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ラッパ屋の新作はテレビのワイドショーを風刺する『コメンテーターズ』

作・演出家の鈴木聡を中心に、実力派の役者たちが、大人のコメディを上演し続けているラッパ屋。その次回上演作品は新作の『コメンテーターズ』。テレビのコメンテーターを取り上げて、いつも以上に風刺の利いた大人の喜劇になりそうだ。

【鈴木聡コメント】
僕はいつかコメンテーターになるかもしれないと思って、ワイドショーを見ながら受け答えの練習をしてみるのだが、力不足を痛感する。なにしろ司会者に話題を振られたら、それがタピオカであれ不倫であれ殺人事件であれEU離脱であれ、即座に、「なるほど」と思えるちょっと気がきいたことを、15秒ぐらいで言わなければならない。さらに同時に「森羅万象を知っている有識者」「辛口のお笑い芸人」「女性の味方の子育て女優」「トンチンカンな答えが面白い恋愛マスターのモデル」など、自分に与えられたポジションを的確にこなしながら、クレームがこない程度に刺激的で、話が弾む言葉を選ぶことを要求されるのである。だいたい僕はどんなポジションになるのか。「AGAに悩む劇作家」「糖質制限が中途半端に終わった元・サラリーマン」「CDと本の置き場に困っている還暦男性」・・ニーズがないと思う。
というわけでラッパ屋の新作『コメンテーターズ』。中央線沿線の飲み屋に夜毎出没し、コメンテーターばりのお喋りで鳴らすそんじょそこらのおっさんが、ひょんなことから本物のワイドショーのコメンテーターに抜擢される珍騒動。
この中央線沿線というのがミソでしてね、「中央線の呪い」という本も出てるぐらい、一度住んだら抜け出せなくなる魔力があると言われるエリアなんですな。歴史が古くて懐が深い。「人生好きにしてよし」という気配が漂っている。電車は東京の真ん中を走っているくせに、どこか東京に背を向けたムードがあって、たぶんこのあたりの住民は「IT系富裕層」や「いきすぎた合理性」や「コンプライアンスとやら」があまり好きじゃない。なんでもわかりやすく単純化してしまうテレビにも批判的。心の豊かさや人間の複雑さを愛す。
そんなおっさんがテレビに出る人になるわけです。与えられたポジションは「中央線おじさん」。言葉の選び方を指導され、キャラの強化を要求され、家族や友人の力を借りながらなんとか役割をこなすが、ある日の本番でとうとう・・。 笑いと味わいたっぷりに、ちょっと辛口な大人の喜劇をつくります。ぜひ観に来てください。

【公演情報】
ラッパ屋 第46回公演『コメンテーターズ』
作・演出:鈴木聡
出演:おかやまはじめ 俵木藤汰 岩橋道子 大草理乙子/中野順一朗 浦川拓海 青野竜平(新宿公社) 岩本淳/北村岳子/松村武(カムカムミニキーナ) 谷川清美(演劇集団円)/ともさと衣 瓜生和成(小松台東)/宇納佑 熊川隆一 武藤直樹/黒須洋嗣 佐山こうた
●4/22~29◎紀伊國屋ホール
〈料金〉5,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
 4/22日・23日はラッパマーク特別料金5,100円、U-25券3,000円(引換券・税込)
〈前売り開始〉3月7日(土)10:00〜
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00〜18:00)
〈公式HP〉https://rappaya.jp/

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