パペットとの独創的な舞台、デューダ・パイヴァ カンパニー『BLIND』10月に初来日公演 　

photo:Patrick Argirakis

東京芸術劇場では東京芸術祭 2019 「芸劇オータムセレクション」として、デューダ・パイヴァ カンパニーの初来日公演『BLIND』（ブラインド）を10月17日から20日まで東京芸術劇場シアターイーストで上演する。

オランダ・アムステルダムを拠点に活動する「デューダ・パイヴァ カンパニー」は、独特なセンスでダンス、パペット（人形）を融合させるクリエーターのデューダ・パイヴァを中心に結成。素材にも工夫をこらした特殊な造形のパペットたちをダンス・パートナーに、身体的、視覚的にも独創的な舞台を発表してきた。
2014 年に発表された『BLIND』は、パイヴァ自身が幼いときの病気で一時的に失明体験をしたことをモチーフに、暗闇の世界から治癒に至るまでの身体的苦難と心象風景を、奇怪な造形のパペットとインスタレーション、音と光の巧みなエフェクト、観客席との対話も交えながらパイヴァのフィジカルテクニックを重層的に絡み合わせて表現していく。

意外な場所から出現する仕掛けに満ちたパペットたちと戯れ、踊り、格闘するパイヴァのパフォーマンスは、ユーモアとホラーが混じりあい、ダークな世界の中でも時に笑いを呼び起こす。さらにパイヴァの故郷であるブラジルから、ルーツとなるアフリカ文化にも触れ、ヨルバ語の歌と共にシャーマニズム、アニミズムの色濃い世界に観客たちを誘う。
痛みが癒しに、戦慄が悦楽に変転しながら、妖しく美しい闇の迷宮に誘うデューダ・パイヴァ『BLIND』の世界に期待が高まる！

【メッセージ】
デューダ・パイヴァ（デューダ・パイヴァ カンパニー主宰）
私はまずブラジルでクラシックバレエから習い始めて、モダン、コンテンポラリーダンスを学びました。21 歳の時に日本に渡り、舞踏家の故大野一雄さんに学ぶことができました。その後オランダに拠点を移し、1999 年にパペット（人形劇）に出会い、その世界に魅了されました。以来、20 年にわたり、ダンスとパペット、舞踏という要素が、舞台というメディアにおいてどのような接点を持つことができるのか、どのようなコミュニケーションが可能になるかということについて、探求を続けてきました。
日本の文化、芸術には今も深い関心があり、日本で上演することについては特別な気持ちを持っています。私のパフォーマンスの中で大野先生から学んだ舞踏は、非常に強い要素の一つと言えます。西洋的な視点と日本で学んだ経験が織り込まれた私の作品が、日本の観客の皆さんにどのように受け取られるか、とても興味があります。
この作品『BLIND』のモチーフとなった私の失明体験についてお話しします。私は 1 歳のころからとても重い眼の病気を患い、計 16 回の手術をして、眼の内側から症状の原因と思われる包嚢のようなものを取り出しました。その結果、手術をするたびに、約 1 ヶ月、目隠しをされたような暗闇の状態となりました。何回も手術をした結果、およそ 2 年間に渡って、私は闇の中で過ごすことになったのです。そして私の眼の病気の問題点は、激しい痛みを伴うものでした。あまりに痛かったので、自分の手で眼球を取り出そうと思ったほどです。どれほどの痛みだったか、おわかりいただけるでしょうか。
とはいえ『BLIND』は、ダンスと人形が重なり合って、戦慄と詩情が手を取り合い、たくさんの笑いとユーモアに包まれた作品となっています。ユニークで新鮮な舞台表現に関心をお持ちなら、オランダからやって来るデューダ・パイヴァ カンパニーの『BLIND』を是非ご覧ください。

【公演情報】
東京芸術祭 2019 芸劇オータムセレクション
デューダ・パイヴァ カンパニー『BLIND』（ブラインド）
原案：デューダ・パイヴァ、ナンシー・ブラック
演出：ナンシー・ブラック
振付・人形操作・
出演：デューダ・パイヴァ
●10/17～20◎東京芸術劇場 シアターイースト
※本公演においては、出演者と観客の対話など一部場面に日本語通訳が入る予定です。
〈料金〉一般 4,500円 65 歳以上 4,000円　25 歳以下 3,000円　高校生以下 1,000円（全席自由［整理番号付］・税込・未就学児童入場不可）
※65 歳以上、25 歳以下、高校生以下チケットは、劇場ボックスオフィスのみ取扱い（枚数限定・要証明書）。
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296（休館日を除く 10:00～19:00）東京芸術祭チケットセンター https://tokyo-festival.jp/2019/ticket/
〈公演ＨＰ〉http://www.geigeki.jp/performance/theater222/