迎えた逢引きのとき、ファルスタッフがアリーチェを口説いていると、筋書き通りメグが来て、彼は慌てて逃げる。そのとき、妻の浮気相手を捕らえようとフォードらが乗り込んでくる。彼がつい立ての向こうを確認すると、そこには娘のナンネッタとフェントンが。2人の結婚を認めないフォードは怒り心頭。洗濯籠の中に身を潜めていたファルスタッフは、女性陣のシナリオ通り籠ごと川に投げ落とされる。

第3幕/散々な目に遭っても懲りないファルスタッフは、再びアリーチェと会う約束をする。今回の場所は真夜中のウィンザー公園。精霊がさまようと言われる場所だ。約束の時間にファルスタッフとアリーチェが会うと、助けを求めるメグの声が響く。精霊があらわれたと怖がるファルスタッフは目をつぶって横たわる。実はフォードらが妖精を演じているのだが、すっかり怯えたファルスタッフは、これまでのことを謝る。また、女性陣の計らいで、フォードもナンネッタとフェントンの結婚を認める。ファルスタッフは「この世はすべて冗談」と語って大団円となる。

【公演情報】
2022/2023シーズン
ジュゼッペ・ヴェルディ『ファルスタッフ』
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
指揮:コッラード・ロヴァーリス
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:ペーター・ペッチニック
再演演出:三浦安浩
舞台監督:髙橋尚史
出演
ファルスタッフ:ニコラ・アライモ
フォード:ホルヘ・エスピーノ
フェントン:村上公太
医師カイウス:青地英幸
バルドルフォ:糸賀修平
ピストーラ:久保田真澄
フォード夫人アリーチェ:ロベルタ・マンテーニャ
ナンネッタ:三宅理恵
クイックリー夫人:マリアンナ・ピッツォラート
ページ夫人メグ:脇園 彩
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
●2/10、2/12、2/15、2/18◎新国立劇場オペラパレス
予定上演時間:約2時間35分(休憩含む)
〈料金〉S席24,200 円 A席19,800 円 B席13,200 円 C席7,700 円 D席4,400 円 Z席1,650 円(全席指定・税込)
※Z席:公演当日朝10 時より、新国立劇場Web ボックスオフィスほかで販売。1人1枚。電話予約不可。
〈チケット問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/falstaff/

《無料招待について》
文化庁による子供文化芸術活動支援事業(劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業)として、この公演の4公演日を対象に、抽選で合計692名のお子様を無料でご招待。
詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_023583.html

 

【舞台写真/新国立劇場「ファルスタッフ」2018年公演より 撮影:寺司正彦】

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