中村壱太郎がこどもたちと作り上げる舞台「夏休み! 歌舞伎自由研究」
歌舞伎俳優中村壱太郎が脚本・演出・振付・作調・出演と5つの役割を受け持ち、こどもたちと作り上げる舞台「夏休み! 歌舞伎自由研究」が、8月13日~14日、歌舞伎座ギャラリー木挽町ホールで上演される。
「夏休み! 歌舞伎自由研究」は、歌舞伎座ギャラリーが行う舞踊劇とトークが楽しめる夏休み企画。上演される舞踊劇『四勇士 ~友と共にあめアメふれフレ~』は、「こども歌舞伎スクール寺子屋」の生徒15人が出演する。
中村壱太郎は、これまでも作、演出を手がけていて、春虹名義での執筆は3作目になる。4月にこの話を受けて、大阪松竹座で昼夜出演している合間の3時間を執筆に充てるなどして、7月に書き上げた。
物語は3場構成、モチーフになっているのはRPGの「ドラゴンクエスト」や宮﨑駿のアニメ。勇者が仲間を増やしていくというわかりやすい筋立てだが、お子様向けということではなく大人も楽しめるものを目指したという。
自身も「大雨蛙がま婆さま」役で出演。また吾妻流家元の吾妻徳陽として振付も担当。作調(音楽)では、「邦楽大好き」を自認しているだけに『土蜘』や『三番叟』など歌舞伎演目からもセレクト。
演出面では、生徒たちにとっては初めてといっていい立ち廻りを教えるのに苦労したというが、台詞や動きなど教えたことは次の日に必ずできるようになってくると感心。指導することは、これで合っているのかという自分への問いかけにもなるなど得るものは多いようだ。
この舞台は壱太郎にとって、惜しまれながら5年前にファイナルを迎えた「趣向の華」への思いがベースにある。「趣向の華」は、宗家藤間流藤間勘十郎、尾上流家元尾上菊之丞、松本幸四郎(当時・市川染五郎)が中心となり、平成20年から平成26年まで意欲的な公演が行われた。古典舞踊から新作、復活狂言、ときには歌舞伎俳優が鼓や三味線の腕前を披露することもあり、壱太郎にとって大きな刺激となった。その公演の中に、衣裳や化粧をほどこさない紋付き袴姿で歌舞伎演目を上演する「袴歌舞伎」があり、その「袴歌舞伎」のかたちで今回の『四勇士』も上演される。
なお毎公演終演後にはトークショーが開催され、若手俳優の中村鷹之資、片岡千之助、中村玉太郎、『四勇士』の補綴を担当している戸部和久、壱太郎の鼓の師である藤舎千穂がそれぞれ登場する。
【公演情報】
「夏休み!歌舞伎自由研究」
●8/13・14◎歌舞伎座ギャラリー木挽町ホール
一、袴歌舞伎〈第二章〉
脚本・演出:春虹
『四勇士(よんゆうし)~友と共にあめアメふれフレ~』
戸部和久:補綴
吾妻徳陽:振付
苫舟:作曲
中村壱太郎:作調
出演:中村壱太郎 /石山綾乃、岡本朋己、梶栞奈、川端希、木村海翔、佐伯和正、島琴音、宿口詩乃、白井虎次郎、中川響、深澤瑛太、堀内翼、横山朝樹、吉田真守、渡邉太一
二、お楽しみトークショー
出演:中村壱太郎
ゲスト:戸部和久 中村鷹之資、片岡千之助、藤舎千穂、中村玉太郎(出演日時順)
〈料金〉4,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉歌舞伎座ギャラリー 03-3545-6886(10:00~17:00)
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