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ヤスミナ・レザの最高傑作『ART』をイッセー尾形・小日向文世・大泉洋で上演決定!

大泉洋・イッセー尾形・小日向文世

イッセー尾形・小日向文世・大泉洋という最高のキャストで、ヤスミナ・レザの最高傑作『ART』を2020年3・4月、東京と大阪で上演する。

この作品は戯曲『正しいオトナたち』『人生の3つのヴァージョン』などで世界的に著名なフランスの劇作家ヤスミナ・レザによる3人芝居の傑作。1994年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演され、極上のコメディとして賞賛を受け、その年のモリエール賞で最優秀作品賞を受賞。96年にはウエストエンドで上演され、オリヴィエ賞で最優秀新作コメディ賞を受賞。また98年にはブロードウェイでも開幕し、トニー賞で最優秀作品賞を受賞する等、世界各地で絶賛を博した。

長年、親友であった3人の男が、一枚の絵をめぐって大ゲンカを繰り広げる90分のノンストップコメディ。一枚の絵をきっかけに人間関係が浮き彫りになり、心の奥底にしまってあった憎悪が吹き出してしまう。人間の怒り、憎悪が瞬間的に方向を変えるストーリーの巧みさは、まさにヤスミナ・レザの真骨頂。登場人物3人のそれぞれの生き方、性格、感情など見事なキャラクター構成で、今なお世界中で上演され続けている。

この度の舞台化に当たり、演出には気鋭の演出家・小川絵梨子。出演者には、「一人芝居」の第一人者としてその比類なき演技力が国内のみならず、海外からも高い評価を得ているイッセー尾形、秀逸な表現力で数多くの作品で圧倒的な存在感を放つ小日向文世、演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーとして活躍する一方、幅広いフィールドで多彩な活躍をみせる大泉洋という最高の組み合わせが実現した。

【ものがたり】
マルク、セルジュ、イヴァンは長年の大親友。ある日、セルジュが現代アートの高い絵を買ってきた。皮膚科の医師で現代アートが趣味のセルジュにとっては、やっと手に入れた自慢の作品。ところが一緒に喜んでくれると思ったマルクは不思議な顔をするばかり。そんな二人の会話には妙なすれ違いが生まれ・・・。
一方、結婚を間近に控えるイヴァンにとってもこの友達関係は何よりも大事。三人はお互いの関係を何とかしようとするが、一生懸命になればなるほど、会話はおかしな方向にズレていく。エスカレートしていくうちに実はお互いに相手に求めていることが全く違っていたことに気付く三人。関係を修復しようとすればするほど、事態は思わぬ方向に。これは果たして喜劇か、それとも悲劇か・・・。

公演ロゴはキャストのイッセー尾形、小日向文世、大泉洋が実際に描いたもので、大きな白いキャンバスにイッセー尾形が「A」、小日向文世が「R」、大泉洋が「T」を描き、組み合わせている。

【コメント】

イッセー尾形
翻訳劇は初めてです。今まで一人(独り芝居)でやるのがずーっと忙しかったから(笑)。ほんとうに一人でやるのが楽しくて、ずっとやっていました。でも六十歳になってフリーになりまして。ちょっとずつ井戸から外に出てきて。ミュージカルもやったことがあるんですよ、すごいでしょう!歌ったんですよ、いっぱい人がいる中で(笑)。オペラもやりました。だから翻訳劇も大丈夫かなと。共演が小日向さんと大泉さんですから。芸達者な御二人と一緒ですから、何とかなるんじゃないかなーと思って(笑)。でも何人かでやる場合は一番大事なのは力の配分。ここは力を入れる、ここは抜くという。そこが難しいですね。
この戯曲の魅力は、読んだ時の印象がその時その時で変わるんですよね。最初読んだときは、支配、非支配の関係で読んだんです。友情って言いながら、結局相手の領土をどんどん侵していく、侵されまいとするという攻防戦に見えたんですけど、また時間が経って読むと、結局、それは表面的なことであって。もう一回読むと、それでしかこの友情を確かめ合えない。けど結局は、仲良いことの一つの表れなんじゃないかなとも読めるんですね。だから、不幸な関係といえば不幸な関係なんですけど。その不幸な関係を支えているのは幸せな関係なんだと。まあ良いかーみたいな感じですね。
僕が演じるマルク役ってあまり共感はしないんですけど(笑)。一回否定的な言葉を投げかけておいて、それを非難されると、すぐ撤回すればいいものを撤回しないで、否定を守ろうとするんですね。その諦めの悪さというか、その辺は結構わかりますね。ケチつけたことにケチつけられると、またケチつけ返すというふうで、そういう性(サガ)みたいなもの、それはわかりますね(笑)。でも守るものがあるから守るのかというとまた違っていて、守るから守るべきものが生まれてくるということも考えられる。この目の前のやりとりでね。奥底に何もないんだけれども、背後にはいかにも何かありそうに見せなきゃいけなくなってくると。そんなのが三人もいますから、三の二乗ぐらいの世界を繰り広げられるんじゃないかな。

小日向文世
台本読んでみて最初の印象は、とにかくよくしゃべっているなという。これはセリフを覚えるのが大変だなと最初に思いましたね。それと緊迫した三人の関係というのが、気が抜けない状態がずっと続くなーと。でもそこがご覧になるお客様としてはおもしろいんだろうなと思うから、これから戦っていかなきゃいけないなと思っています。でも今回、ぜひご一緒したいなと思っていた小川絵梨子さんの演出で、共演がイッセー尾形さんと大泉洋君ですからね。舞台での共演はお二人とも初めてなのです。ものすごく濃い舞台になるんじゃないかなという気がして、今からすごく楽しみですね。
僕の演じる役は医者のセルジュです。医者だからある程度お金を持っているんでしょうね。高額な絵を買ったんです。その絵を友人のイッセー尾形さん演じるマルクに見せるんですよ。ところがマルクにケチョンケチョンに言われるわけですよね。そこでプライドが傷ついて、2人の関係がぎくしゃくして、いろいろお互いに思っていたことを少しずつ腹の中にあったものを出し始めて。そこにもう一人、大泉君演じる若いイヴァンが入ってきて、三人の非常に微妙な関係が新たに形成されていくという。人間模様が非常に面白く見られる芝居ですね。それぞれに悩みがあったりしているんですよ。友人同士である三人の関係が一枚の絵、真っ白い、ほぼ白い絵を基点にして、そこまでいっちゃうのかよという。あまりそういう友達は僕にはいないですけど(笑)。
僕は休みの日は家から一歩も出ずにうちにいるのが好きな人なので、誘いの電話があったりすると、うーんと何とお断りしようかと思うタイプなので(笑)。待ってました!とばかりにワッーと外に出るタイプじゃないんですよ。三人は余程仲がいいんですね。僕ならそんな絵のことで「いいよ、わかんなきゃ別にいいよ」ってなるところだけど、彼らは徹底して、追求していくんですよね。そこがおもしろいんじゃないかな。でも結構、険悪になりますからね。特に僕とイッセーさんは。たしかつかみ合いする瞬間があるんですよね。嫌だなー、イッセーさん強そうだから(笑)。

大泉洋
頂きました台本をまだ読み込めてはいないのですが、仲のいい3人が絵一枚で大ゲンカに発展していくんです。台詞も難しいし、色々まだ分からないところもありますが、どこか滑稽で、笑ってしまうところも、あるんですよね。ただ狂気じみているといえば狂気じみているし、そこをどうやって小川さんが演出で見せるのかとても楽しみにしております。
私の演じるイヴァンはある種、一番優しいといえば優しいんじゃないでしょうか。自分の意見をはっきり言えないんですよね。何となくいいじゃん、いいじゃんという、事を荒立てずに何とかしたいと思うんだけれども、彼の態度でより3人の事態が悪化していってしまう。しまいには、おまえのせいだと責められてしまう。酷い話だなと(笑)。結構優柔不断なところは、ちょっと私に似ているんです(笑)。私もとにかく揉め事が嫌いで、だから争いごとになるとかは本当に避けたいですね。一番私自身に近いですかね。間違ってもマルク(イッセー尾形)やセルジュ(小日向文世)ではないです。劇中で起きていることは相当深刻だし、辛辣なんだけれども、ただ彼らのケンカを端から見ている分には、何か滑稽さを感じて、笑ってしまうんですよね。笑って良いのか分からないんだけど(笑)あの絵を買ってからの2人というのはおかしいですよね。しまいには、人のカミさんや恋人のことまでボコボコに言うから。そんなの堪らんわという。何であんなことになっていくんだろうと私自身も不思議に思ってます。
今回のお話を頂いた時、純粋にイッセー尾形さん、小日向文世さん、演出家は小川絵梨子さんという、これはまたとない座組みだなと。やっぱりイッセーさん、小日向さんって舞台人としては神様的な存在ですよね。そんな人たちと私が一緒に出られるというのは光栄ですが、怖さもあります。この御二人と、私が、たった三人で舞台に上がるわけですから。でもだからと言って逃げるわけにはいかない仕事ですよね。こんなチャンスはまたとない。やらないという答えはないです!でもやっぱり怖いなー(笑)

【公演情報】
『ART』
作:ヤスミナ・レザ
翻訳:岩切正一郎
演出:小川絵梨子
出演:イッセー尾形 小日向文世 大泉洋
●2020年3・4月◎
東京先行公演 彩の国さいたま芸術劇場
大阪公演 サンケイホールブリーゼ
東京公演 世田谷パブリックシアター
〈一般発売〉 2020年2月予定
〈お問い合わせ〉MItt  03-6265-3201(平日12:00-17:00)

 

 

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